前回に引き続き、ウマ娘のスピンオフ作品を題材にしました。
今回は「ピスゴル」の方です。
昔読んでいたコロコロコミックを思い出させてくれる作風で、ウマ娘たちの扱いがいい意味で雑なところがツボなんですよね。
ジャンルがギャグだとドット絵の方も好き勝手に遊びやすく、制作を楽しめました。
ステイゴールド産駒が大集合!ギャグ漫画『ウマ娘 ピスピス☆スピスピゴルシちゃん』

タイトル:『子守をするフェノーメノ』
制作時間:24.1時間
『ウマ娘 ピスピス☆スピスピゴルシちゃん』(以下、ピスゴル)は「週刊コロコロコミック」で連載中の、『ウマ娘プリティーダービー』シリーズのスピンオフ作品です。
主人公・ゴールドシップをはじめとするウマ娘たちが幼稚園児になった世界線のギャグ漫画。
作者は柴田直樹さんです。
ギャグに振り切っているため内容こそカオス寄りですが、登場キャラクターはきちんとした基準で選ばれている印象。
大きな要素のひとつは「ゴールドシップとの関係性」です。
実馬で父にあたるステイゴールドがウマ娘化したこともあり、最近は産駒との絡みが多く描かれています。
「フェノーメノ」もそのひとり。
現在は一家で魔界進行中です。
結末を見守りましょう。
ステイゴールド産駒で唯一(?)の常識人「フェノーメノ」

「フェノーメノ」はゴールドシップと同じく、ステイゴールドを父に持つ競走馬がモデルのウマ娘です。
ピスゴルでは幼稚園児として登場。
過去に描いたナカヤマフェスタと同じ立ち位置ですね。
正義感が強い真面目な性格で、初登場時は小学生の交通指導をしていました。
繰り返しますが、ピスゴルのフェノーメノは幼稚園児です。
ステイゴールドの系譜は親譲りの気性難が多かったようで、ウマ娘化すると制御不能になりがちなものの、フェノーメノだけは常識人キャラをしています。
これは、実馬が引退後にリードホースとして後輩の面倒を見ていたことに起因しているのかもしれません。
ただし長身でこわもてなデザインなので、世話を焼こうとする相手から恐れられてしまう……そんなキャラクターです。
ドット絵で描くフェノーメノの子守チャレンジ

このドット絵は漫画『ウマ娘 ピスピス☆スピスピゴルシちゃん』第61話のワンシーンを誇張して再現したファンアートです。
舞台はゴールドシップが通う幼稚園。
園で預かっている赤ちゃんの子守を、遊びに来ていた?他園生のフェノーメノも挑戦することになります。
小さい子供に好かれないことを自覚しているため、恐る恐る抱っこしてみると……

元気過ぎる赤ちゃんに顔を散々やられる展開!
ドット絵は赤ちゃんが暴れているところまで。
この後フェノーメノはダメージなど気にせず、赤ちゃんに「泣かれていないこと」を喜びます。
本人の真面目さとウマ娘としての頑丈さがギャグとして融合されていて、個人的に好きなシーンでした。
赤ちゃんの暴れモーションを格ゲー風にアレンジ
暴れる赤ちゃんの動きを格闘ゲーム風のコンビネーションにしてみました。
攻撃の雰囲気は『グラップラー刃牙』シリーズを意識しています。
ピスゴル自体も本タイトルのパロディが多いので、相性は良いはず。
パンチ

最初の一撃はパンチ。
上半身の筋肉を隆起させ、フェノーメノの顔面をしっかりととらえます。
ちなみに原作で拳は使っていません。
頭突き

続けて頭突き。
上体を反らして勢いをつけ、フェノーメノの顔面に振り下ろします。
原作では後頭部を当てにいく表現です。
キック

締めはキック。
体をひねりながら、フェノーメノの顔面にかかとを突き立てます。
原作では足の裏を使った十六文キック風の描写です。
フェノーメノのくらいモーションでギャグ感アップ
赤ちゃんの攻撃をより派手に見せるため、フェノーメノ側の被弾表現も誇張しました。
格闘ゲームでキャラクターが攻撃を受けた時にのけぞる動きをイメージし、頭部を大きく変形させています。


静止画だとやり過ぎに感じるかもしれませんが、動くと気にならないでしょう?
大げさな表現がギャグ漫画のテイストになじみ、よりふざけた感じに仕上がりました。
昔、MUGENキャラクターを自作しようとした経験がここで生きましたね。
攻撃やくらいモーションを描くのはやはり楽しいので、また挑戦したいです。
誇張表現で遊んでみた、制作メモ
本ブログは「動く静止画」形式のドット絵が中心です。
基本となる1枚を用意して、一部(エフェクトや背景など)だけを動かすフォーマットですね。
ただこの形式は「前のコマとの整合性」を守る必要があるため、自由度が低いと感じることがあります。
一方で、格闘ゲーム的な大きなモーションは予備動作から一気に動かせるので中割りが必要なく、行動前後で全く違うシルエットを作画できます。
大げさな動きにするためなら本来のサイズや形状を無視しても成立するので、体感の自由度がかなり高いんですよね。
今回はギャグ漫画という題材を生かして、前コマを気にせず描き、誇張を入れまくってドット絵を完成させました。
ありえないくらいの変化も受け入れられる解放感、素晴らしいです。
こんなに自由!3つの誇張表現
フェノーメノのドット絵に用いた誇張表現をメモがてら紹介しましょう。
誇張対象は大きく以下の3つ。
- サイズ
- 形状
- 形態
です。
サイズの誇張
パーツを本来のサイズより大きくする表現。
パンチやキックに適用しました。

拳や脚を攻撃前より大きくしつつ描き込みを増やすことで、高い破壊力を生み出す説得力を持たせます。
本来のサイズと比較できる画像も載せておきましょう。
以下は腕の例です。

結構差があるでしょう?
形状の誇張
形を大げさに変える表現。
攻撃を受けたフェノーメノの頭部に適用しました。

衝撃で歪み、元に戻る際の反動で反対方向にまた少し歪むという構成です。
不自然なくらい変形させても、意外とモーション中になじんでくれるんですよ。
思い切りやりましょう。
形態の誇張
対象を一時的に別の状態に変える表現。
赤ちゃんに適用しています。

攻撃の瞬間、体が筋肉質になっていることが分かるでしょうか。
筋肉の凹凸がはっきりわかるディティールに変化させることで、力み具合を伝えやすくしています。
体格がいきなり変わるのはおかしいのですが、服装が瞬時に切り替わる演出はギャグ漫画の定番。
下地があるならば見る側も受け入れやすいのではないでしょうか。
今回はギャグ漫画を題材に、思い切った誇張表現を取り入れてみました。
シリアスな題材には形態変化は難しいですが、サイズや形状の誇張は取り入れやすいので、モーションに物足りなさを感じる時に試してみると面白いと思います。
私としては、昔の経験を忘れていないことを確認できて、ほっとしました。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。
