1週間空けての更新。
今回は愛読している漫画『グラップラー刃牙』(正確には第2部『バキ』)のドット絵です。
テレビ番組『アメトーーク!』でグラップラー刃牙芸人が組まれるほどの人気タイトルなので、名前だけは聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
そんな名作の中から個人的に最も面白いと思っている「最凶死刑囚編」をピック。
ワンシーンを再現したドット絵を制作しました。
ぜひ見ていってください。
この記事は連載中漫画のネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
シリーズ第2部『バキ』から、凶悪な死刑囚相手でもやっぱり強いぞ!「烈海王」
タイトル:『烈海王vsドイル』
制作時間:37.1時間
『グラップラー刃牙』シリーズは週刊少年チャンピオンで連載中の、板垣恵介(いたがき けいすけ)さんによる漫画作品。
主人公・範馬刃牙(はんま バキ)が地上最強の生物とうたわれる父・範馬勇次郎(はんま ゆうじろう)を超えるべくほかの格闘家たちと戦い、強くなっていくストーリーです。
空手やプロレス、古武術、けんか殺法に至るまでとにかく様々なジャンルの強者が登場。
異種格闘技戦が行われます。
続編は『バキ』『範馬刃牙』『刃牙道』『バキ道』とタイトルが少しずつ変化。
現在は最新の第6部『刃牙らへん』が連載中です。
シリーズが切り替わると対戦相手の性質も変わるのがこの漫画の面白いところ。
例えば第1部が格闘家同士の戦いだったのに対し、第2部は脱獄した死刑囚が相手。
武器の使用が制限されず日常のいつ・どこで襲撃を受けるか分からない状況下、試合外における格闘家としての地力が試されていました。
烈海王(れつ かいおう)
「烈海王」は第1部・最大トーナメント編から登場する中国拳法の達人です。
中国武術における高位の称号「海王」を受け継いだ作中屈指の実力者であり、トーナメントを準決勝まで無傷で勝ち進みました。
第2部では対峙した死刑囚全てを圧倒。
やはり強すぎるほどに強い!
本編では死亡してしまいましたが読者人気が高いキャラクターだったため、スピンオフで異世界転生を果たしました。
ドイル
「ドイル」は第2部・最凶死刑囚編に登場した、5人の死刑囚のひとりです。
死刑囚は総じて何でもありの犯罪者であり、ドイルも体内に凶器を仕込んでいます。
格闘家たちを次々と再起不能にしていく中で烈海王とも交戦。
しかし圧倒的な実力差に敗北寸前まで追いやられました。
この戦いがきっかけとなりドイルの心境・行動が変化していきます。
他登場人物たちとの関係性は必見。
ドット絵の説明
この作品は第2部『バキ』の最凶死刑囚編における、烈海王とドイルの戦闘を再現したドット絵です。
ロケーションはどこかのバー。
烈海王による手投げナイフの連撃をドイルが食らっているシーンです。
バーテンダーは一般人のため、あまりの光景に驚くばかり。
キャラクターのSD化
ドット絵ではキャラクターをSD化しています。
Netflixで配信されているアニメを参考に制作したため、そのまま描いてはただの模写。
作品の付加価値を増やすためにアレンジしました。
詳細は後半記事で。
酒類は実物を観察しながら
カウンター奥に並ぶ酒類は実物の写真を見て作画。
ドット絵に置き換える練習として。
この辺も後半記事に書きます。
詳しい方は参考にした銘柄をラベルの色で判別できるかもしれませんね。
[制作記事]アニメを真似してドット絵の勉強
『バキ』はアニメ化されていてNetflixで配信中です。
つまり動画を停止すれば観察し放題に。(コマ送りはさすがにできない)
動かし方・コマ割りの教材に利用できます。
創作をしていてよくあるのが「手なりで描けるものばかり描いてしまう」こと。
ポーズやコマ割りにも癖が反映されがちなんですよね。
そういった偏りを減らすためにも、他者の創作物からノウハウを吸収する活動は重要だと考えています。
今回のドット絵は『バキ』のワンシーンを再現していることから、アニメの真似をしながら制作しました。
アニメ版で補完されたコマを探す
原作漫画においてナイフを投てきする烈海王は以下1コマのみ。
しかしアニメーションさせる場合、この1コマの画像だけで十分な効果を得られるのでしょうか?
試しにアニメーションを組むとこうなりました。
どうも迫力に欠けるような。
ここでNetflixアニメではどうしているのか確認します。
停止させて観察したところ、以下2つのポーズが追加されているようでした。
(コマ送りできないのでひょっとすると見落としがあるかも)
つまり該当シーンを表現するためにはあと2コマ必要と、アニメ制作陣が判断したということ。
この構成を真似ることでドット絵でも迫力のある動きを再現できるでしょう。
真似るべきエフェクトの見極め
エフェクトも素直に真似をした方が良いケースが存在します。
烈海王で該当したのは投てきの軌道エフェクト。
これは腕の動きに合わせるべきです。
本体がアニメ通りなのにエフェクトだけ好き勝手に描いてしまっては、不自然になる可能性があります。
よってこのエフェクトもアニメ通りに再現する方針にしました。
自分のさじ加減で描ける個所は自力で
最後に重要なことですが、ドット絵全てを真似(模写)するならば作品としての付加価値は低くなってしまいます。
自分の作風を発揮しにくいこともデメリットでしょう。
制作数は物理的に限られているので機会喪失はもったいないですよね。
私はドット絵を制作する際、模写だけでは対応できないアレンジ要素を加えることを努力目標にしています。
今回のドット絵では
- SDキャラクター
- ナイフと血しぶき
- 棚に並ぶ酒類
の3つを自分なりに仕上げました。
制作手法に模写とは違うアプローチを組み込むことで、1作品内で得られる経験値を最大化できるよう試みています。
SDキャラクター
烈海王のポーズ・コマ割りについてはアニメを真似ましたが、キャラクター自体はSDで描き下ろしています。
今回のドット絵は参考元の動画が存在することから制作の難易度がかなり低め。
生まれた余裕をスキル向上にあてる方針にし、「キャラクターをSD化する練習」という制作コンセプトを掲げました。
等身は昔プレイした格闘ゲーム『ポケットファイター』ライクに。
ドット絵のゲームで遊んだ経験があると、こういう時に目標を定めやすくていいですね。
ナイフと血しぶき
ナイフと血しぶきはそれと判別できれば十分なエフェクトです。
例えばアニメと比較してナイフの量が1本少なかったら?
血しぶきがちょっと少なかったら?
過度な差でない限りは見栄えに影響ありませんよね。
今回のドット絵においては
- 無数のナイフを投てきしている。
- 対象に命中している。
ことを見て取れるのが第一。
元を正確にトレースできているか否かは重要でないため、自由に作画しました。
棚に並ぶ酒類
カウンターの奥に並ぶ酒類はアニメや漫画でなく実物写真を見て作画。
考え方はナイフ・血しぶきと同様です。
お酒が並んでいることが分かればいいのであって作中の銘柄を再現する必要はありません。
アニメと同じように描くよりも、実物のデザインをドット絵としてデフォルメする方法を考えた方が経験値を多く得られると判断しました。
画像からドット絵を起こすというのはよくやる手法。
練習機会を増やすに越したことはないでしょう。
模写は元絵をドット絵に落とし込む腕が問われるので勉強になるものの、やはり元絵がある分、お手軽に仕上がってしまう印象があります。
解像度の制限が緩い大きめの作品ならば、ドット絵的な技術介入が線の処理くらいしかないケースも少なくありません。
写して描くだけにならないように工夫していきたいところです。
元絵を自分で描けるならこういう悩みもなくなるんですけどね。。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。
第2部くらいまでの烈海王は本当に強い。