月1作品というペース目標。
4月分もギリギリ間に合いました。
習慣が抜けてしまった体だと、これでもきついきつい。
最近は気温が少しずつ上がって暑い日も増えてきましたね。
去年は5月時点で作業環境が世紀末となり、今年もすでに不穏です。
一応は策を準備しているのでそれに期待しましょうか。
今回のドット絵は「性的要素を含んだキャラクター」の二次創作となっています。
作品自体に直接的な描写はありませんが連想させる表現はございます。
題材そのものを苦手とする方もいらっしゃると思いますので、該当する方は観賞を中止していただけると幸いです。
『MUGEN』のリョナコミュニティを代表する手描きキャラクター「kuromaru」

タイトル:『kuromaru』
制作時間:39.1時間
『MUGEN』はフリーの2D格闘ゲームエンジンです。
キャラクターを自作・公開するほか、他人の製作物を登録し独自の格闘ゲーム環境を構築するなどして遊べます。
MUGENについては過去記事で何度か触れているのでそちらをご参照ください。
MUGENのアンダーグラウンドのひとつ、リョナ
誰もが参入できるとあらゆる分野に登場するのが成人向けコンテンツです。
この世にはリョナというジャンルがありまして。
より広い範囲をカバーするサディズムみたいなものでしょうか。
人によって意見が異なると思うので本記事では性的にいたぶることと定義します。
MUGEN界隈でもエロい技で相手を攻める、リョナコンテンツがひっそりと確立されていました。
やられる側も脱衣したり特殊な体位を用意したりと大変な凝りよう。
愛好家は専用のコミュニティで特別なキャラクターたちを流通させていたようです。
MUGENのエロといえば「kuromaru」

「kuromaru(くろまる)」はMUGENを代表する成人向けキャラクターです。
黒い球体にモノアイ。
不定形で触手を出したり変形したり。
どんな攻めにも対応できる拡張性を有しています。
賛否を承知の上で言わせていただくと、私はこのキャラクターが大好きです。
……エロ要素があるからとかではなくて!
手描きキャラクターとして非常に出来がいいんですね。
相手を捕まえたり絡んだりしながら攻めるというのは、相応の表現力とアニメーション枚数、そしてこだわりが必要です。
とにかくエロいものを作りたい、作り手の情熱が伝わってきます。
個人製作が主なMUGEN界隈において、kuromaruレベルに作り込まれた自作キャラクターはなかなかお目にかかれません。
複数の有志によって手を加えられてきた歴史もあるそうです。
まるで継ぎ足し続けられる秘伝のたれのようじゃありませんか。
ドット絵の説明

この作品はMUGEN向けに製作された手描きキャラクター「kuromaru」にフォーカスしたキャラクタードット絵です。
過去のMUGENドット絵と同じフォーマットで制作しました。
静止画として始まったフォーマットですが、現在ではアニメーション付きが標準になっています。
R18要素は控えめに
私はブログやSNSを全年齢向けに運用しているつもりです。
kuromaruがいかに成人向けとはいえ、作品上で女キャラを襲わせるわけにはいきません。
(ちなみにkuromaruは男女関係なく襲います)
ドット絵では獲物を木製人形に置換、本番的な描写も避けました。
そうしてできたのがこちら。

kuromaruが人形で一人遊びしているような構図になっています。
ゲーム『Fallout4』では子どもの死体をぬいぐるみに置き換えて表現した(※)とか。
そのエピソードから着想を得ました。
※あくまでネット上で見聞きした考察話です。
主役に焦点を当てる目的もありますね。
女性キャラクターがいたらどうしてもそっちに目が行きますし。
文字装飾として愛称?の黒丸を
日本のMUGEN界隈ではkuromaruを「●」と表記することが多いように思います。
隠語のようなものでしょうか。
現在では愛称の意味合いも強くなっている点を踏まえ、キャラクター名の「O(オー)」部分を黒い丸に変更してみました。

名前関連でもう一つ。
いつもなら下部に製作者名を入れるところ、不明につき未記載にしています。

正確に言うと判明はしているのですが、複数人によって手が加えられている性質を考慮すると私が知っているバージョンがご本人の手によるものか不明確なので、確定表現を避けることにしました。
極端な話、「本家kuromaruは触手なんて出しません」とかだったら風評被害になってしまいますからね。
モーション計画からアニメーションを作画する
アニメーションの作画手順は人それぞれでしょうが、少なくとも私は自分の方法がうまくいっていないと考えています。
自己流なのできっと非効率な部類に入るでしょう。
よそさまのメイキングを見て学ぶことが多いです。
今回は海外のドッターさんがよくやっている、「モーションの計画を立ててから肉付けする手法」で制作をしてみました。
海外とは言いましたが日本のドッターさんも使っている方法と思います。
日本のドッターさんのメイキングって希少なので明言できない……。
いつもの作画手順
多くの場合は以下の手順でモーションを作画しています。
①基準となるドット絵を1枚描く。

②①をずらしたり傾けたりして少し動かし、次のコマを描く。

③②で作成したコマをずらしたり傾けたり……
と繰り返していきます。
この手法に感じている大きな問題点は2つ。
まず、ぎこちない動きになりがちです。
元の画像に引っ張られ、像を大きく変える動きに弱くなる傾向があります。
ドット絵はモーションをやや大げさにした方が見栄え良く収まることがほとんどですから、具合がよくありません。
特にZ軸の変化があるときは、結局ゼロから作画することが多いですね。
次にループをうまくつなげるのが難しいこと。
1枚ずつ順番に描いていくため、頭の中で着地点までイメージできていないと最初のコマにうまく接続できません。
ひどいときは「あと何コマくらいでつながるかな」なんて行き当たりばったりで描いていたりも。
つまりこの方法は全体像が見えないまま描き進めているのです。
計画(プラン)を立てる方法
私が見た海外のドッターさんたちは簡単なモデルを使い、モーションだけを先に作画する方法を取っていました。
簡単なモデルとは、人間なら棒人間とかですね。
要はモーションの計画(プラン)を立ててから本格的な描き込みに移行するということです。
私が木製人形を描いた実例で手順を軽くご紹介します。
まずは質感を無視してシルエットを作画。
本来は棒人間で十分なのですが題材の人形がすでに素体みたいなものなので、形まで取ってしまいました。

色分けしてパーツごとの動作や奥行きが分かるようにした方が無難でしょう。
次にループまでの一連モーションを作画します。

ここで枚数を確定。
枚数はアニメーションの速度に反映されますから重要です。
12枚構成にしました。

「ため」や「余韻」までしっかり決めておきましょう。
簡素な状態なので試行錯誤も気軽です。
動きの骨組みが完成したら描き込みに入ります。
一般的なキャラクターだと髪や肉、衣服、装飾品を盛っていく感覚でしょうか。


今回はシルエットまで作画済みなので難しいのは木目くらい。
前工程で棒人間を避けたのが正解と思える程度に楽できました。
良くも悪くも、成果物の動きは計画を超えない
人形のモーションが完成した段階で触手も計画を立てました。


脈打ったり変形したり……思いつく動きを組み込んだつもりです。
伸縮自在・不定形の物質ということで輪郭まではっきりさせる必要はないと判断し、こちらはラフ状態。
塊感を意識して色分けもほぼしていません。
描き込み終わったものがこちら。

最終的な感想は「あまりエロくならなかった」です。
R18要素を抑える方向で制作したと説明したものの、触手をやらしく描きたい願望はありました。
しかし私は触手を描いた経験が乏しく、正解が分からなかったというのが実情です。
そもそも理想がないため、やらしさを計画に反映しきれませんでした。
描き込みは計画に従って行うもの。
前工程以上の動きにはなりえません。
計画段階で動き方を追及する、描き込み時に質感でカバーするなど、改善案は色々と思い浮かびます。
最終的にはドッターの引き出しと腕が問われますね。
つまるところ、世の触手作家はすごいんだ!
モーションだけを抽出して先に決める手法には確かな手ごたえを感じました。
今回のようにキャラクターが動くドット絵にお勧めです。
なびく髪などは棒人間を適用できないので、パーツに合ったモデルが必要と思います。
目標の動きを再現するモデルを用意できるかがカギになってくるでしょう。
ここもクリエイターの引き出し勝負ですね。
いやあ、今回は太字が多めでした。
いつもよりセンシティブな題材なので仕方ありません。
年齢制限とかかけることなくSNSに投稿予定なのですが、まさか通報されませんよね。
個人的には想定より全然エロくないと評価しているものの、不安です。
それでは。

kuromaruが「よその子」タグに該当したの草。