ドット絵

【スタブロ】8月中に新章開始!ウマ娘のスピンオフ漫画から「ナリタブライアン」のドット絵

最近のウマ娘、アニメ公開や海外人気もあって、にぎわっていますね!

シンデレラグレイ』『ピスピス☆スピスピゴルシちゃん』と、これまでスピンオフ漫画のドット絵を公開してきましたが、今回はその3本目。

以前チラッと予告していた『スターブロッサム』を題材にしてみました。

序盤の展開の遅さが影響して話題になりにくい作品ですが、レースは迫力満点ですし、キャラクターの感情描写も丁寧で巧み。

初期の印象から、不当に低く評価されてしまっていると感じています。

逆張り派の私としては、すでに高評価の『シンデレラグレイ』以上に応援中です。

8月に新章が始まるそうで、もしかしたら無料公開のチャンスが来るかも?

機会があればぜひ読んでみてください。

勝利が遠い世界『ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム』で光る強者「ナリタブライアン」

『ナリタブライアン』

タイトル:『ナリタブライアン』

制作時間:59.5時間

ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム』(以下、スタブロ)は「となりのヤングジャンプ」で連載中の、『ウマ娘 プリティーダービー』シリーズのスピンオフ漫画です。

物語は、実在した競走馬サクラローレルをモデルにしたウマ娘の競争成績をたどる構成。

作画は保谷伸さん、原作は文殊咲さんです。

体質の弱さからデビューが遅れ、クラシック路線にも乗り切れなかったサクラローレル。

同世代に圧倒的な存在感のナリタブライアンがいることもあって、彼女だけでなく周囲のキャラクターもとにかく勝利が遠い。

GIなんて夢のまた夢で、「1勝の重み」が胸に残る作品です。

『シンデレラグレイ』がスター同士の頂上決戦なら、本作は下から見上げる視点の物語。

GII以下のレースまでじっくり描かれるので、GI勝ちが当たり前と思っているゲームプレイヤーには、かなり衝撃的かもしれません。

圧倒的な強さに潜む妹属性「ナリタブライアン」

ナリタブライアンのドット絵(アニメーション)

作中で最強ウマ娘として君臨するのが「ナリタブライアン」です。

クラシック三冠という別格の称号を持ち、その立ち位置は他作品でもほぼ変わりません。

ただ、実馬は意外にも臆病で、自分の影を怖がるほどだったそうです。

そこでシャドーロール(下方視界を遮る馬具)を装着して集中力を保っていたとのこと。

その気性は、漫画では主に幼少期の描写に反映されています。

子供時代のナリタブライアンのドット絵(アニメーション)

幼い頃のナリタブライアンはお姉ちゃんっ子で、姉のビワハヤヒデの背中を追いかけてばかり。

しかし成長すると圧倒的な強さゆえに孤立し、競うことを諦めた相手への軽蔑も手伝って尖った性格になっていきます。

それでもビワハヤヒデだけは、負けたくない特別な存在であり続けました。

姉にして永遠のライバル「ビワハヤヒデ」

子供時代のビワハヤヒデのドット絵(アニメーション)

ナリタブライアンの姉「ビワハヤヒデ」は妹に負けず劣らずの実力者。

最後のレースを除き、3着以下になったことがない安定感があります。

スタブロでの描かれ方は、私の中で一番好きな姉妹像でした。

幼少期のビワハヤヒデは姉のやさしさがある一方で、おかずやテレビリモコンを妹と奪い合うなど年長者の横暴も発揮。

これは妹相手でも容赦しない競技者としての姿勢とも捉えられます。

そんな姉だからこそ、ナリタブライアンにとって特別な存在になっていったのでしょう。

クイズ番組を見たいからと、妹が見ていたチャンネルを変えるビワハヤヒデは、なんだかんだでかわいいです。

ドット絵で描くナリタブライアンの強さと脆さ

『ナリタブライアン』静止画

このドット絵は『ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム』に登場するナリタブライアンのファンアートです。

ビワハヤヒデがケガで引退し、唯一のライバルを失ったナリタブライアン。

決着の機会を失ったことで道を見失ってしまいます。

不変の強さでないのが彼女の魅力。

クラシック終盤以降の、危うさを孕んだ強さを1枚に収めました。

目から溢れ出る思い出のオーラ

オーラの内部にビワハヤヒデとの追いかけっこの思い出をフラッシュバックさせ、過去に戻れない悲しみを表現。

漫画のオーラシーン、おそらく涙を無理やり闘争心に変える演出で、悲壮感がありながらも凶悪なまでに強いナリタブライアンが格好いいんですよね。

目から溢れるオーラの画像
上層のナリタブライアンアニメーション
下層の追いかけっこアニメーション

上層のオーラ部分(青色ベタ塗り)を透過して下層の思い出シーンを露出させる構造にしました。

菊花賞ゴール板のデザインは実馬要素

背景には菊花賞のゴール板を描いています。

菊花賞のゴール板が描かれた背景画像

調べた限り、2種類のデザインを確認できました。

スタブロで採用されている「逆さU字を2つ重ねたようなデザイン」と、ゲーム版で採用されている「白鳥モチーフと思われるデザイン」。

使い分けの条件は不明だったものの、実馬ナリタブライアンのレース映像が後者だったため、今回はそちらを採用。

漫画と違ってしまいますが、ドット絵の演出は菊花賞と有馬記念を組み合わせたものなので、実馬の要素をさらに取り入れるのも面白いかなと。

走りモーションのコストカット

最近、走りモーションをよく描きます。

前々回はメインアニメーションのひとつとして、センターに配置。

今回も子供ウマ娘に採用しています。

ただし今回は、

  • 画面内に独立アニメーションが多い
  • キャラクターが大きめ
  • 対象が2人いる

という条件から、どうしても作画コストが高くなる見込みでした。

そこで「なるべく低コストで仕上げる」方針にしました。

アニメーションを6枚構成にしてコストダウン

アニメーションのコマ数を8枚から、6枚に減らしました。

こちらが8枚構成の過去作。

8枚構成のモーション(アニメーション)

そしてこちらが、2枚減の6枚構成です。

6枚構成のモーション(アニメーション)

※8枚構成の方が再生速度を速くしています。

削減したコマはどんなコマ?

コマ割りを確認しておきましょう。

まずは8枚構成。

8枚モーションのコマ画像

脚を前に出すコマが左右3コマずつ(青枠)、脚が交差するコマ左右1コマずつ(赤枠)となっています。

次に6枚構成。

6枚モーションのコマ画像

脚を前に出すコマが左右2コマずつ(青枠)、脚が交差するコマ左右1コマずつ(赤枠)となっています。

比較すると、着地する寸前のコマを減らしたのが分かります。

8枚構成から省いたコマを示す画像

残すコマを厳選して効果アップ

カットしたコマには意図があります。

実は脚を前に出しているコマの2枚目は、1コマ目を少し修正しただけ。

1コマ目と2コマ目を連続表示(アニメーション)

つまり、2コマ描いたように見せかけて、実質1コマと少しのコストしかかかっていないのです。

では削ったコマを思い出してください。

着地する瞬間でしたね。

省いたコマを示す画像

このコマは中間地点ゆえに変化量が大きく、作画に手間がかかります。

つまり大変な側をカットすることで、より低コスト化ができるわけです。

残したコマは動きこそ小さいものの、布や髪を慣性で動かして余韻を加えることで、見栄えを維持できます。

さらなる低コスト化の案、2選

最後に、作画コストをより減らす方法を2つ紹介します。

コマを減らした4枚構成

案のひとつとして、4枚構成があります。

脚を前に出す2コマの差が小さいことを利用し、どちらかがあれば問題ないと割り切る方法です。

左右1コマずつ削って、合計4コマでモーションを構成します。

4枚モーションのコマ画像
4枚構成のモーション(アニメーション)

ただし、このままだと動きが速く、落ち着かない印象に。

コマが減った分の「ため」や「余韻」を補うため、各コマの表示時間を調整すれば改善されます。

表示時間を調整したモーション(アニメーション)

画像を流用しての6枚構成

もうひとつは低コスト版6枚構成。

コマ数は6枚のまま、1コマ目を位置だけ下げて2コマ目に流用する方法です。

1コマ目と2コマ目を連続表示(アニメーション)
低コスト版6枚モーションのコマ画像

1コマ目がジャンプした最高点、2コマ目は少し落下、という内容ですね。

これならば脚を出したコマの2枚目を新規に描く必要がなくなります。

低コスト版6枚モーション(アニメーション)

見た目は4枚構成より自然ですが、完成版の6枚構成と比べると髪や尻尾の動きがなく、やや物足りません。

4コマ構成と完成版の間の見栄えといえるでしょう。

モーションはコマ数を減らすほど変化が少なくなり、単調になりがちです。

今回の経験では、6枚構成が見栄えと作業効率のちょうどいい落としどころでした。

低解像度作品や小さなキャラクターになら、コマを減らす方法もアリだったと思います。

元々は、スタブロの別キャラクター、別シーンを描く予定でした。

しかし直近のナリタブライアン回があまりに良すぎて……!

つい題材を差し替えてしまいました。

ナリタブライアン未所持のため、ゲーム版ストーリーと比較してコメントできなかったのが残念です。

ビワハヤヒデは長く使っているキャラクターだったので、姉妹の関係性だけは把握できていたのは幸いでした。

まあ結論としては、漫画とゲームの設定はほぼ別物なので、制作に大きな影響はありませんでしたね。

それでは今回はここまで。

次の記事でお会いしましょう。

『ナリタブライアン』等倍

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