メリークリスマス!
……は、もう終わってしまいましたね。
それでも今回はクリスマス風味のドット絵です。
ブログ更新日の都合で、季節ものを描くと大抵は旬から外れてしまいます。
まあ、誤差ですよ誤差。
選んだ題材はシミュレーションゲーム『Lobotomy Corporation』。
カジュアルに描けるので季節イベントに合わせることが多い気がします。
ぜひ見ていってください。
贈り物にいかがですか?『Lobotomy Corporation』から「幸せなテディ」のドット絵
タイトル:『幸せなテディ』
制作時間:5.9時間
『Lobotomy Corporation』は、ロボトミー社施設の管理人となって怪物や超常現象(総称してアブノーマリティと呼ぶ)を管理するシミュレーションゲームです。
アブノーマリティごとに適した作業手順が決められており、プレイヤーが指示を誤ると暴走。
場合によっては即ゲームオーバーに追いやられます。
キャラクターたちはデフォルメされた可愛い姿で登場しますが、アブノーマリティの殺しっぷり、職員の殺されっぷりは凄惨そのもの。
それもまたこのゲームの醍醐味です。
Steamのウィンターセールでお求めやすくなっているので、年末年始にプレイするゲームの一つにいかがですか?
今回のドット絵の主役は「幸せなテディ」。
クマのぬいぐるみの姿をしたアブノーマリティ。
2回続けて作業を行った職員を絞め殺す特性を持っています。
といっても悪意があるわけでなく、人間から離れたくなくて抱きついているだけなのだそう。
強く締めすぎて対象を死なせています。
寂しがり屋のクマのぬいぐるみに実物の熊のスペックが備わった存在といえるでしょうか。
大きなテディベアはクリスマスにぴったりですね。
ドット絵『幸せなテディ』
絞め殺してしまった職員にじゃれつき、うっかり首をもぎ取ってしまう幸せなテディを描きました。
季節絵のフレイバーとしてクリスマスプレゼントを加えています。
右下に落ちているやつです。
犠牲になった職員はテディに渡すプレゼントを持ってやってきました。
連続で世話をすると絞め殺されてしまうのは先に述べた通り。
しかしテディが愛くるしいので、収容室を訪れる回数を増やしてしまう職員も多いとのこと。
せっかくのクリスマス、この職員はテディを喜ばせようと収容室をうっかり訪ねてしまいました。
こだわりポイント
職員の首元がテディの腕に隠れる仕様にしました。
胴体と頭部の距離感を見て首がもげたと察してもらう演出です。
実は過剰なグロ描写を防ぐ狙いもあります。
……ところで、どこからが「過剰なグロ描写」なんでしょうか。
個人的には
- キャラクターのデフォルメが強い
- グロをメインにした作品でない
ことから、現状のLobotomy Corporationドット絵においてはあまり気にしなくていいのではと思ったり。
TPOには気を配っていこうと思う所存です。
接続されたパーツの作画順番を考える
ドット絵を動かすにあたって、パーツ同士の整合性を取るのは重要です。
例えば走るモーションを制作するとして、振っている腕の長さが都度変わって見えたり、肘の軌道が不自然だったり。
私はいつもつまづいていますし、ここの修正に時間を取られるケースも少なくありません。
おそらくはパーツの接続をラフ時点であまり意識できていないことが原因だろうと考えました。
腕ならば肩・ひじ・手首が連動して動いています。
手首の動きだけを意識していると上腕や前腕の長さで距離の帳尻を合わせようとし、不整合が生まれてしまうのです。
ドット絵『幸せなテディ』ではテディに掴まれた職員の頭部が動きます。
テディと職員、2つの別オブジェクトが接続している状態と捉えられるでしょう。
この部分の作画について心掛けたことを記録しておきます。
起点になるパーツを見つける
まずは動きの元になっているパーツを探します。
能動的に動いているクマの手が該当しました。
職員の頭はクマの手になでられることによって動くので、自ら動いているわけではありません。(そもそも死んでいます)
動きが伝わる順番を考える
動きを生み出しているのはクマの手です。
つかまれている職員の頭も連動して動きます。
職員の頭と胴体は首でつながっていますから、引っ張られて胴体も動きます。
よって、
- クマの手
- 職員の頭部
- 職員の胴体
の順番で動きが伝わっていくと想定できます。
そこで、作画もこの順番で行っていくことにしました。
起点パーツを作画する
クマの手を最初に作画します。
ここでは動きが自然になるように心掛けました。
動きの大元が他パーツの動きに引っ張られて不自然になるようでは、順番が逆です。
動かす側として自由に振舞わなくてはなりません。
つかんだ首を強くなでるかのようにぐりぐりと円を描く動作に。
テディ本体を動かさない方針だったので
- 腕の可動範囲内で
- 自然な軌道になるように
テディの手を作画しました。
つられて動くパーツを作画する
クマの手が完成したら、連動して動くパーツを作画します。
職員の頭です。
掴まれた状態ですから手が右に動いたら右に、下に動いたら下にと、手に合わせて移動する必要があります。
また、XY軸だけの動きではグリグリと転がされている感が出なかったので、Z軸方向へのわずかな回転動作も加えました。
つられて動くパーツに連動するパーツを作画する
頭が完成したら、最後に首でつながっている胴体の作画です。
頭部が動くならば肩や胴体にある程度の動きがあるはずなので。
しかし、ドット絵『幸せなテディ』においてここの整合性はかなりゆるい判定になっています。
というより、胴体は動かしません。
職員の頭部はアブノーマリティの怪力によって首の骨が折れ、もげる直前の状態。
頭部だけが不自然に動いていた方がかえってよいのです。
職員の胴体は動かさないと決め、クマの手と職員の頭部のみの連動となりました。
今回はクマの手、職員の頭部、職員の胴体という3つの接続を考えましたが、4つ、5つと増えていっても同じ考え方で作画できると思います。
起点から遠いパーツであるほど動きが小さくなることも多いので、見栄えへの影響が少ないなら動かさない、という割り切りもありでしょう。
作業量と相談して決めたいですね。
最後は等倍のドット絵でお別れです。
次の記事でお会いしましょう。