今回はシミュレーションゲーム『Lobotomy Corporation』のドット絵です。
先日も描いたばかりですがネタに困ったらとりあえずLobotomy Corporation、ということで。
デフォルメ色が強く詳細な描き込みを必要としないので、気楽なんですよね。
全アブノーマリティ制覇に一歩近づくのもモチベーションになります。
職員をぶっ殺せるのでストレス解消にも(省略)
リスクレベルが高い凶悪なやつはここぞという時のために温存しているので、今回選んだ題材は比較的マイルド。
ぜひ見ていってください。
『Lobotomy Corporation』から、マッチ売りの少女をモチーフにしたアブノーマリティ「マッチガール」のドット絵
タイトル:『マッチガール』
制作時間:19.4時間
「マッチガール」は焦げた少女の姿をしたアブノーマリティ。
名前から想像できるように、おそらくはマッチ売りの少女をモチーフにしていると思われます。
火のついたマッチが胴体を貫通しており、彼女の特性を踏まえて導火線を連想した方もいるのではないでしょうか。
低リスクレベルながら職員が即死する危険性をはらんでいるのマッチガールの特徴。
脱走したマッチガールは特定の職員を目標に定め真っすぐに移動、対面を果たすと爆発し致命的なダメージを与えます。
安全そうに見えて殺意マンマンなアブノーマリティの典型例です。
ドット絵の説明
職員と対面したマッチガールが爆発するアニメーションにしました。
問題になったのがループのつなぎ。
最終的に2人とも画面から消えているわけですから、先頭に戻してはキャラクターがいきなり現れる不自然な図になってしまいます。
なるべく低いコストで自然なループを構築できるように考えた結果、画面スクロールを採用。
スクロール先で2名が再び対峙する流れにしました。
それに伴って空間が2倍になったので職員も増員。
爆殺 → スクロール先でも爆殺 → 冒頭へ という無限爆殺アニメーションに。
自爆したはずのマッチガールが次の画面で平然と生存している姿は、ゲーム内の挙動とも合致します。
良い落としどころではないでしょうか。
こだわりポイント
背景タンク内の液体を動かしました。
こういうところが意外と見栄えに影響するので侮れません。
ドット絵はこだわればどこまでも描き込めるものですから、コストと天秤にかけながら取捨選択する必要があります。
職員をもっと動かす案もありましたがまばたきのみで妥協。
かわりに背景側のどこかを動かす方針にし、マップ真ん中に位置するタンクを選択しました。
キャラクターに動きが集中し過ぎず、バランスが取れたのではないでしょうか。
飛び散る血とノイズのアニメーション作画
後半記事では、ドット絵『マッチガール』で採用した「飛び散る血」およびアブノーマリティー本体にかかる「ノイズ」アニメーションの作画について記録します。
必ずしも最良とは思っていませんが振り返ったときに発見があればと。
今更ですが本ブログにはこういった「自分用の覚書」的な記事も多いので、皆さんも読み物として目を通しつつ自分流の完成を目指してくださいね!
飛び散る血のアニメーション
本ブログでは幅広い層が楽しめるよう、グロと捉えられる可能性が高い「過度な流血表現」を控えてきました。
しかし血を描写すること自体はグロに該当しないと思い直しつつあります。
ホラー映画だと大量の血のりはファンサービスのひとつ。
私も今回は派手に攻めてしまおう!
ということで爆発で吹き飛ぶ職員に血しぶきのアニメーションを追加しました。
まずは基本となる1枚目、血が飛び散った状態のドット絵を制作します。
自由に描けるので注意事項はありませんが、強いて言えば血が飛ぶ方向を定めるために補助線を引いたくらいでしょうか。
瞬間的に飛び散ったようにしたいので、いきなり壁面に血がへばりついて大丈夫です。
続いて、1枚目から血の高さ・幅がわずかに拡大するように2枚目を作画。
小さなしぶきも増量します。
これにより壁に血がかかった際のバシャッ!!という感じが出ました。
最後の3枚目は下方向に血が垂れるように。
これが余韻になります。
3枚を連続して再生すると、こう。
スクロール後は血痕が画面外になってほしかったので血の拡散を控えめにした結果、血が途切れた箇所が画面の継ぎ目だと分かりやすくなってしまったのは反省点です。
制限がなければもっと派手に散らせたかったですね。
ノイズのアニメーション
ゲーム中のマッチガールにはノイズのようなエフェクトがかかっています。
そこでドット絵のアブノーマリティ表面にもノイズっぽいアニメーションを採用する方針にしました。
目指すはテレビの砂嵐のような見た目です。
まずは下地として黒をベタ塗り。
灰色の線を入れ、しま模様の画像を作成します。
これでベースの出来上がり。
ここからは地味作業です。
黒・灰色の線それぞれの上に中間色を置いて、線がうっすらぶつ切りになるように修正していきます。
以下は修正前後の比較画像。(一部を拡大しています)
灰色の線には暗い色を、黒い線には明るい色を置き、灰と黒ではっきり分かれていたしま模様を全体的になじむようにするのがポイントです。
砂嵐の不明瞭さを表現します。
ランダム性が重要なのでドットの配置は気の向くままで構いません。
ただし、ぶつ切りにする間隔に一定の基準を設けましょう。
イメージより粗い、もしくは細かいノイズになってしまいます。
作業が終わった画像がこちら。
ラインを判別できるくらいがちょうどいいと思います。
同じ手順で4枚制作して連続再生すればノイズっぽい動きが完成します。
今まで採用していなかったタイプの演出2種を取り入れたドット絵を制作してみました。
ノイズはエフェクト専用ツールなどでベースを作成後、減色・手直ししてドット絵にした方が効率的かもしれません。
規則正しいドットの並びを求められる題材でないですし、使える人なら使いどころでしょう。
血については周囲に受け入れられそうかこれまで様子をうかがっていた題材で、ようやく大っぴらに取り入れられました。
コミカルなドット絵に合わせるならやはり遠慮する必要がなかったですね。
直近はホラードット絵を多く描いていた影響で感覚がまひしているだけかもしれませんが。
リアル寄りの作品では慎重に検討します。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。