今回はネタドット絵。
そもそもの題材がネタというタイプです。
ネタドット絵には
- ネタをコンセプトに制作したもの
- まじめに描いた結果、シュールな笑いになってしまったもの
が混ざっているので、そもそも元からギャグという作品は意外と少ないんですよね。
パロディ元が有名IPなのでファンに怒られないか心配。
発案者は私じゃないので見逃してください!
それではどうぞ。
ローカル番組に投稿されたネタイラスト「田植えガンダム」
タイトル:『田植えガンダム』
制作時間:25.2時間
「田植えガンダム」はテレビ神奈川制作のバラエティ番組に投稿された視聴者イラスト。
文字通り田植えをしている初代ガンダムを描いた作品です。
絵に込められた真意は不明。
作者は毎回のように意味不明なイラストを送ってくる常連とのことで、田植えガンダムも謎の発想から生み出された作品となっています。
作画崩壊がネタ度を引き上げていますね。
個人的には下手ウマというか、表現力が高い逸品だと思っています。
私が田植えガンダムを知ったのはネットでした。
ガンダムに関してはいくつかのシリーズをスポットで見たことがあるくらいで、にわか以前の問題。
本当にネットミームとしての知識しかありません。
ドット絵を描いたにもかかわらず、ガンダムについてはろくに触れられないことをご容赦ください。。
ドット絵の説明
この作品は「田植えガンダム」応募はがきの再現ドット絵です。
ドット絵映えするように細かい部分を加筆・修正していますが、作画崩壊した全体像はそのまま採用しました。
この画風抜きでは田植えガンダムを語れません。
奥に田園風景を追加
元イラストは画面の上側が文字に隠れ、見えないようになっていました。
ドット絵ではその位置(赤枠内)に田んぼを追加しています。
私の力不足ゆえパースが怪しいですが、田植えガンダムとは作画崩壊コンビとしてマッチしているのではないでしょうか。
初代ガンダムのパロディ文字
「田植えガンダム」の文字は初代ガンダムのパロディ。
元イラストでは白地+黒文字というシンプルなものだったので、背景に合わせて変更しました。
今までドット絵を制作してきて気付いたことなのですが、白色が増えると塗り残しみたいで気になるんですよね。
個人の感性の問題なのかな?
どうしても白地の面積が大きくなる場合は別の色味を足して、完全な白にならないようにしています。
アニメーションが必要かどうかは悩みどころでした。
上側の動きを補う意味で結局は追加。
のどかな雰囲気を壊さないように発光は控えめです。
田舎の風景には蝶々ですよね
のどかな風景を強調する目的で土手にチョウを追加。
種類はモンシロチョウとモンキチョウ。
画面の左側に動きも付けられて一石二鳥でした。
[制作記事]揺れる水面のアニメーションを作る
ここからは田んぼに張った水、つまり流れのない水面のアニメーション制作についてご紹介。
最近は専用ソフト?でエフェクトをつけた表現が流行しているように感じますが、私はいまだ手作業でやっています。
水面は風の強さや流れの有無、透明度など考慮する要素が多くて、なかなか奥が深いんですよね。
大まかな手順は以下になります。
- 層の構造を決める。
- 各層のアニメーションを作成する。
- 各層を重ね合わせる。
- 表現補強用のアニメーションを追加する。
まだまだ未熟な出来ですが、ぜひ見ていってください。
水の層の構造を決める
水面を観察すると日光を強く反射する箇所や水中が見える箇所が混在しています。
これは水面の凹凸や水中の濁り具合によって見え方が異なっているのだと思います。
ドット絵でデフォルメするなら色の違いで表現することになるでしょうか。
ただ、凹凸や水質を頭で考えながら水面を作画しつつアニメーションを付ける、というのはかなり難しいです。
そこで構造を単純化。
水が層状に重なっていると見立て、色ごとに分解して作画することにしました。
具体的には上から
- ハイライト
- 明るめ
- 深み
- ベース色
の階層を設けます。
下は左からハイライト、明るめ、深み、ベース色のドット絵です。
最も暗い色である「深み」は画面内に占める面積が小さいので、最下層にしていないのがポイント。
といっても各層の面積比率は水場の環境によると思います。
見え方にはおそらく一定のルールがあるのでしょうけど……
私はそういう知識が皆無なので今は感覚で。
各層のアニメーションを作成する
層の構造を決めたらアニメーションを付けていきます。
流れなし、わずかな風ありという環境を想定。
行単位で左右に動かす、簡単な形式にしました。
同じ手法で各層も作成します。
※最下層のベース色は動きなし。
水面からの深さによって、動きの大小やゆがみ具合を変えるのもいいと思います。
各層を重ね合わせる
完成した層を重ね合わせます。
各層が独立して動く構図は現実の水場と違ってしまうものの、雰囲気は伝わるんじゃないでしょうか。
土手を足すとこんな感じ。
表現補強用のアニメーションを追加する
さて、田んぼに張られた水は完成しました。
田んぼの他構成要素として苗や周りを囲う土手があります。
水は物体に当たると表情を変えるので接点をうまく表現しておきたいところ。
境界にアニメーションを追加しましょう。
オブジェクトを縁取るイメージで、苗・土手と水が接する箇所に描き込みを加えました。
水面のドット絵にプラスしたものがこちら。
追加したアニメーションには地色より明るい色を使っています。
ここはドット絵的な考え方を適用しました。
ぶつかった水は周囲よりせり出すでしょうから「角にハイライトを置く」ドット絵の定石に従っています。
ドット絵の場合は技法を優先しても良い結果に収まることが多いので、リアルさにこだわらなくていい分、気楽かもしれませんね。
水や夕日、桜吹雪といった演出はエフェクトで表現されることが今のトレンド?になりつつあるため、手描きはナンセンスなのかなと思い始めています。
一方でこういった技法はキャラクターやマップチップに使うなどつぶしが効くのでやめる気もなかったり。
手描きでいく、エフェクトを適用する、どちらも使えて状況に応じて手法を選択できる人が考え方・技術面の両面において優秀なクリエイターなのかなと思います。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。