今回はDMM GAMESから配信されているタワーディフェンスゲーム『千年戦争アイギス』のドット絵です。
前作から実に1年超ぶりになってしまいました。
周年記念があるので年に1回は描く機会があるとはいえ、公式が開催するイラスト企画は静画限定。
アニメーションドット絵はレギュレーション違反です。
じゃあ描きたいタイミングでいいかなんて放置していたらこのタイミングになりました。
お待たせしただけの出来になっていると思うので、ぜひ見ていってください。
タワーディフェンスゲーム『千年戦争アイギス』から「反魂の死霊術師メトゥス」のドット絵
タイトル:『反魂の死霊術師メトゥス』
制作時間:49.6時間
『千年戦争アイギス』はユニット育成要素のあるタワーディフェンスゲームです。
数あるクラスの中からマップに適したユニットを育成・編成し、使いこなすことが攻略の基本になっています。
キャラクター性能が低かったゲーム黎明期ほど戦略が重要で、ユニットパワーを補うためクラス特性を利用した数々の技が編み出されました。
そのひとつがトークン戦略です。
「ネクロマンサー」はスケルトントークンを配置する能力を持った遠距離系クラス。
要といえるトークンはあまりに弱く、戦力としてみるには心もとない性能でした。
しかしネクロマンサーが保持するトークン数の多さに注目したのがアイギスプレイヤーたち。
活用方法を考え出します。
例えば強敵の足止めを繰り返して他ユニットが倒す時間を稼ぐ役。
あるいは敵の強力な遠距離攻撃のターゲットを取り続けるデコイ役。
かつては曲芸レベルの技術をもって高難易度マップを攻略する職人がいたものです。
現在は強力なユニットが台頭して力押しできるようになり、プレイヤーのテクニックを見る機会がほとんどなくなってしまいました。
反魂の死霊術師メトゥス
「反魂の死霊術師メトゥス」は最高レアリティ・ブラックのネクロマンサー。
敵役として早い段階から登場していたため何人かのキャラクターと因縁があります。
最終的にイベントで仲間に加入。
実装予定のユニットを顔見せする手法が千年戦争アイギスで用いられた、初めてのキャラクターだったのではないでしょうか。
性能面ではトークンを完備しつつブラックユニットらしい高火力を備えています。
一度きりで使いどころを考えなければいけなかった貫通攻撃スキルは、アッパー調整を経て永続発動に。
第二覚醒でトークンもパワーアップ。
リッチなどの高位アンデッドを使役するようになりました。
現環境で使用機会がないとはいえ復刻で入手しやすいので、未所持の方はとりあえず確保してみることをお勧めします。
ドット絵の説明
本作は反魂の死霊術師メトゥスのキャラクタードット絵です。
サンタ・ムエルテ風のドット絵にする構想を練っていたものの花や果物といった供え物がキャラクターイメージからかけ離れていたため、若干の方針転換。
アンデッド路線に振り切りました。
大量のトークン持ちというクラス特性を人魂とスケルトンの賑やかさで表現しています。
後半からは雰囲気を一転。
死が本来持つはずの静寂に重きを置きました。
ぬるりと登場するのは腹心のリッチ。
サンタ・ムエルテ要素でメトゥスの顔が骸骨に変わる演出も。
メトゥスのビジュアル
第二覚醒・グレイヴボーンの姿でメトゥスを描きました。
メトゥスをはじめとするネクロマンサー系はグレイヴボーンにするとアンデッド寄りのビジュアルに変わります。
イラストレーターさん(それとも企画の方?)のこだわりが感じられて、個人的に大好きなポイント。
うちのメトゥスも当然グレイヴボーンです。
肌が青紫色になって死人っぽさが増しているのですが魔神ビフロンスとつながりのあったメトゥスは元から紫肌だったので、さほどギャップを感じないかもしれませんね。
鉄柵を模した装飾
メトゥスは墓地の鉄柵を模していると思われる装飾品を背負っています。
ドット絵ではデフォルメされたキャラクターに合わせて大きく誇張しました。
また、位置も背中とコートの間から最背面へ変更。
フェンスの剣先の広がりを光背に見立てています。
助手リッチ
メトゥスを描く上で欠かせないのが右腕として働いていた助手リッチです。
イベントにて主人の危機を伝えた後に消滅しました。
メトゥス第二覚醒イラストでリッチの姿が確認された時、古参プレイヤーの方々が喜んでいたのを思い出します。
イラスト準拠の杖を差し出すアニメーションで実装。
[制作記事]人魂の差し色は必要だったか?
メトゥス周りに配置した人魂にはちょっとしたアクセントを加えています。
青い炎に重ねて配置した赤系統の差し色です。
アクセントとはいったものの私は彩色に詳しくありません。
そのため何らかの効果を狙ったわけではなく、実はただやってみただけ。
実験の位置づけでした。
果たして効果があったのか?
差し色を使った経緯と最終的な評価を書き出していこうと思います。
人魂の構造
人魂のアニメーションについて軽く触れておきます。
イメージは二層構造。
人魂の画像の下にエフェクトを配置する考え方です。
人魂部分を透過しておいて下層を露出させる作りになっています。
この手法だと上層と下層が干渉しないので、上と下それぞれを自由に動かせるメリットがあります。
人魂用の青い炎エフェクト
下層に配置するエフェクトによって人魂の雰囲気を変えることができます。
今回は燃えている様子を表現するために炎をイメージしたエフェクトを作成しました。
カラーリングは青系に統一。
よって人魂も「青い印象」になります。
青いだけで満足?
うまいドッターさんの作品には思いもよらない色が使用されていることがよくあります。
青い印象を受けるドット絵なのに拡大すると赤が塗られている……自分でも何を言っているのかよく分からない状態がザラです。
それを知っているとただ青い人魂が物足りなくなってくるのが人のさがというもの。
他の色を足して深みが出ないか画策してみることにしました。
エフェクトに赤みを加える
どうせ足すなら相反していそうな色ということで暖色を重ねる方針に。
炎エフェクトの動きに合わせて下から上に移動するエフェクトを作成。
(見やすいように背景色を設定しています)
あくまで差し色ですのでエフェクトに対して小さめなサイズにとどめます。
レアカードの細かいホロをイメージしながら描いていました。
これを炎エフェクトに重ねます。
最終版がこちら。
色を足す必要があったか?
結論から言うと差し色によってドット絵が変わった印象はありませんでした。
もちろん私の腕が悪いだけの可能性はありますが、それでも「こっちの方が良い」とは断定できません。
デメリットを述べるならベースとは色相が異なる色を配置するのですから、ドットが浮いて見える危険をはらんでいます。
リスクを負ってまで差し色を使う必要はあったのでしょうか?
私は長い目で見てプラスと判断してメトゥスのドット絵に取り入れました。
趣味の制作は練習を兼ねているので新しい試みを繰り返すことが必須です。
間を空けてメトゥスのドット絵を見たとき、実用につながる改善案を思い付くかもしれません。
プロトタイプを残しておくことは無駄にならないと信じています。
今回は超久しぶりに千年戦争アイギスのドット絵を描きました。
制作時間が想定をはるかに超えてしまったのは慎重になったゆえでしょうか。
これを連発すると作品の公開ペースが極端に落ちそうなので、ドット絵の規模を見極めた上で制作順を決めていく必要がありますね。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。