pixiv投稿済み作品の公開は前回で終了しました。
今回から新作を投稿していきます。
DMMが提供するタワーディフェンスゲーム『千年戦争アイギス』のキャラクター「神殿書記官レーヴ」のドット絵を描きました。
千年戦争アイギスの特徴といえばドット絵が使われているところです。
このブログを読んでくださっている方はドット絵に多少なりとも興味があると思いますので、一度遊んでみてはいかがでしょうか。
キャラクターを育てていくとドット絵も華やかになって見ものですよ。
記事後半にドット絵でループアニメーションを作る際の枚数(コマ数)の決め方について書きました。
「上手いアニメを作る」話ではなく無難なループ枚数を考えようという単純な話です。
ぜひ読んでいってください。
『千年戦争アイギス』から「神殿書記官レーヴ」のドット絵
タイトル:『幸せの記憶』
制作時期:2019年~2020年
レーヴは魔法攻撃と回復を切り替えられる「ビショップ」クラスのキャラクターです。
そして、私が初入手した高レアリティのビショップです。
ビショップが欲しくてたまらなかったときにイベントで配布されました。
アイギスを開始した当初で動画を参考にプレイするものの、射程が短いメイジだとビショップの代役にならず困っていた時期です。
アイギスはユニットの組み合わせや配置次第で何だかんだで攻略できてしまうので、ユニットが充実してくると特定クラスが欲しいということはほぼなくなります。
不足している役割のユニットを必要と感じているタイミングで入手する経験は本当に希で、しかも初心者の頃の出来事ですから、あの喜びを未だに覚えています。
レーヴはスキルで範囲回復と敵の攻撃力ダウンを同時に行えます。
戦力が整ってくるとビショップとしてではなくレーヴとしての役割を期待して連れていくようになりました。
ド畜生なネズミマップも、もみくちゃで何が何だか分からなかった象の大討伐もレーヴと共にクリアしました。
コンセプト
「幸せ」をテーマに、あたたかい雰囲気を出せそうな表現や演出を使用するようにしています。
ゲームをプレイしている方ならお気づきでしょうが、タイトル『幸せの記憶』はレーヴのアビリティ名から取っています。
アニメーション技術向上を目指して様々なタイプのアニメを作ろうと意識した作品でもあります。
エフェクト、風によるなびき、奥行の観点でアニメーションを制作し組み込みました。
王冠
この大きな王冠はレーヴの装飾品の一つで普段はちゃんと頭にのせています。
今作ではレーヴ本体と並ぶメインといって過言ではありません。
鐘のようにグワングワン動く王冠のアニメーションです。
教会の結婚式で鳴る鐘をイメージしました。
王子との記憶
レーヴは眠っている人物の記憶にアクセスする魔法を使えます。
その能力をイメージし背景に王子(千年戦争アイギスの主人公)との想い出をザッピングしました。
女神神殿前、東の国、魔界を順番に訪れています。
天使
天使たちが帯をつかんで王冠を揺らす構図にしています。
レーヴが属する王国では女神アイギスを信仰しているので、女神の使いである天使がレーヴを祝福するのは当然といえましょう。
あくまで演出なのでアイギス世界の天使が小型なわけじゃないですよ?
レーヴ
キャラクター本体です。
やわらかい風に吹かれるアニメーションにしました。
風を吹かせると作品全体にゆるやかな時間が流れている印象になるかなと思いました。
レーヴのビジュアルは第2覚醒後イラスト準拠です。
一番好きなのは第1覚醒イラストなのですが「キャラクターが最も成長した姿こそ至高」の信念を貫きました。
第1覚醒の方が服装が好みで仕草もかわいいんですよ。
背景
雰囲気を出すために淡い背景色を使っています。
普段あまり使わない色なので新鮮でした。
色使いにも癖がついて偏ってしまうものですね。
千年戦争アイギス絵のススメ
千年戦争アイギス界隈はファンアートを描くにはかなり恵まれている環境だと思います。
その理由の一つが公式絵師によるファンアートです。
ゲーム内のキャラクターを描いた絵師さんがプライベートでも同キャラクターのイラストを描いてSNSで公開することがよくあります。
背面デザインなどゲーム内で拝めない部分を確認できるチャンスです。
レーヴのイラストレーターであるinoshishi氏も然り。
衣装デザインの資料まで描きおろしてTwitterで公開してくれています。
おかげでレーヴの服の構造で悩むことがありませんでした。
絵師さんのサービス精神に存分に甘えましょう。
アニメのループ枚数で悩んだらとりあえず偶数枚にするのが手堅いか
私はドット絵アニメーションを何度か作ってはいますが未だ不慣れです。
『幸せの記憶』のアニメーションも全て計画通りに作ったわけではありません。
メインのレーヴと王冠を除き、動かす部位や枚数を思い付きで変えていきました。
その過程で、無計画にアニメーションを作り始めるなら偶数枚でループする(繰り返す)ように意識しておけば作品をもっとコンパクトに仕上げられたという反省がありました。
アニメーション部位やその枚数を最初からきちんと計画できるなら以降に描かれている内容はほぼ不要な考え方になるかもとは思っています。
いずれそうなっていきたいですね。
前提とするループアニメーション
ループアニメーションはループ枚数が異なるアニメーションを組み合わせると深みが増すと考えています。
滑らかに動く、小刻みに動くといったアニメーションの大きさは枚数の影響が大きく、数種類のループを内蔵するアニメだと様々な動きの幅を共存させやすいからです。
偶数枚、奇数枚の組み合わせを取り入れられるとなおよいです。
以下、2枚でループするエフェクトと、3枚でループするキャラクター本体で構成されたアニメーションです。
キラキラエフェクトとキャラクター周りのなびきアニメでテンポが違っていて趣があると思いませんか?
このように2種類以上のループで構成されたアニメーションを作る前提で以降の説明を進めていきます。
ループ枚数の組み合わせを誤るとアニメのボリュームが大幅に増加する
何も考えずに作るとアニメ全体のコマを増やさない限りループがつながらない事態に陥ります。
前述の2枚と3枚のループを組み合わせたアニメを作るとします。
きれいにループさせるには最後のコマでエフェクトの2番とキャラクターの3番が同時に表示される必要があります。
つまるところ2と3の最小公倍数である6枚のコマを使用してアニメが一巡します。
5枚と9枚のループを組み合わせるとどうなるでしょう。
一巡するのに実に45枚ものコマを作らないといけません。
手間もかかりますし完成した画像のファイルサイズも気になります。
しかもその45枚は5枚と9枚の組み合わせでしかありません。
組み合わせが増えただけでコマ数が激増してしまうのはかなり無駄に感じませんか。
全体のコマ数を増やすのはそれだけの枚数で動かすアニメーションあってのことで、ループさせるためにコマ数が増えるのは本質的でないと思います。
もちろん、9枚のループを1枚増やし10枚にすれば全体10コマのアニメーションで済みます。
ですが、完成済みのアニメーションに対して自然に動作がつながる1枚追加するのは技術的にも精神的にもかなり厳しいと言えるでしょう。
アニメ枚数を最初から確定できるか?
本来は設計してからドット絵の制作を開始するのが望ましいです。
どこを何枚で動かすか最初に決めれば全体のアニメ枚数を計算でき、必要に応じて各ループ枚数を調整しておけます。
しかし、ドット絵アニメーション制作に慣れないうちは難しくないですか?
まず、決定した枚数内で目標とする動作を実現できるのか予測できません。
ラフ状態のドット絵を動かしてようやく、それらしく見えるアニメ枚数の見当をつけられるかといったところでしょう。
また、目標枚数内で理想のアニメーションを描けるかわかりません。
熟練者ならドットの移動距離で動作の緩急をコントロールできますが、慣れないうちはコマ数で調整しがちです。
とはいえ感覚をつかむまで行き当たりばったりでやるのは本末転倒。
問題を軽減する方法はないでしょうか。
メインアニメ枚数を約数で決める
メインに据えるアニメの枚数を約数(割り切れる数)が多い数値にしておくのがおすすめです。
複雑だったり枚数が多いものをメインアニメにするとよいでしょう。
例えばメインアニメを6枚にすると割り切れる数は6、3、2ですから、3種類のループパターンを組み込める枚数ということになります。
こうして組み込めるループ枚数の選択肢を増やしておき、追加で動かしたい部位が出てきたらその選択肢の中からループ枚数を決定します。
約数の中から選ぶなら全体のアニメ枚数に影響がないのです。
先ほどのアニメーションに6枚ループを足してみましょう。
謎シチュエーションで恐縮ですが、王冠部分を6枚ループアニメで独立させました。
アニメ全体が6枚に収まっているにも関わらず、王冠の6枚ループ、キャラクターの3枚ループ、エフェクトの2枚ループと、実に3パターンのループを搭載しています。
ここでエフェクトの枚数をもう少し増やしたいと思い立ったとします。
その場合3枚もしくは6枚でエフェクトを作ればアニメ全体の枚数に影響を与えずに済みます。
行き当たりばったりに追加や修正をしても安全な選択肢を確保できているのです。
とりあえず偶数枚で考える
約数が多い枚数でメインアニメを作ろうと提案しました。
以下の条件で枚数を決めれば理想の数値に近づくと思います。
- 偶数であること。
- 素数でないこと。
偶数である
偶数を選択するだけで2で割り切れると確定します。
奇数で割り切れる偶数もありますから偶数と奇数の組み合わせも狙えます。
2で割った数も約数になります。
小さい数でも約数が多いのが偶数なのです。
素数でない
素数は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字。
よって、異なる枚数のループと組み合わせるには全体枚数を最小公倍数まで増やすしかありません。
避けましょう。
偶数を選べば自然に避けられるのになぜあえて素数を挙げたかといいますと、私がやらかしたからです。
『幸せの記憶』のレーヴおよび王冠は11枚ループです。
他アニメーションを追加するときに大変困りました。
まとめ
ループアニメーションは異なる枚数のアニメーションを組み合わせると見栄えがよくなります。
ただし、各アニメの枚数を考えなしに決めると全体のコマ数を増やないとループがつながらない可能性があります。
枚数まできっちり設計してからアニメーションを作るべきですが現実的にそううまくいきません。
主軸にするアニメの枚数を工夫しておくと、他アニメの枚数で融通が利くようになります。
具体的には約数が多い数値でメインアニメーションをループさせましょう。
とりあえず偶数を選んでおけば大事には至らないはずです。
ドット絵のアニメーションには色々な技術があります。
「複数のアニメーションを組み合わせると全体の枚数は最小公倍数になる」前提でここまで書き進めてきましたが、不自然にならない程度にコマを抜いて目標枚数に収める方法もあるでしょう。
見栄えを確かめつつ色々な技術を試していきたいです。
一緒に上達していきましょう。