私はネット上で使われているネタ系のコメントや画像が大好きです。
ネタ画像同士で会話が成立しているのを見るとつい笑ってしまいますし、ネタ元を知っていると「やっぱりこのシーンは印象に残るんだな」なんて答え合わせできるのも面白い点。
直近ではザ・ニンジャとブロッケンJr.がそこに何の違いもないかどうかで言い争っているシーンのコラ画像が使われまくっていてニヤリとなっています。
ネットミームの類いはドット絵の題材という視点から興味があったものの、いざ制作するとなると特に描きたいネタもなく。
くすぶり続けてつい先日、久しぶりに漫画『遊☆戯☆王』を描きたい気分になったところでちょうどよいネタを思い出しました。
つまるところ今回のドット絵はネタ系です。
知っている方も多いと思うのでぜひ見ていってください。
漫画『遊☆戯☆王』に登場するモンスターカードが元ネタの「ワイトもそう思います」
タイトル:『ワイトもそう思います』
制作時間:20.3時間
「ワイトもそう思います」は「私もそう思います」という意味で使用されるネタコメントです。
ワイ(私)と『遊☆戯☆王』(以降、遊戯王と省略)のモンスターカード・ワイトがかかっています。
ワイトの画像と一緒に使われることも。
配信中のやり取りが初出、SNSや動画サイトで広まっていったとのこと。
語感の良さに加えてワイトという絶妙なモンスターのチョイス。
短い文章に細かい笑いどころがいくつも含まれていて、非常によく出来ています。
ワイト
「ワイト」は遊戯王に登場するアンデッド族のモンスターカード。
主人公・遊戯のデッキに入っていました。
時間稼ぎに使われたのみで特に活躍はしていなかったと記憶しています。
遊戯王OCGでは特殊効果なしのバニラカード化。
私はOCGプレイヤーでないので詳細は分かりませんが、ワイトから派生した上位カードも存在しているみたいです。
愛されキャラになったことで公式から注目されたのかもしれませんね。
ドット絵の説明
この作品はワイトのネタ寄りキャラクタードット絵です。
遊戯王OCGのモンスターカードをベースにして「ワイトもそう思います」を組み込みました。
ワイトのポーズ変更
ワイトはカードイラストからポーズを変更。
腕組みしながらうなずくアニメーションにしました。
セリフに合わせて相手方の意見に納得している体。
「ワイトもそう思います。」
吹き出しの挿絵
吹き出しには墓所の風景をあしらっています。
はじめは白ベタ塗りの吹き出しにしていたのですがコラ画像っぽい粗さが出てしまったので、もっとアート寄りにする意図。
暗色背景で文字の死人視認性が落ちてしまったのが反省点です。
背景アニメーション
ワイト後ろの背景も動かしています。
カードイラストをオマージュして横に流れる霧を配置。
100コマという無駄に長いアニメーションにしたのでドット絵のボリュームが増えてしまいました。
ちゃんと計画していればループをコンパクトにつなげられたと思います。
今回のドット絵は反省点が多いなあ……。
[制作記事]アニメーションの先頭1コマ目に悩む
ドット絵アニメーションの1コマ目にどの画像を置くか。
実は自分なりに色々と考えています。
大抵は「ダメな画像以外ならオーケー」くらいの感覚で決めるのですが、まれに「この画像にしたい」というケースも出てきます。
ワイトのドット絵では候補を決めていながら、最終的には他の画像を採用する結果になってしまいました。
その辺りの事情について書いていきたいと思います。
1コマ目を重要視する理由
アニメーションの1コマ目にこだわる理由について先に説明します。
アニメーションドット絵は通常であればGIF形式。
GIFは画像フォーマットのひとつなのでエクスプローラーや各種SNSでサムネイル表示されますよね。
では、アニメーションGIFがサムネイルだとどう見えるのか。
基本的に先頭1コマ目が表示されます。
さて、上のサムネイルを見た方はどんな感想を抱くでしょう。
おそらくは「ワイトのモンスターカードのドット絵」だと期待して画像を開くのではないでしょうか。
私はサムネイルで作品の概要を把握できた方が望ましいと考えています。
アニメーションにおいては例えばキャラクターが画面内にいない瞬間があり得ます。
もしそのシーンを1コマ目に据えてしまったらどうなるでしょうか。
メインどころが一切描かれていないサムネイルから閲覧者が中身を予想することは困難です。
メインシーンを1コマ目に配置し、閲覧者が見たいものか否かを判別できるようにした方が親切でしょう。
ワイトのドット絵で1コマ目に設定すべき画像は?
ワイトのドット絵では先頭1コマ目にどのような画像を配置すべきか。
もちろん主役のワイトがいる画像です。
しかし「ワイトもそう思います」がコンセプトであることを踏まえると、キャラクターと同じくらいセリフも重要でしょう。
そうなるとワイトとセリフが揃っている画像、これこそ1コマ目にふさわしいベストショットだと分かります。
採用をためらう事態が発生
セリフ付き画像を先頭にしたところ思わぬ課題に直面しました。
該当のコマは文字を読ませるための静止シーンにあたります。
つまり動きがないのです。(正確には背景が動いているものの、地味)
上はセリフ部分を切り出したアニメーション。
会話中は口が動いていますが文字が出そろった後は動きが一切ありません。
この作品においてセリフ付き画像からアニメーションをスタートさせるということは、動きがない状態から開始することと同義になるのです。
私の最近の制作トレンドは「再生直後に動きのない作品を作らないこと」でした。
しばらく動きがない(ように感じる)ドット絵は閲覧者が見限ってしまうと、これまでの経験から結論付けたからです。
ワイトのドット絵ではサムネイルの情報量を取るか、アニメーション開始までの早さを取るか、二択を迫られることになりました。
画像 | ワイト | セリフ | 動き |
---|---|---|---|
A | ○ | ○ | × |
B | ○ | × | ○ |
必要要素が全てそろいながらも動きがない画像(パターンA)か、セリフが欠けるものの再生後すぐに動き出す画像(パターンB)のどちらかを選ばなければなりません。
再生開始時のアニメーションを優先
最終的にはアニメーションを優先。
パターンBの画像を1コマ目に設定しました。
理由は2つ。
- セリフなしでもワイトが描かれているという範囲までならサムネイルから判別可能。
- うなずいてから喋り出す方が動きとして自然。
つまり「ワイトのドット絵であること」をプッシュする方針に。
もちろん中身はネタ系なので真面目な作品を求めてサムネイルをクリックする層には申し訳ないですが。。
サムネイル詐欺と言われないことを祈ります。
先頭のコマを後から選定する従来の方法で問題が発生するのは想定外でした。
とはいえ一連のアニメーションは当初から計画していたもので、サムネイル映えのために内容を変更するのは本末転倒。
貴重な経験として次に生かしていきましょう。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。