今回はゲーム『Lobotomy Corporation』のドット絵です。
ちょうど真ん中のリスクレベル「HE」に属するアブノーマリティから選びました。
最上位の「ALEPH」にもそろそろ手を出したいのですが、まだタイミングをうかがっているところです。
ドット絵にしていないキャラクターがまだまだ残っているので気長にいきましょう。
本タイトルのドット絵は昨年12月に描いたきりなので久しぶりかもしれません。
Twitterでトレンド入りしているのを見かけたので新しく興味を持った方もいるはず。
ぜひ見ていってください。
ゲーム『Lobotomy Corporation』からケシがモチーフと思われるアブノーマリティ「ポーキュバス」
タイトル:『ポーキュバス』
制作時間:26.7時間
『Lobotomy Corporation』はアブノーマリティと呼ばれる怪物や超常現象を管理するシミュレーションゲームです。
各アブノーマリティには固有の特性が設定されており正しい手順で作業を行う必要があります。
指示を誤ると職員が死亡するのは当たり前、リカバリーできなければそのままゲームオーバーに。
進行度に応じて管理対象が増えていくのでマルチタスクを求められます。
操作量が増えても冷静にプレイすることが攻略のコツです。(それが難しいけど)
ポーキュバス
「ポーキュバス」は蛇に似た長い胴体を持つ植物のようなアブノーマリティです。
モチーフはおそらく麻薬の原料のケシ。
尾に付属する球体からは快感を引き起こす物質が分泌されており、快感物質にはまった人は中毒状態になって最後は頭が破裂、死んでしまいます。
ポーキュバス自体は犬のように人懐っこく、親しくなった相手に対して積極的に尾を差し出すようです。
ゲームにおいては設定通りの即死リスクを内包するキャラクター。
自制能力の低い職員が作業すると頭が破裂して死亡します。
快感物質の過剰摂取を抑えられる精神力を持った職員だけが世話をできるということでしょうか。
ドット絵の説明
この作品はアブノーマリティに焦点を当てたキャラクタードット絵です。
頭が破裂した職員たちの前でうごめくポーキュバスを描いています。
まずい箇所はちゃんと隠しました
頭部のない職員はさすがにゴアのカテゴリー。
苦手な方がいると思うのでポーキュバスのとげで破損個所を隠しています。
とはいえ完全に覆ってしまうと状態が分からないためちらりと見えるのはご愛嬌で。
本家ゲーム以上の表現はしていないので問題はないはず。。
なお、隠しなしの画像はこちらです。
ここでしか見られませんよ~。
花畑
背景の花畑はポーキュバスのコンセプトアートから。
おそらくケシ畑です。
ゲーム内には登場しません。
[制作記事]ボツになったシーンチェンジ
ドット絵のアニメーションを制作していると、実際の動きを確認してから変更を加えたくなることが多々あります。
その結果、せっかく描いたドット絵を使用しない決断も。
ポーキュバスのドット絵では不採用アニメーションが発生してしまいました。
その判断は正しかったのか。
ここからはボツ画像を公開しながら思考を整理していきたいと思います。
複数のシーンを持つドット絵
私のドット絵にはシーンを組み合わせて作るアニメーションが結構あります。
例えば同じLobotomy Corporationのドット絵から「レティシア」。
前半は明るさ、後半は暗さを強調したアニメーションにしました。
前半をしばらく表示して後半に移行。
後半もしばらく表示したらまた前半に移行。
2つのシーンをぐるぐる繰り返すアニメーションになっています。
ポーキュバスで予定していた追加シーン
ポーキュバスのドット絵では笑う職員のアニメーションを2パターン用意していました。
左が最終的に採用した通常の笑いモーション、右がボツになった大笑いモーションです。
笑う職員の動きが途中から大きくなるようにシーンをチェンジするつもりでした。
複数シーンを持つアニメーションの問題点
2つ以上のシーンを持つアニメーションには問題が存在します。
シーン1・通常笑いで使用する画像は12枚。
12コマのループアニメーションです。
各画像はユニークで被りなし。
一方、ボツにしたシーン2・大笑いのアニメーションも12枚構成。
では、2つを合体させると 12コマ × 2セット で24コマのループアニメーションになるのか。
実はそうではありません。
テンポの変化
通常笑い12コマに大笑い12コマを足した、24コマのループアニメーションを見てみましょう。
通常笑い・大笑いの切り替えが早すぎると思いませんか?
1シーンのみのドット絵の場合は同じモーションをループするので、見る側からは動作をずっと継続しているように見えます。
しかし後ろにシーンが増えると通常笑いの時間は12コマ分でいったん中断。
大笑いモーションに移行し、こちらも同様に12コマ再生後はアニメーションの先頭(通常笑い)に戻り。
12コマという短い動作を交互に繰り返すループになるのでイメージと違うテンポになってしまうのです。
コマ数の増加
テンポを調整するため、私は同モーションのコマを複数セット入れ込んでいます。
通常笑い12コマを2セット表示した後に大笑いを表示すれば、先ほどのケースと比べると通常笑いモーションの時間が2倍に延長されていることになります。
大笑いも同様にセット数を追加して表示時間を調整できるわけです。
しかしこれにもデメリットが。
追加したセット数だけコマ数が増加してしまいますよね。
しかも大部分が同一画像。
完成するドット絵がかなり冗長になってしまうでしょう。
スッキリした作品づくりのためボツに
最初に断っておくと私は現状、冗長なコマが悪いとも思っていません。
他の方法も思い浮かばないですし、これからも制作します。
ただしポーキュバスの場合、職員の笑い方による画面の変化がたいしてありませんでした。
上のドット絵を眺めて、笑い方のリズムが変わったとパッと見で気が付きませんよね?
職員の動きのバリエーションにはドット絵を冗長化するほどの価値がないと判断。
大笑いモーションをボツにしました。
最終的に通常笑いだけでアニメーションを完結。
12コマループのコンパクトなドット絵に仕上げました。
私はもったいない症候群を発症しているので描いたドット絵を意地でも採用することが常です。
しかし練習と割り切り、視覚的にたいした影響がないものは削ってしまっていいのかなと思い始めました。
せっかくのブログ、ボツ部分を公開できる強みがありますしね。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。