皆さんが最もプレイしたゲームは何ですか?
全ゲームのプレイ時間を記録しているわけではないですけれど、私の場合は『Kenshi』が間違いなく候補に挙がります。
1000時間遊べるといううたい文句をゲーム界隈で耳にしますが、『Kenshi』はまさにそれ。
現時点でのプレイ時間は約1400時間です。
Steamだとプレイ時間を確認できて分かりやすいですね。
よく遊んだ作品と描きたい作品がリンクしないケースは多いのですが、ここにきて急に『Kenshi』のドット絵を描きたくなりました。
思い出のゲームは何だかんだで描きたくなりますね。
今後も昔遊んだタイトルをドット絵化するかもしれません。
同じ思い出を共有する方に届けば幸いです。
では、ぜひ見ていってください。
荒廃した世界観のインディーゲーム『Kenshi』から「審問官」のドット絵
タイトル:『審問官』
制作時間:16.7時間
『Kenshi』はSteamで配信されているリアルタイムストラテジーRPG。
シミュレーションの要素も強いです。
知る人ぞ知らないゲームなんて冗談で言われていましたが日本でヒットし、今では知る人ぞ知るゲームになりました。
圧倒的に自由度が高くキャラクターを育成して世界を旅してもよし、国を築くのもよし、交易して歩くのもよし。
各地の遺跡からアイテムを収集する探索要素もあります。
ヤギ一匹にもかなわない弱者から成り上がり、最終的に大国と渡り合える集団になるのがたまりません。
人を選ぶとは思いますが非常に面白いゲームです。
私がここまで遊んだゲームは『Master of Epic』『Elona』くらいではないでしょうか。
これらのタイトルにピンときた方にはきっとご満足いただけるゲームだと思いますので、おすすめです。
Kenshi世界には大きな勢力がいくつかあります。
そのうち一つがホーリーネーション。
「審問官」はホーリーネーションに所属する高位の戦士で、トップクラスのユニットに少し劣るくらいの戦闘力を誇ります。
実は私がKenshiで一番好きなユニットが審問官です。
テクノロジーを禁忌しているホーリーネーションの国柄を反映し、粗末な武具で身を固めているフレーバーがとにかく素晴らしい。
装備の貧弱さをついて比較的早い段階から撃破可能なので、スパーリング相手としてお世話になることも。
交戦機会が多かったのが親しみを感じる理由なのかもしれません。
なお、ホーリーネーションは理不尽な差別を行う宗教国家で多くのプレイヤーに嫌われています。
審問官が好きと言いつつ、私もホーリーネーションと仲良くできた試しがありません。
いつも敵対関係です(笑)。
ホーリーネーションはスケルトンという種族を特別に憎んでいます。
それはもう、見つけ次第襲い掛かってくるほど。
ドット絵ではスケルトンの残骸に囲まれた歴戦の審問官を描きました。
無実のスケルトンを破壊する行為は紛れもなく行き過ぎた信仰によるもの。
スケルトンたちを亡霊めいた存在として描き、審問官の業を表現しました。
審問官の外見
審問官はユニークユニットではないので、ランダム外見で生成されます。
ゲーム中で実際に生成された審問官をベースにして描きました。
審問官は浅黒い肌で生成されることが多い印象です。
ホーリーネーション領の住人の特徴かもしれませんね。
スケルトンのバリエーション
スケルトンにはバリエーションがあり、その中から3種類を描きました。
また、とある場所で地中に埋まっている巨大スケルトンから、右前側に配置した手のデザインを拝借しています。
ゲームでは活動地域の違いによって、ほとんどのスケルトンは審問官と接触機会がありません。
それでも、審問官の豊富な戦闘経験を示唆したかったのでスケルトンを描き分けました。
こだわりポイント
審問官の鎧には炎と思われる模様が描かれています。
ホーリーネーションで信仰されている神オクランには5000年にわたって炎を燃やし続けている伝説があり、おそらくはその炎をかたどったものでしょう。
ドット絵では燃えるアニメーションをつけました。
審問官の胴体をよく見ると、かすかに動いています。
一見はただの模様のようにしたかったので、本当にささやかな動きです。
ピクピクとけいれんするアニメーション
たくさんの絵をなめらかに動かすのが上等なドット絵アニメーションだという認識はありませんか?
かつて私はそう思っていました。
そういったアニメの方がコストや難易度がもちろん高いですし、ある意味で上位の存在かもしれません。
しかし現在は、理想のアニメ速度を実現するために使うコントロール手段の一つとして枚数があるという考え方に変わっています。
むやみに枚数を増やす必要はないというスタンスです。
難易度についても少ないコマでの表現方法で意外と困ったりするので、一概に簡単とはいえません。
『審問官』におけるスケルトンの手がけいれんする動作は少ない枚数で作るアニメーションの典型です。
少ない枚数ながらもバリエーション豊かだったので記事に残すことにしました。
正直に言うと採用した動きが最善だったか疑問が残っています。
スケルトンの手をピクピク動かす
冒頭で述べた通り今回のアニメーションに枚数は必要ありません。
用意した画像は以下の2つ。
それぞれA、Bとします。
Aから少しだけ手を開いたのがBです。
動かすとこんな感じ。
指先だけでなく腕もビクンと動かしたい。
Bの画像を右に1ドット動かします。
コマ画像だと分かりにくいですよね。
動かすとこうなります。
なんだかよくなってきたんじゃないですか?
戻りのコマを増やしてみます。
Aの画像を右に1ドット移動した画像Cを追加。
腕が動いた後の余韻が追加されました。
この動きを最終的に採用しています。
ちなみに『審問官』では手ごとに動きを少し変えました。
どのパターンがよいのか
個人の好み、さらに言えば各位のイメージする動きによって採用するパターンが変わってくるかと思います。
制作中は2番目のパターンも捨てがたいと感じました。
このままだとせわしないので、完成したドット絵と同じように静止期間を設けてみます。
手が瞬間的にビクッとなる感じが出ていませんか?
最終的に採用した3番目のパターンにも静止期間を追加して比べてみます。
こちらの方が何だかもっさり感がありますよね。
画像Cを追加してコマ数が1枚増えたのが原因でしょう。
では、このパターンが間違いだったのか。
おそらくそうではありません。
画像の表示時間をもっと短くしてみます。
もっさり感が改善され、けいれんの動きに近づいた気がします。
枚数や表示速度いずれかに執着するのではなく、総合的に調整するのが重要なんでしょうね。
全体のアニメーション速度との兼ね合いで完成版に採用しませんでしたが、自分としてはこの動きが大本命でした。
コマ数が少ないアニメーションはなめらかに動くアニメーションと比べると作画の負荷が小さめです。
しかしアニメーション速度をコントロールする必要があるのは同じであり、少ない枚数で自然に動くコマ割りの力が求められると思います。
手間がかからないのと簡単なのは違うんでしょう。
うーん、奥が深い。
今回の記事はいかがでしたか?
私は技術を向上させつつ表現の引き出しを増やそうとドット絵を制作しているので、スピード感が異なる作品にもどんどん挑戦していきたいです。
映画張りに派手なアクションを行うドット絵は格好いいし、静かに時が流れる風景ドット絵も素敵ですよね!
最後に等倍のドット絵でお別れです。
次の記事でお会いしましょう。