描き込み寄りの作品が続いていたので、デフォルメが効いたドット絵を描きたくなりました。
そんなときに私がよく選択するのは『Lobotomy Corporation』。
本ブログで定番になっているタイトルです。
キャラクターの造形がバリエーションに富んでいて気分に合ったものを描けます。
かわいらしいビジュアルながら死人がきっちり出るゲームなので、そのギャップをどう表現するかもワクワクしますね。
今回はゲームに登場するアブノーマリティ(怪物や超常現象の総称)から、危険度が高めのやつをチョイス。
ドット絵だけでもぜひ見ていってください。
『Lobotomy Corporation』からサメ型アブノーマリティ「夢見る流れ」のドット絵
タイトル:『夢見る流れ』
制作時間:17.9時間
「夢見る流れ」はサメのような姿をしたリスクレベルWAWのアブノーマリティ。
明らかに危険そうな形相に加え、どうしてこうなったというデザイン。
虹色の舌が垂れ下がった2つの口、下半身には2本の脚を持っていると説明されています。
胴体に空いた銃痕と体に刺さった注射器も気になるところです。
収容室から脱走すると案の定、リスクレベルに違わぬ凶悪性能。
虹色の液体と共に施設の廊下に現れ、即死レベルの攻撃力を誇る突進を繰り出します。
初見時は見た目でまずビビり、管理方法が分からず脱走されてさらにビビる有様でした。
特性を理解すれば管理はたやすいものの、ひとたび脱走すれば手に負えない怪物です。
ドット絵は虹色の液体の中を泳ぐ「夢見る流れ」を描いています。
ゲームにおける「夢見る流れ」の移動方法は正に突撃で、ドット絵の悠然としたものとは異なります。
あえてゆったり泳がせることで天敵などいない王者の姿を表現しました。
液体中には施設内の備品や職員も浮かべています。
ロボトミーのドット絵で恒例になっている犠牲者枠ですね。
夢見る流れ
胴体に魚群を映し出しました。
これは完全にドット絵の創作であり、実際の「夢見る流れ」にこのような設定・演出はありません。
対抗魚で遊泳感アップを狙いました。
また、魚群の背景を青にして「夢見る流れ」の本体色であるコバルトブルーを再現しています。
こだわりポイント
脱走した「夢見る流れ」は施設内の廊下を虹色の液体で満たし泳ぎ回ります。
虹色背景だけではアブノーマリティが泳いでいる環境を判別できません。
備品や溺死した職員を配置して、施設内だと分かるようにしました。
ゲームでは職員が溺死することなく「夢見る流れ」に食い殺されるのですが、フレーバーを優先しています。
アニメーション制作用のツール導入を検討中
私はEDGE2のみを使用してドット絵アニメーションを制作しています。
ドット絵エディタとしてEDGE2に不満はありません。
アニメーションも自由に作り込める優れたツールです。
しかしながら一定規模を超える作品、または特定パターンの作品においては「効率の悪い作り方をしている」と自覚しつつ制作を進めているのも事実です。
ドット絵を1つのアニメーションにまとめ上げる作業で「もっと適したツールがあるはず」と考えることが多くなりました。
ツール知識もスキルの一つ。
ドット絵の作画および個々のアニメーション制作はEDGE2に任せ、最後の仕上げである統合作業で使えるツールの導入を検討しています。
アニメーションの制作効率が悪い例
『夢見る流れ』では魚群のアニメーションを制作しました。
実はこれが非効率ポイントです。
たくさんの魚が横軸に移動しているこのアニメーション。
単体の魚も尾ひれを動かしています。
これで何が困るのか。
例えば画面内に3匹の魚がいるとします。
右から左へ魚が移動するアニメーションですから、次のコマでは魚をX座標のマイナス方向に動かします。
移動と当時に魚の尾ひれを動かすので、魚の画像も次の動きに差し替えなければいけません。
下図がイメージです。
4番画像の魚が次のコマでは左方向に移動しつつ、5番画像に変わっているのが分かるでしょうか。
魚が右端から出現して左端に消えていくので、ループするまでにかなりのコマ数を要します。
『夢見る流れ』の魚群は18コマで動かしました。
魚の座標をずらし画像を差し替える……これをひたすら繰り返してコマを作っていく必要がありますね。
また、配置する魚が増えるほど1コマ内で魚画像を差し替える量が増えていきます。
手間ですよね。
この作業を現在はなんと手作業で行っています。
非効率的だし、ミスも多そうでしょう?
ツールの候補
では、どういうツールなら効率的なのでしょうか。
今のところアニメーション制作ソフトに目星を付けています。
例えば先ほどの魚。
このアニメーションを横軸移動させたり画面内に自由に配置できるのならば、少なくとも今よりは効率が上がりそうです。
実現可否をまだ調べていませんが、主にネームバリューからソフトをいくつかピックアップしてみました。
使ってみて感触を確かめるつもりです。
Adobe Animate
最初に思い付くのはAdobe製品ですね。
クリエイターさんの定番ツールという印象です。
マイナーなツールを選択すると将来的にツールの乗り換えが必要になりそうですが、Adobe製品ならそんな心配はいりません。
Adobe製品を扱えること自体がスキルとして評価されるケースもありそうです。
残念なのは料金プランが月額制なこと。
私は1カ月に4作品前後のペースでドット絵を描いています。
EDGE2だけで制作できる規模の作品も少なくありません。
月当たりの使用回数と料金が釣り合わないです。
CLIP STUDIO PAINT
かなりメジャーなペイントソフト。
どうやらアニメーションに対応しているようです。
値段も手頃で買い切り可能な上、無料お試し期間も十分。
メインでないはずのアニメーション関連機能がどの程度かが焦点でしょう。
デジタルイラストに興味がないこともないので機能面に無駄が少なく、総じてかなり魅力的に感じます。
OpenToonz
スタジオジブリ由来の2Dアニメーション制作ソフトウェアらしいです。
前述したAdobe Animateの代用ソフトとして挙げられていました。
無料で使用できるため気軽に試用できるのがいいですね。
ネット上に技術情報がどのくらい転がっているかが気になるところでしょうか。
とりあえず試用版や無料のツールで使い勝手を確かめてみるところから始めようと思います。
「もっと良いやり方があるだろうな」と思いながらずるずると来てしまったので、そろそろ新しい技術を取り入れていきたい所存です。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
記事後半は「こんな低レベルな作業をしていたのか」と笑われそうで恥ずかしいです。
しかし、まあ、実際こんなものなので……。
新ツール導入で変化があったら記事でご報告いたします。
最後に等倍のドット絵を置いて、お別れにしましょう。
また次の記事で!