今回は『Lobotomy Corporation』のドット絵です。
アブノーマリティごとのキャラクター性・ストーリー性を重視しながら制作しているので各作品の互換性が少なかったタイトル。
あえてフォーマットを定めたパターンで制作してみました。
キャラクター名も入っているので原作ゲームを知らない方にとってはこっちの方が分かりやすいかなと。
ぜひ見ていってください。
興味を持ったらゲームの方もどうぞ。
販売から時間がたったゲームなので、Steamセールでワンコイン以下になっていることも多いですよ!
ゲーム『Lobotomy Corporation』から、収容違反のチュートリアル?「捨てられた殺人者」
タイトル:『捨てられた殺人者』
制作時間:39.0時間
『Lobotomy Corporation』は「アブノーマリティ」と呼ばれる怪物・怪異を管理するシミュレーションゲームです。
プレイヤーはロボトミー社施設の管理人となって職員に指示を出し、アブノーマリティたちからエネルギーを収集していきます。
アブノーマリティにはそれぞれ好みがあるので、逆鱗に触れないように作業を行わなければなりません。
手番を誤ると能力を発動あるいは脱走して施設や職員に危害を加えます。
とはいえ初見だと情報ゼロ。
一か八かで作業指示を出さなければならないケースも発生します。
ゲーム進行に合わせて管理対象が増えていくのでうっかりミスでやらかすことも。
暴走したアブノーマリティをうまく対処することもこのゲームにおける技術といえるでしょう。
捨てられた殺人者
「捨てられた殺人者」は拘束服を着た人型のアブノーマリティ。
元は死刑判決を受けた殺人者で何かの実験台にされてからおかしくなったとのこと。
頭が金属になるという妄想に取りつかれ、硬度を確認すべく頭を壁に打ち付けるようになりました。
思い込みが現実になったのか、はたまた真実だったのか。
収容室を抜け出した際は頭部を巨大なハンマーに変えて職員を襲います。
ゲーム内のリスクレベルは下から2番目のTETH。
職員の作業品質が悪いと機嫌を損ねて脱走するシンプルなタイプです。
尖った能力はないため鎮圧は戦闘力勝負。
装備が整った職員がいれば簡単に治められるでしょう。
有事における立ち回りのチュートリアルとしてちょうどいいアブノーマリティだと思います。
ドット絵の説明
この作品は「捨てられた殺人者」のキャラクタードット絵です。
生物図鑑の1項目というイメージで制作しました。
アブノーマリティが頭部を打ち付けて金属に変化させていきます。
頭が変化しきった後は分類番号が名前に代わる演出。
アブノーマリティの分析が進んだことを表現しています。
捨てられた殺人者のモーション
頭部をハンマー状に変化させる過程をキャラクターのモーションにしました。
この演出はバックストーリーをベースに私が想像した勝手な解釈です。
ゲームにおいては頭部が一度引っ込んだ後に金属が現れる演出になります。
ループ用の戻りモーションも完備。
金属部分が口に吸い込まれていくようにしました。
背景デザイン
背景はゲームの収容室を模したデザインにしました。
左端で動いているのはエネルギーゲージ。
捨てられた殺人者の素直な特性に合わせて、アニメーションもエネルギーがたまっていくシンプルなものに。
[制作記事]フォーマットを模索してみる
ドット絵を描くにあたって計画段階で全体像を決めておくことは重要です。
描き込み段階になって「色が地味」だの「背景が殺風景」だの問題に気付き、頭を抱えることが多い私は特に。
とは言いつつ、キャラクターだけ決めてサクッと作業に移りたい日もあるというもの。
Lobotomy Corporationのドット絵はアブノーマリティのキャラクター性・ストーリー性を反映するために、ネタを毎回考えないといけない大変さがありました。
さらには作品のフォーマットがバラバラになって統一感がなくなるという欠点も。
そこで今回は、Lobotomy Corporationにフォーマットを設けてみたらどうなるか?という考えに基づき制作してみました。
数が集まるほど見栄えを増すフォーマット
ドット絵『捨てられた殺人者』ではゲーム中の収容室およびUIのデザインを模したフォーマットを作成し、背景に採用しました。
このフォーマットのコンセプトはずばり「コレクション性」。
同タイプの作品が集まるほど見栄えが増すフォーマットを目指しました。
過去作にフォーマットを適用し並べてみます。
分類番号入りなので分かりやすさもバッチリ。
(上の例には付けていないけど)キャラクターアニメーションでおのおのの特性も表現できます。
並べると生物図鑑のようで、なかなか壮観じゃないですか?
アレンジの余地を残す
フォーマットを定めるにあたって私がこだわっているポイントに「拡張性」があります。
いくら同じ形式を使えるといっても繰り返せば単調になっていくことは避けられません。
そこでフォーマット内で個性を出せるようにアレンジ可能な部分を用意しておくのです。
このフォーマットにおいては主に3つを想定しています。
チェック柄
背景をチェック柄にした大きな理由は「2色使えること」です。
例えばキャラクターが青系統ならばチェック柄を赤系統にするというように、作品に足りない色味を補うことができます。
そしてチェック柄は2色が交互に配置されているわけですから、選択した色の組み合わせによって全体が赤くなり過ぎないような調整も効きやすいです。
捨てられた殺人者のドット絵では緑成分を補っています。
色を途中で変化させることにより、アブノーマリティの性質が変わったことを強調する演出にも一役買いました。
ゲームUIを反映した枠
ゲームだと収容室はいずれかの部門に属していて、各部門にはテーマカラーが定められています。
ドット絵の枠に収容室のデザインを取り入れておくことで、アブノーマリティを管理している部門をにおわすフレーバーとして利用できるようにしました。
凶悪なアブノーマリティの場合は武闘派の部門、特殊な管理方法を持つアブノーマリティの場合は情報の扱いに長けた部門というようにイメージと紐づけすることが可能です。
また、チェック柄と同様に足りない色を補う用途にも使えます。
ゲージのアニメーション
アニメーション対象としてエネルギーゲージを用意しました。
ゲージの増加によりエネルギーが生成される様子を再現できます。
ゲージを動かすメリットは見栄えだけではありません。
ゲームにおけるエネルギー抽出方法・効率はアブノーマリティごとに異なっています。
つまり、ゲージの動き(エネルギーのたまり方)にキャラクターの特性を反映する余地があるのです。
エネルギーを集めやすいアブノーマリティならば常にマックス状態にしてもいいですし、気難しいキャラクターならばほとんど上昇しなかったり不安定にしてもいいでしょう。
色々アレンジできます。
Lobotomy Corporationのドット絵はこれまでかなりの数描いてきているので、さすがに今更になって1つのフォーマットに定める気はありません。
しかし「最終的に並べることを意識したフォーマット」は描いていて楽しかったです。
適した題材を見つけたら今度は最初からフォーマットを決めて制作してみようと考えています。
そういうのがひとつあれば長く細く楽しめることでしょう。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。