もうすぐハロウィンですね!
かつてなじみがなかったハロウィンも今ではだいぶ市民権を得てきました。
特にソーシャルゲーム界隈では季節イベントとして定着し、リアルのハロウィンに興味がない方でも今がその時期だと気がつくようになっています。
1週間早いですが、今回はハロウィンを意識したドット絵を描いてみました。
ぜひ見ていってください。
『Lobotomy Corporation』からハロウィン記念で「白雪姫のりんご」のドット絵
タイトル:『白雪姫のりんご』
制作時間:16.2時間
「白雪姫のりんご」はリスクレベルWAWのアブノーマリティです。
上から2番目の危険度を持っていますが、実は私はゲーム中で彼女の脅威に晒された経験がありません。
『Lobotomy Corporation』ではアブノーマリティの解析データや装備品を引き継いだ状態でゲームを再スタートできます。
彼女と遭遇したのは、そんな強くてニューゲーム後のことでした。
ゲーム中の思い出ではなくビジュアルに引かれたアブノーマリティになります。
さて、ハロウィンといえばジャック・オー・ランタン。
かぼちゃをくり抜いて作る照明です。
鳥や虫に食われてできた「白雪姫のりんご」の顔と同じものを感じませんか?
割と無理をしながら共通点を見出したので、ハロウィンに便乗した作品を制作する方針にしました。
結果として背景色くらいしかハロウィン要素がないのはご愛嬌ということで。
アブノーマリティ同様に「白雪姫」をモチーフにしたドット絵になっています。
「白雪姫のりんご」の正体は白雪姫が食べた毒りんごであって、白雪姫本人ではありません。
地面に落ちて放置された毒りんごは時が経つにつれ、自分にも白雪姫のように王子様が現れると考え始めたようです。
恐怖を振りまく怪物を、まだ見ぬ王子様に思いをはせるプリンセスとして描きました。
ビジュアルガイド
白雪姫のりんご
足場のお城と比べて、サイズが狂っていると感じるでしょう。
そうではありません。
白雪姫のりんごが大きいのです。
彼女は信じられないほど背が高いと説明されています。
興味を持った方は『Lobotomy Corporation』のゲームトレーラーをぜひ見てください。
彼女の恐ろしさと大きさがよーく分かりますので。
1:54くらいから出てきます。
なんと、片目に職員の頭を突っ込んだ状態での登場(どうしてそうなった)!
近くで震えている職員たちも助からないでしょう。
かなりインパクトがあり一発で惚れたシーンです。
そんなおっかない彼女にディズニープリンセスっぽい挙動をさせてみました。
白雪姫といえばディズニーを連想してしまいますからね。
なかなか、かわいくないですか?
ゲームはバージョンアップを重ねており、グラフィックをはじめこのトレーラーの内容は古いものになっています。
新しいトレーラーもチェックしてみてくださいね!
足場のお城
ディズニー映画『白雪姫』のお城のモデルをご存じですか?
スペインにある「セゴビアのアルカサル」というお城がモデルらしいです。
このお城の建物を真似て、アブノーマリティが歩き回っているお城の屋上をデザインしました。
こだわりポイント
紙人形劇のようなアニメーションがこだわりポイントです。
ゲーム中の彼女はテレポートで移動し脚を使いません。
お姫様なので余計な運動をしないのでしょう。
通常であればアブノーマリティの歩行モーションを作成しますが、本作では画像を横軸と縦軸に動かすだけで歩行を表現しました。
変に歩かせてイメージを損ねないためです。
「劇」と「白雪姫」の親和性が高いこともプラスに働いたと思います。
アルカサルの上を歩かざるってね!
ドット絵の縁取りを効果的に使う
ここからはドット絵の縁取り処理について書いていきます。
個人的なドット絵七不思議(七つあるかは不明)に、黒色で縁取ったドット絵はうまく見えるというのがあります。
右側が黒色で1ドット縁取った「白雪姫のりんご」です。
赤や白など色がくっきりして見栄えが良くなったように見えませんか?
ドット絵は色差が大切です。
縁の黒色で塗り色との差が強調されて、よりドット絵らしく見えるのではないでしょうか。
ドット絵のデフォルメ感が際立つとも考えています。
『白雪姫のりんご』を紙人形劇風の作品として仕上げるために「白雪姫のりんご」を黒色で縁取っています。
縁の厚みで紙人形の余白部分を再現することが一番の目的です。
縁取り作業は
- ツールの縁取り機能
- 微修正
の流れで行っています。
縁取りはドット絵の周りを1ドットずつ囲っていくだけの機械的な作業ですから、1つ1つ手作業するのは無駄があります。
まずはツールの機能を使って縁取りし、意に沿わない個所を個別に修正する手番です。
全て手作業で縁取りする場合は、修正相当の内容を最初から考慮してドットを置いていくことになります。
では、どういった観点で修正をするのでしょうか。
黒縁に対する2つの修正観点
私は現在、以下2つの観点で縁を修正しています。
- 縁の太さを統一する
- 半端なささくれドットをならす
縁の太さを統一する
ドット絵で直線の太さを意識したことがありますか?
1ドットの太さの直線でも、垂直・水平な線よりもナナメ線の方が実は細くなります。
これだと少し分かりにくいですね。
直線を2本重ねて2倍の太さにしてみましょう。
ナナメ線の方が明らかに細いでしょう。
これを理解した上で、図形を黒色で縁取ってみます。
黒主線の赤い図形を黒色で1ドット縁取りました。
さあ、どうですか。
絵としては問題なさそうですが、ナナメ線がやはり細いですよね。
『白雪姫のりんご』を例にすると、縁の太さ=紙人形の余白です。
ならば、垂直・水平線周りとナナメ線周りで余白の面積が違うということになります。
余白は均等な方が紙人形として格好がいいですよね。
つまり、やりたいことと照らし合わせた結果、この縁取りは不均一で問題があるのです。
このような許容できない線の太さの差が存在するかどうかが観点の1つです。
とはいえ、最小単位である1ドットの太さで差が出ているものを統一するのは至難の技。
細いナナメ線を単純に1ドット太くすると今度はナナメ線の方が太くなってしまいます。
中間色を使って見かけの太さを調整しながら修正するのが普通かなと思います。
黒と赤の中間色を図形の内側に使って、ナナメ線を1ドット太くしました。
少なくとも最初の図形よりは線の太さが均一でしょう。
このような修正方法だと中間色を重ねた場所がグラデーションになって、気に入らないこともしばしばあります。
線が気に入っているなら太さの違いに目をつぶって「修正しない」選択肢も大いに考えられます。
半端なささくれドットをならす
機械的な縁取りはドットの外側に1ドットずつ置いていく作業です。
黒主線で「白雪姫のりんご」を描いていますから、縁取り後は合計2ドットの太さの黒線で覆われたドット絵になると想定できます。
縁取った後のドット絵を見てみると、青矢印のような1ドットだけはみ出した個所に気がつきます。
これがここでいう「半端なささくれドット」です。
観察すると、黒主線の右側にドットが置かれて合計2ドットになっており、ちゃんと縁取られた結果だとは分かります。
これの何が問題かといいますと、ドット整理が足りないノイズドットに見えることです。
縁取りするにあたって、太さ2ドットの黒線で覆われたドット絵を完成形と想定していました。
周りが2ドットの中、1ドットで存在しているかのように見えるので不自然に感じるのでしょう。
こういった個所がたくさん存在すると、けば立った汚いドット絵になります。
これを手作業で補います。
下側に赤色のドットを置きました。
私の場合、ドットを置いた後に全体の形を見て不自然でないなら「ドットの収まりがよい」としてOKにしています。
どう修正するか、どうなれば自然と感じるかは個人のセンスです。
修正ドットを置くと線が太くなったり、角が立ったように見えるものです。
太くなった線がドット絵の立体感に寄与しているか、修正で角張った個所は尖って見えて適切か、と考えれば可否の判断をしやすくなるでしょう。
今回は1ドットの凸部分にフォーカスしましたが、1ドットの凹部分も要注意です。
ドットで埋めてしまった方が見栄えが良くなる可能性が高いです。
縁取りの注意点
縁取るとドット絵がうまく見えると冒頭で述べました。
デメリットも当然あります。
主線を強くするのとほぼ同義ですから、背景など周辺のドットから浮いてしまいます。
ゲームでは操作キャラやオブジェクトが目立つように様々な手法を使っており、縁取りも方法の一つなのです。
アイテムでよく見ますね。
他には色相・彩度・明度を背景と変える、濃い主線を使う、といった方法を聞きます。
うまく見せたいから縁取りを使うのではなく、目的に合わせて意図的に利用する手法だと心得た方が無難でしょう。
『白雪姫のりんご』では、
- 劇のアクターである「白雪姫のりんご」を目立たせたい。
- 紙人形の余白を表現したい。
という2つの目的があり、効果的だと判断して縁取りを使っています。
先週から連続でLobotomy Corporationの怪物を描きました。
美女キャラを描くときはなるべくきれいに描こうと気合が入るものですが、女型なら怪物も同じだと気がつきました。
禍々しさの中に艶や愛らしさを求めてしまいます。
どうやら私の中では人間・怪物を問わず、女性は女性だと分類されるみたいです。
つまり、今回のドット絵は「美女枠」ということです。
この流れだと次は怪物枠のドット絵になりますかね。
最後に等倍のドット絵でお別れしましょう。
それでは!