ドット絵

【Lobotomy Corporation】いずれ描きたいと思っていた魔法少女シリーズから「貪欲の王」のドット絵

今回はインディーゲーム『Lobotomy Corporation』のドット絵です。

少しリアル寄りなドット絵が続いていたので、ここらでデフォルメが効いたコミカルなやつをいきましょう。

特定タイトルに特化せずに様々な題材を描いていると、こうやって気分転換できるのが強みです。

これまで結構な数の『Lobotomy Corporation』ドット絵を描いてきたので、アイテム系を除いたアブノーマリティの制覇を意識し始めた……のですが、Wikiを見たら論外レベルで足りていませんでした。

これは、なんとかやり遂げたいところ。

目標を1つ整理できたところで改めて、今回のドット絵もぜひ見ていってください!

『Lobotomy Corporation』から魔法少女の一人「貪欲の王」のドット絵

『貪欲の王』

タイトル:『貪欲の王』

制作時間:30.5時間

「貪欲の王」は『Lobotomy Corporation』に登場するアブノーマリティの一体。

ゲーム中に何名か登場する魔法少女の一人であり、黄色いドレスや装飾品をまとった褐色肌の女性です。

収容室にいるときは黄金の卵のようなものに入った状態で、透けた部分から中にいる彼女を観察できます。

脱走すると見た目が一変。

巨大な口を持つ魚に似た怪物に変化し、口から女性の首をぶら下げながら施設内の廊下を徘徊します。

接触した職員は即死。

前方にしか進まないので逃げるのは容易と思いきや、通路が行き止まりになっている場合があるので事故が発生します。

貪欲の王が絶妙なタイミングで脱走し、職員が袋小路に閉じ込められた格好で食べられたことがありました。

ゲームを調子よく進められていただけにとても悔しかったのを覚えています。

ドット絵『貪欲の王』について

全体像の画像

逃げる職員を貪欲の王が追いかける構図で描きました。

実際の貪欲の王は追いかけるというよりも、前進する先にたまたま獲物がいるという印象です。

逃げた先が行き止まりになっているのが職員の死にパターン。

ドット絵では廊下がループしているのでひと安心ですね。

一生逃げきれませんけど。

アブノーマリティの胴体部分にはいつもの抜きアニメを使用。

一部を透過色にして

透過色を設定した画像

画像の下側で模様を動かしています。

模様の画像

貪欲の王のひれの動き

貪欲の王は魚を模していると思われるので、背面の突起を尾びれのように動かしてみました。

突起部分を示した画像

ゲームでは胴体に合わせてうにょんうにょん上下に動きます。

ドット絵でオリジナリティを出した個所ではありますが、ゲームと同じ方が作画の難易度が高かったかもしれないですね。

職員の腕章

職員の画像

私が『Lobotomy Corporation』のドット絵を描くとき、職員の腕章を毎回省いています。

部門を明確に定めていないためです。

実際は所属部門を示す腕章を身に着けた状態が正装となります。

背景の廊下はコントロールチームが担当するエリアを参考にしたことから、コントロールチーム所属職員として描いて良かったかもと思いました。

コントロールチーム担当エリアを参考にした廊下の画像

こだわりポイント

貪欲の王の身体は様々な模様が組み合わさっています。

一部に遊びを入れたいと考え、アブノーマリティの模様をスクロールさせました。

(説明用に完成版から変更しています)

模様のアニメーション

全ての模様をスクロールせず、突起部や口周り、目周りを固定したのもポイントです。

この手法を用いる場合はキャラクターの身体的特徴と関係ない題材を投影するケースがほとんどだったのですが、キャラクター本来の柄に適用するのも全然ありだと気が付きました。

柄が動いてキャラクターデザインが損なわれる不安がありましたが、問題なさそうです。

思い付きを採用するバランス感覚はいかに

ドット絵の制作を続けてきて、作品に反映するアイディアを自分なりに取捨選択できるようになってきました。

まずは下のアニメーションをご覧ください。

赤く光るバージョンのアニメーション

一定間隔で赤く変色するボツバージョンのドット絵です。

ゲームでは脱走したアブノーマリティが徘徊する部屋が赤く光ります。

おそらくは危険を知らせる施設内ランプの発光色なのでしょう。

演出に採用してみたのが先ほどのドット絵です。

このアイディアは制作中に思い付きました。

しかし最終的に不採用。

こういった思い付きと採用見送りについて思うところがあるので、記事に書き留めておきます。

思い付きはよくある

ドット絵を描いていると思い付きで行動したくなることがよくあります。

  • ここも動かしたい
  • エフェクトを足したら面白いかも

そんなことはしょっちゅうです。

一方で、制作ペースを保つにはボリュームを増やし過ぎないことが重要。

本当に表現したいことにまず注力すべきです。

ドット絵『貪欲の王』なら

  • 追うアブノーマリティと逃げる職員
  • アブノーマリティ胴体の模様
  • スクロールする廊下

が描きたいメイン要素。

思い付いたアイディアがメイン要素のクオリティ向上にどのくらい寄与するのか、ちゃんと考えるようにしました。

採用見送りの基準は?

思い付いた案を全て反映したいのが本音です。

要素が増えるほど、ある意味で「凝った」作品になるのは間違いありません。

アイディアがあるのに反映しないと完成を急いで妥協した気分になってモヤモヤします。

しかし、要素を増やし過ぎると作品が持つ見せ場がぼやけると分かってきました。

継続的にドット絵を描くなら作品ごとに趣向を変えたいこともあり、1作品で盛り過ぎると次作が二番煎じになる可能性が高くなります。

そこで、制作中に新しいアイディアが浮かんだ場合、以下の基準で「採用しない」判断を下すようにしました。

  • メイン要素のクオリティを向上させるなら、採用。
  • メイン要素と直接絡まないなら、不採用。
  • 他作品のメイン要素になり得るなら、不採用。

例えば貪欲の王のパーツを動かすのは、「職員を追うアブノーマリティ」のクオリティを向上させる要素。

もし脚や腕、しっぽのアニメーションで不十分と感じたなら動かす部位を増やしていたでしょう。

一方でボツにした赤色点滅の演出は、メイン要素のいずれにも直接影響しません。

「非常事態の雰囲気」を前面に出す作品にしていたなら採用の余地がありましたが。

過去に制作した『血の風呂』ではまさに雰囲気づくりのために画面を点滅させています。

メイン要素に直接関係せず、すでに使ったことがある演出をわざわざ採用する必要性を感じませんでした。

細かいところでは

  • 貪欲の王のカラーリングをそのまま見せたい。
  • 複数パレットで実現するとアニメーション枚数とファイルサイズが増加するデメリットがあった。

という点も不採用の理由です。

繰り返しになりますが、アイディアを全て反映したいのが私の本音。

不採用の判断を下すのは我慢に近い感情で、いまだに釈然としません。

ただ、ブログに貼り付けておけばボツになったアイディアでも日の目を見るので、こういった媒体を立ち上げてよかったなあとつくづく思っています。

もったいない病を発症していないか

思い付き以外でもう一つ、ドット絵を描いているときの悩みの種があります。

ずばり「もったいない病」です。

先ほど「貪欲の王のカラーリングをそのまま見せたい。」という理由を挙げました。

これを言い換えると「キャラクターをいい色で塗れたから、赤く変色させて本来の色が見えなくなるのはもったいない」になります。

私はこれが非常に多いです。

クオリティが向上する選択肢が実はあったのに、惜しさのあまり目を背けている可能性があります。

そういう思考とうまく付き合いながら、作品の質向上を第一に物事を判断したいですね。

今回の記事はいかがでしたか。

作品に取り入れるアイディア量が気分で変わってしまうのは大問題だと思うので、ビシッと線引きできるようになりたいです。

ブログ立ち上げ当初と比べると格段に取捨選択できているとは思いますが……。

これからも修練あるのみですね。

最後に、いつも通り等倍のドット絵を置いておきます。

次の記事でお会いしましょう。

『貪欲の王』等倍

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