ドット絵

【AA】過去作の発掘回2!ファンタジー風にアレンジしたモナーたちのドット絵

今週も過去作の発掘を行います。

2006年後半から2010年頃にかけてのドット絵を公開。

振り返ると、ドット絵が最も上達し今の土台が完成した時期です。

色、特に中間色への考え方がほぼ固まりました。

ドット絵の変化について後半記事にまとめているので、駆け出しドッターの約3年間の成長記録として、ぜひご覧ください。

ファンタジー風の衣装に身を包んだAA(アスキーアート)のドット絵

『AAファンタジー』A
『AAファンタジー』B

タイトル:『AAファンタジー』

制作時期:2006年~2010年

元々はゲーム用の素材として制作していたドット絵です。

ゲーム制作を断念しお蔵入りにしていたものの、このたびgifアニメーションに再利用。

出来の良い後期のドット絵かつ、モンスターグラフィックと歩行グラフィックがセットで完成しているものを抜粋しました。

2006年頃は「フリーゲーム」がはやっていた時期。

ゲーム制作エンジンで特に人気だったのが「RPGツクール2000」です。

一発ネタから手の込んだものまでさまざまなゲームが作られました。

この流れの中で私もゲーム制作に興味を持ち、(開始して間もない)ドット絵のスキルも生かしたいと考えます。

当時はAA(アスキーアート)のストーリーにはまっていたため、AAキャラクターを登場させる物語を計画し、ドット絵素材の作成に着手しました。

結局はドット絵を描いて満足してしまい、ゲーム完成まで至りませんでしたが……。

AA(アスキーアート)

アスキーアート(以降、AAと省略)をご存じでしょうか。

一昔前のネット掲示板でよく使われた文字アートです。

AAの例

最近ではほぼ見かけません。

AAの中でもキャラクター性のあるものを選択し、ゲームの世界観に合わせてファンタジー風にアレンジしたドット絵を描いていました。

元AAとセットで紹介していきます。

モナー

モナードット絵

ゲームの主人公として制作。

テーマカラーは緑。

冒険者をイメージした服装にしています。

元AAはこちら。

モナーAA

ギコ(ギコ猫)

ギコドット絵

主人公パーティーの一人として制作。

テーマカラーは赤。

竹を割ったような性格で描かれることが多いギコは、職業を格闘家に設定。

元AAはこちら。

ギコAA

モララー

モララードット絵

主人公パーティーの一人として制作。

テーマカラーは青。

冷静な頭脳派ポジションを想定していました。

職業は強化魔法使い。

元AAはこちら。

モララーAA

しぃ

しぃドット絵

主人公パーティーの一人として制作。

テーマカラーはピンク。

職業はヒーラーです。

パーティーの紅一点なので短絡的に決めました

元AAはこちら。

しぃAA

おにぎり

おにぎりドット絵

ダンサーの剣士。

元AAが踊り好きなのが職業の由来。

おにぎりAA

マララー

マララードット絵

鎖帷子を装着した戦士。

元AAの起源がアレなので、外見が下品になり過ぎないようにするのが大変でした。

マララーAA

サカーナ

サカーナドット絵

海賊。

元AAから職業をすんなり連想できる稀なケースでした。

サカーナAA

こだわりポイント

全てのデザインを自分で考えたことがアピールポイントです。

AAは基本的に裸。

登場するAAに何らかの職業を設定しつつ、見合う服装を考えてドット絵を描きました。

そういった理由で本記事にはオリジナルタグをつけています。

ドット絵の一例

描いたキャラの職業バランスにも気を配りました。

鎧を身にまとった兵士や戦士、剣士といった近接戦闘職が主流。

そこに超能力者や魔法使い、遠距離武器のような希少スキル持ちがポツポツ存在する世界観を想定しています。

近接キャラ
特殊キャラ

希少人材が必ずしも強大なわけではなく、屈強な前衛あっての後衛というバランス感覚での描き込みを心掛けています。

約3年間のドット絵の変遷

前半記事のドット絵を見てクオリティに差があると気が付いた方は鋭いです。

約3年間ドット絵を描き続けたのですから、技術の向上に伴って初期と後期で質が大きく違っています。

初期のドット絵と後期のドット絵の比較画像

私がドット絵を開始したのは2005年もしくは2006年。

つまり初期絵を描いた時点のドット絵歴は長くても1年程度です。

その状態から何を思いどのくらい腕を上げたのか、3年間のドット絵を時系列順に追いながら内容を振り返ってみます。

ぜひ最後までお付き合いください。

最初期のドット絵

真っ先に描いたAAが何だったか、今でも覚えています。

有名ゲーム『ドラゴンクエスト』の「あらくれ」のAAでした。

最初のAAドット絵

出来に満足しつつも「なんかもっさりしているな」と思っていました。

今見ればお粗末なドット絵ですし、もっさり感の理由も明らか。

ジャギを恐れて中間色をいたずらに増やした結果、色のメリハリがなくなった上でモアレが発生しています

モアレとは、配置したドットの角が揃うことでしま模様のように見える現象です。

グラデーション部分でよく発生し、ドット絵が汚く見える原因になります。

モアレの例

例えば赤枠内ですね。

あえて例を示しましたが、このドット絵はモアレだらけです。

ただ、当時の私は原因に気がつきません。

「なかなかうまく描けたが、なんかもっさりしている。」

こんな漠然とした振り返りだけ行って次に進んでいきます。

よく分からないけどとりあえずドット絵を描く

腕前はすぐに上がりませんから、あらくれのクオリティでドット絵を制作していきます。

初期ドット絵の例

最初のドット絵から2か月~3か月間、技術面では特に目立った上達もなかったわけですね。

この時期のドット絵のほとんどは後でリメイクされています。

一見すると虚無期間ですがドット絵には確実に慣れていきますし、制作で思うところは増えていきます。

絶対に無駄ではなかったと断言します。

いよいよ来たターニングポイント

いつものようにドット絵を描いたときのこと。

ターニングポイントのドット絵

「あれ?なんか良くない?」

鎧に注目してください。

青色に置いた白色(ハイライト)によって金属感がよく出ています。

鎧のアップ画像

「金属には白色を大胆に使っていいのか。」

ジャギを防ぐために大きな色差をつけてこなかった私が、色使いでちょっとした学びを得ました。

気付きの実践を試みる

「金属には強気に白色を使う方法」を積極的に適用してドット絵を描いていきます。

気付きを得た後のドット絵

上の画像では左側キャラクターの肩パッドにわざわざ金属をあしらい、うまく描ける個所を増やそうとしているのが分かりますね。

肩のアップ画像

今見ると控えめに言って下手ですが当時は大満足の仕上がり。

これではキャラクターの金属部位が少な過ぎると判断し、次は成功事例と同じような全身鎧のキャラを描くことにします。

全身鎧のキャラのドット絵

赤という色が難しかったのか、そもそもデッサンが狂っているからか、青色鎧ほどの手ごたえはなかったものの「やっぱりいけそうだ」という感想を持ちました。

成功事例の展開

比較的うまく描ける(気がする)金属鎧にターゲットを定め、ドット絵を描いていきます。

鎧系のキャラクター

金属に慣れてきた様子がうかがえます。

金属のハイライトには強気に白色を使う、つまり強気に色差をつけようと心掛けていたのは、すでに述べた通りです。

そういう描き方ばかりしているものですから、金属以外の部位に対しても手なりで色差をつけるように。

そこで再び気が付きます。

「金属以外も色差があった方が見栄えがいいのでは?」

いよいよ後期のドット絵に突入

色差をつけるということは中間色が減る分、色数が削減されるということ。

従来は同系色で7色使って塗っていたのですが、広い部位(メインカラー)でも最大5色までという基本ルールを決めて色作りを行いました。

ここから「色数を絞った方が見栄えがよい」という思想でドット絵を描いていきます。

『AAファンタジー』に採用した「後期ドット絵」の誕生です!

後期ドット絵の例

この時期になると現在の私基準でも「下手」と無下に扱えない水準のドット絵がたくさん出てきます。

クオリティにはムラがあったものの、(自称)成功作・失敗作を生み出しながら数をこなしていきました。

後期ドット絵の例2

そして、ゲーム制作を断念する直前のドット絵がこちら。

最後のドット絵1
最後のドット絵2

この中には初期~中期のドット絵をリメイクしたものがいくつかあります。

比較してみましょう。

比較画像1
比較画像2

どうですか。

リメイクしたドット絵の方が色にメリハリがあり、洗練されていると思いませんか?

使用色の数も比べてみます。

上のドット絵から順に並べました。

旧バージョン新バージョン
47色25色
55色23色
46色23色
78色32色

ほとんどのドット絵で色数が半分以下になっていますが、クオリティは半減どころか向上しています。

3年間で色のやりくりがうまくなったといえるでしょう。

今でも過剰な色を省く考え方でドット絵を描いています。

継続は力なり

3年間で感じたのは、PDCA(計画・実行・評価・改善)の意識が曖昧でも継続していれば自然と上達に向かっていくということです。

何も考えず作品を作る人はさすがにいません。

原因がつかめないまでも「なんかうまくいった」「前作よりクオリティが下がった」など質について思うところは必ずあるでしょう。

繰り返しやっていると仮説なりルールなりが見えてくるものです。

技術面で停滞を感じている方は、「発見待ち」でとりあえず手を動かしてみてはいかがでしょうか。

AAのドット絵制作で私が得た一番大きな経験は、「マイペースでも描いていれば少しずつうまくなるだろう」という楽観的な感覚かもしれません。

それでは、ここでお別れです。

また次の記事で!

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