今回は同人ゲーム『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』のドット絵です。
制作2回目になるタイトルで、初作はダウンロードコンテンツのボスにフォーカス。
出来には満足していたもののキャラクタードット絵の特性上、ゲーム自体の雰囲気は伝わりにくかったのではないでしょうか。
次はBLACKSOULSらしさをもっと感じられるドット絵を作り上げようと、構想を練ってきました。
どうぞ見ていってください。
興味を持ったらゲームプレイもぜひ。
DLsiteで配信されています。
本記事およびドット絵にゲーム『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』のネタバレ・考察を含みます。
未プレイの方はご注意ください。
サークル「イニミニマニモ?」さん製作のダークメルヘンファンタジーRPG『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』のドット絵
タイトル:『BLACKSOULS』
制作時間:54.4時間
『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』はサークル「イニミニマニモ?」さんが製作したダークメルヘンファンタジーRPG。
ダークソウルシリーズをオマージュしている高難易度の死にゲーとなっています。
エロ要素ありですが非表示設定が可能。
ストーリーの導入部は以下の通りです。
むかしむかしの古い時代。
深い霧に包まれた国、ロストエンパイア。
霧は人間を恐ろしい獣へと変え、世界を絶望で染めていきました。
絶えず起こる戦火の渦。
名声を求め、名乗り上げる勇者たち。
お城の舞踏会を夢見る娼婦。
秘密の花園に隠された秘宝。誰もが集い、そして消えていった。
貴方はそんな場所で目覚める、名も無き一人の不死者。
この最悪の物語の主人公として、貴方は何を見、何を得ることができるでしょうか?願わくば貴方が、最悪の結末を迎えぬよう…。
BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫- 紹介用スクリーンショットより
ざっくり説明するなら「残酷に改変された童話世界を冒険する物語」。
仲間のほとんどはグリム童話に登場するキャラクターです。
「童話の登場人物」というのがキーになっていて、ラストではBLACKSOULSを象徴するといっても過言でない決断を迫られます。
そこから黒幕の正体判明までの展開は圧巻。
プレイ予定の方は初見を貫いていただきたい作品です。
BLACKSOULSのヒロインたち
仲間のほとんどはグリム童話ゆかりの人物。
戦闘中に召喚して一緒に戦うシステムになっています。
ドット絵の左から順に紹介しましょう。
マッチ売りのエルマ
マッチという名前の薬を売って生計を立てている少女。
BLを好む一面あり。
時限式の死亡条件があるので初見プレイで生存させるのは難しいかもしれません。
状態異常を付与する特技が多めで、RPG上級者向けの性能となっています。
聖騎士ジャンヌ
獣化の異変を解決すべく異国からやってきた聖騎士。
ゲーム冒頭でいきなり焼け死んでプレイヤーにこのゲームが何たるかを教えてくれます。
高耐久・防御系スキル持ちでタンク役に落ち着くでしょうか。
攻撃が最大の防御といえるBLACKSOULSにおいては不遇ポジションかも。
聖女カタリナ
異国からやってきた高名な聖女。
ゲームのカルマシステムと連動していて、プレイヤーが罪を犯し過ぎると自害してしまいます。
ジャンヌとも面識あり。
役割はヒーラーですが攻撃が最大の防御といえるBLACKSOULSでは(略)
メイドのヴィクトリア
娼婦街の領主に仕えていたメイド。
サキュバスの血を引いているため性行為で理性が飛びます。
ゲーム中に絞り殺されるのはさすがに……w
お茶による回復や毒攻撃が得意です。
前の主人にも盛っていたのか?
魔女ドロシー
森に住む魔女。
元々は男でしたが魔法を極める過程で女性に転生したとのこと。
性能面は魔法特化のアタッカー。
圧倒的火力とキャラクター人気が合わさって起用率が高いように思います。
富鳥グース
金持ちから金品を盗んでは貧者に分配する義賊活動を行う鳥人。
銀行の役割を買って出ますがお金を預けたとたん逃亡します。
仲間になるまでは少額預金にとどめるのが熟練プレイヤーのたしなみ。
ドロップ率を向上させるスキルを持っているのが特徴的です。
黒の断罪者ミランダ
「黒の裁判」メンバー、つまりこの人の部下です。
自分を倒した相手に従う信条で、組織への忠誠心は高くない模様。
出会う条件がやたら厳しいため自力で発見した人はすごい。
ゲーム内にヒントとかあったのかな?
特技・魔法をほとんど習得せずフィジカルだけで戦う戦闘狂。
魂の貴婦人エリザベート
いつの間にか拠点にいる貴婦人。
未亡人らしく夫の指輪を大切にしています。
おしとやかに見えますが言動から察するに相当危ない素性。
販売品も出所が怪しいドーピングアイテムです。
呪い・暗黒属性が多めの高火力アタッカー。
紅ずきん
オオカミと一緒に行動している少女。
感情の起伏が小さく不感症。
それゆえか痴女ファッションを涼しい顔で着こなします。
サークル「イニミニマニモ?」さんの前作主人公であり物語の核心を知って動いている様子。
特定の属性に寄らずに、強力なスキルをバランスよく詰め合わせた性能をしています。
ドット絵の説明
この作品は『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』というゲームタイトルにフォーカスしたドット絵です。
主要キャラクターである仲間ヒロインを並べてタイトルを表示。
人形劇の舞台を連想させる雰囲気に仕上げました。
前半は穏やかな時間。
キャラクターの顔見せを兼ねています。
後半からは世界の本質へ。
黒幕によって改変された結末にシーン移行します。
ヒロインたちの最期
個別エンディング(トゥルー版)で描かれる各ヒロインの最期を再現。
ハッピーエンドになるはずの物語は何者かの手によって改変されました。
殺して、犯して、だまされて、裏切られて、救いようのない結末を迎えます。
キャラクターの並びはゲーム内の回想部屋と同じ順番。
エンディングを視聴し直せる場所であることから紐づけてみました。
不思議の国の図書室
背景は重要ロケーションである「不思議の国」の図書室。
始まりの場所であるとともに物語ラストへの突入口でもあります。
本棚が「童話」を示唆する効果も期待してドット絵に採用。
ものすごい笑顔の「あいつ」
ゲームをプレイしていて気になるのは世界をこんな風に変えた犯人でしょう。
後半パートには割れた空間からのぞく黒幕の笑顔を挿入しています。
世界の外から自分が作った物語を鑑賞している様子を表現。
やつの性格を考えると、人が無残に死んでいくたびに裏で噴き出していたんだろうなあ……。
[制作記事]3DCGソフト「Blender」を導入してみました
私にはパースの知識がありません。
パースが必要になった時に制作と並行しながら勉強していますが、それだと大したクオリティを出せないのが実情です。
「なんかおかしい」→修正 を繰り返すので時間もかかるんですよね。
いっそのこと立体物を作った方が早いのでは?
そう考えて3DCGソフト「Blender」を使ってみました。
今回制作したBLACKSOULSのドット絵が初の適用例になります。
作成した3Dモデル
ここでBlenderの使い方を説明するつもりはないので、さっそく出力した画像をお見せしましょう。
これです(ドンッ!)
ゼロの状態からいくつかのチュートリアルをこなし基本操作を覚えつつ、5、6時間くらいでおおよその形状を再現できるまでに。
本棚などのオブジェクトも制作手順の動画がたくさん存在するので、思ったよりずっと簡単でした。
画像はカメラ視点ですがドット絵にしたい範囲が画面に収まらなかったため、スクリーンショットで保存(笑)。
描きたい構図に収まるモデルを作れるのも技量ですね。
必要なパースだけをドット絵に残す
3Dモデルの画像が出来たらドット絵に落とし込むだけです。
トレースで輪郭線を取りつつ面を塗りつぶせばいいでしょう。
ここでのコツはドットを整理する過程で不要なパースを取り除くことだと思います。
今回の図書室では奥行きのパースは残しつつ、縦・横方向のドットを直線にならしました。
つまりX・Y軸のパースを殺しているのです。
パースを取り入れたいからモデルを作ったのに除去するなんて矛盾のように感じるかもしれませんが、ドット絵にある程度のだましはつきもの。
むしろだました方がドット絵らしくなります。
今回欲しかったのはあくまで奥行き。
重要度の低いパースを取り除けば、代わりにきれいな並びのドット(=直線)を得られます。
クオリティ向上や作業難易度の低下につながるでしょう。
3Dモデルはあくまでただの目安として割り切った方がいいと思います。
他にも、ドット絵に置き換えるにあたって以下を修正。
- 椅子の向きを真正面から見た配置に変更。位置も等間隔に調整。
- 部屋を左右対称に変更。
正面から見たバランスを整えました。
完成した3Dモデルは使い捨てレベル
3D制作までできてすごい!と勘違いされる方がいるかもしれませんが、今回私が作ったモデルは使い捨てレベルです。
トレース用の下地くらいにしか使えません。
ディティールが不足しているのはもちろんですが、内部的にも問題ばかりでした。
例えば部屋の内側。
制作の過程で面判定がなくなっているので、内側の壁に追加の加工ができなくなっています。
3Dモデルとして拡張性がないのです。
天井も無理に変形したしわ寄せでガタガタ。
形を作れる=モデルを作れる、ではないようです。
カメラすら満足に使えませんでしたしね。
Blenderを導入する計画は前々からありました。
ブログを不定期更新に切り替えたことで挑戦するゆとりが生まれたと思います。
下地用モデルなら雑な作りで問題なかったため、モデル作成に時間を取られ過ぎる心配もないように感じました。
これならばキャラクターに適用するのも視野に入りそうです。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。