予告通り、前回に引き続きホラー関連のドット絵を公開します。

今回の題材は、黒沢清監督の短編ホラー『木霊』。

黒沢作品はホラー好きの間で評価の高い作品がそろっています。

実は過去にもドット絵を描かせていただきました。

こちらの記事です。

興味を持ちましたら、ぜひ原作の方も見てみてくださいね。

黒沢清監督が手掛けた本格ホラー短編『木霊』

『木霊』

タイトル:『木霊』

制作時間:20.3時間

『木霊』は『学校の怪談G』に収録されている、黒沢清監督のホラー短編です。

透視能力を持つ主人公・和美の力を試そうと、放課後に集まった学生たちが、謎の怪異に襲われる物語。

和美は校内の図面を見ながら同級生の隠れ場所を特定していきますが、その途中で明らかに人ではない存在を検知します。

その何者かは校内を移動し、学生たちの居場所を順番に訪れていくのです。

図面を使った透視能力の映像表現

主人公の能力をテストするにあたり、不正を防ぐため、隠れた同級生の位置を校内の図面に書き込んでいく方法がとられます。

その過程で学生でも教師でもない謎の存在に気付くわけですが、その怪異の動きが、主人公の透視能力を通した視点で描かれるのが特徴的です。

怪異は図面上に黒点で示され、同級生の名前が書き込まれた教室へ向かって、じわじわと進んでいきます。

映像を再現した画像(アニメーション)

これがまた不気味です。

おそらく制作費も限られていたであろうなかで、こうした演出を思いつく監督の手腕には脱帽しました。

樹木のような正体不明の怪異「木霊」

木霊のドット絵(アニメーション)

『木霊』に登場する怪異。

劇中で正式な名称が語られるわけではないため、本記事ではタイトルに合わせて「木霊」と呼ばせていただきます。

外見は枝に覆われた男のような姿。

木霊が近づいた場所が木陰になったり、コンピューター室に木が生えたりと、樹木に関連した超常現象が多く描かれるため、タイトル通り樹木に宿る霊のような存在なのかもしれません。

最後まで正体は明かされませんが、学校に現れた理由についてはある程度読み取れる作りになっています。

呼び出すことはできても、完全に制御できる存在ではなかったのでしょう。

不気味さを残したまま、物語は幕を閉じます。

『木霊』の演出をドット絵で再構成する

『木霊』静止画

このドット絵は、ホラー短編『木霊』のファンアートです。

作中で最初の犠牲者となる有賀くんが、大教室に隠れている場面をモチーフにしています。

和美の透視能力によって位置を把握された後、そこへ木霊が近づいてくる――そんな緊張感のある瞬間を切り取りました。

図面+ゲーム風トップビューのデザイン

視聴者に強い印象を残した「校内図面」を使った演出。

これを作品全体のデザインの軸にしています。

図面を土台に、ゲーム風のトップビューグラフィックを組み合わせました。

まずは劇中で学生が自作したシンプルな図面を作画。

校内図面のドット絵

そこから大教室部分を詳細化し、『ゼルダの伝説』風のトップビューに仕上げています。

教室内を描き込んだドット絵

図面で終わらせず教室内部まで描き込んだのは、「和美本人には視聴者が見ている以上の鮮明な光景が見えている」という解釈に基づいています。

歩行グラフィック風のキャラクター

全体のビジュアルをゲーム寄りにしたことに合わせて、登場人物も歩行グラフィック風に作画しました。

キャラクターのドット絵

図面上を移動する黒点のイメージを残したかったため、木霊は完全な人型ではなく、やや丸みのあるデザインにしています。

木霊のドット絵(アニメーション)

インクの滲みを再現したところが、個人的なこだわりポイントです。

[制作メモ]手描き半透明の代わりにEdge3を使ってみた

私が愛用しているドット絵エディタ「EDGE2」の後継ソフト「Edge3」は、現在アーリーアクセス中。

普段使っている機能が実装されていないため、現状はEDGE2をメインで使っています。

ただ、Edge3で改善された機能もあり、その一つが不透明度設定です。

今回のドット絵では、Edge3を部分的に使って作業の効率化を試してみました。

EDGE2は不透明度を設定した画像を出力できない

EDGE2にも不透明度の設定は実装されています。

不透明度を設定した画像を重ねることで照明や影等の半透明を表現できるため、使いこなせるとかなり便利です。

EDGE2の透明度設定

しかし、EDGE2ではプレビューで見栄えを確認できても、その状態を画像やアニメーションとして出力することができません。

半透明に関して、完成イメージのチェック以上のことができないのです。

そのため私は、半透明表現が必要な場合、疑似的な画像を手描きで作っていました。

疑似的な半透明画像

下層に変更が入るとこの画像も直さなければならない、非効率な手法です。

Edge3ではプレビュー通りに出力できる

Edge3ではついに、不透明度を設定した画像やアニメーションを、そのまま出力できるようになりました。

半透明表現が加わると画像全体の色数は増えますが、カラーパレットの範囲内であれば、色をしっかり再現したまま出力できます。

Edge3のエクスポート画面

インデックスカラーで色数が超過した場合でも、自動で減色処理を行ったうえで出力できるそうです。

手描き半透明の代わりにEdge3を使う

Edge3で制作の幅が広がったことは分かりました。

ただ、既存機能の都合で制作の大部分はEDGE2で進める必要があります。

そこで今回は、「疑似的な半透明画像を作る工程」だけEdge3を使うことにしました。

まず、重ね合わせる2枚の画像を用意します。

重ね合わせる画像

これをEdge3で不透明度を設定しながら重ねると、以下の画像が得られます。

(EDGE2ではこの出力ができません!)

Edge3で出力した画像

最後に、不要な部分をマスクで切り抜けば完成です。

マスクを使っての切り抜きを説明する画像

今回は机が並ぶ教室の広範囲に影を重ねる必要があり、これを手描きで作っていたら相当な手間になっていたでしょう。

Edge3を試しながら、実際にどこで優位性があるのか確認できた良い機会でした。

全くの別件で恐縮ですが、『マジック:ザ・ギャザリング』から『Stardew Valley』とのコラボカードが発表されました。

これまでも『Fallout』や『Final Fantasy』など、なじみのあるIPとのコラボはあったのですが、ナンバリングタイトルを全て遊んだわけではないので、知らないネタもかなり多かったんですよね。

その点、『Stardew Valley』はプレイしたのが最近ということもあって、カードに込められたフレーバーが全て分かる。

いやあ、これは久しぶりに燃えてきます。

しかも同時に発表された初音ミク関連製品の方が、プレイヤーから本命と見られている印象。

注目がそちらに集まっているうちに、うまく購入できればいいのですが。

人気製品は予約戦争になることも多いですし、そもそも国内ECサイトで取り扱われるのかも少し心配です。

……買えますかね?

それでは今回はここまで。

次の記事でお会いしましょう。

いつも最後に掲載している等倍のドット絵は、冒頭に掲載済みです。

元のサイズが大きいことから、今回は2倍拡大版がありません。