私は描きたいものを描きたいときに描くスタンスでドット絵を制作しています。
気分で選ばれた題材の中から偏りを発見するのがひそかな楽しみだったりします。
やはり現在進行形で触れているタイトルの方が、思い出のタイトルよりも描く機会が多いですね。
数年後に見返したとき、夢中になっていたものを振り返れそうです。
インディーゲーム『Lobotomy Corporation』はちょこちょこ描いてきたタイトル。
ドット絵もまとまった数になってきています。
まだまだ遠い道のりとはいえ、全アブノーマリティのコンプリートを意識せずにはいられません。
ということで、今回は『Lobotomy Corporation』のドット絵。
制覇に向けて一歩ずつ進んでいきますよ。
『Lobotomy Corporation』から初期配置アブノーマリティ「たった一つの罪と何百もの善」のドット絵
タイトル:『たった一つの罪と何百もの善』
制作時間:14.9時間
「たった一つの罪と何百もの善」はゲーム開始直後に配置されるアブノーマリティ。
十字架に貫かれた状態で浮遊する巨大な頭蓋骨です。
名前が長いので「罪善」と略されている模様。
危険レベルは最も低いZAYINなので、最序盤の慣らしを想定されているのでしょう。
職員の精神力を回復させてくれるプラス能力まで持っています。
しかし、安全とされていても扱いを誤れば死者が出るのがLobotomy Corporation。
踏んではいけない地雷行動があるだろうと思いながらプレイしていたので、本当に無害な奴だと判明したときは衝撃でした。
アブノーマリティとは「従来の手法や現代科学では説明不能な異常存在」と定義されており、確かに必ずしも害悪である必要はありません。
このアブノーマリティの存在が世界観にいい味を出しています。
ちなみに、ゲームのバグで危険レベルWAWのアブノーマリティが初期配置されたことがあります。
リスタート後だったのでなんとかなったものの、そうでなかったら詰んでいました。
ドット絵『たった一つの罪と何百もの善』のデザイン
たった一つの罪と何百もの善が、懺悔する職員にいばらの冠を与えるシーンを描きました。
職員が作業を行うと、ギフトと呼ばれるいわば装備品をアブノーマリティから受け取ることがあります。
そのシーンをイメージしました。
このアブノーマリティからギフトを貰える確率はそこそこ高いので、職員全員が茨の冠を装着している状況がよく発生します。
収容室のデザイン
コントロールチームが管理する収容室を背景にしました。
たった一つの罪と何百もの善は最初に配置されるアブノーマリティなので、配置される部門はおのずとコントロールチームになります。
別部門に配置されるケースもあるにはあるんですが、例外ということで。
前作もコントロールチームだったので、次は別部門を描いてみたいです。
こだわりポイント
懺悔する職員から涙が零れる演出を加えました。
白色で涙がキラリと光る表現を加えたのがミソ。
土下座で命乞いしているように見えないかが一番心配です。
このサイズのドット絵で解釈違いが発生するのは、表現力や画力の低さが要因の可能性が高いですからね……。
効率が悪いアニメーションをまた作ってしまった
本ブログでは「アニメーション制作をもっと効率的にしたい」「効率の悪い手法だった」という反省文めいた内容をしばしば書いています。
ドット絵『たった一つの罪と何百もの善』の後光は、「効率が悪い手法で作ったアニメーション」の典型例です。
内容と問題点を書き留めておこうと思います。
ドット絵『たった一つの罪と何百もの善』での手法
ドット絵『たった一つの罪と何百もの善』では点滅する背景の上に、円形でくり抜いた背景を重ねて後光を作りました。
上2つを重ねたものが下のアニメーションです。
こうすると後光を半透明にしたかのような表現が可能となります。
そもそも後光に不透明度を設定できればもっと簡単に作れるはずですが、EDGE2では不透明度を設定すると画像出力できないため、こんな方法を使っています。
画像の関連性が効率に直結
前述の手法でアニメーションを制作する場合、背景を真っ先に完成させなければなりません。
背景画像を加工して、色違いの画像・穴の開いた画像を作っていきます。
すでにお気づきの方も多いでしょう。
この手法では、加工画像がベース画像と関連性を持ってしまっています。
画像Aをもとに画像Bを作成するという順序性が、ドット絵の制作を非効率にしています。
画像が制作の順序性を持つことによるデメリット
画像が順序性を持ってしまった場合に発生する問題点を挙げていきたいと思います。
元画像の修正により他画像の修正が発生する
背景に修正を加えると他画像を作り直しになってしまうのが、この手法で最大のデメリットです。
例えば、背景画像の27を28に修正するとしましょう。
当然ですが、すでに作った加工画像は修正が反映されないまま。
修正した画像の色を改めて変更して、加工画像を作り直さなければなりません。
穴の開いた画像も同様です。
つまり加工に着手する時点で、今後修正が発生しないくらいにベース画像の完成度を高めておかないと、余計な作業が発生するリスクが高くなります。
私の場合、背景にもう手を加えないという不退転の覚悟で加工に移行します。
まあ、大抵は無駄な決意に終わるんですけどね。
修正内容をプレビューに反映しにくい
もう1つのデメリットは、背景画像を修正しながらアニメーションの変化を確認できないこと。
アニメーションで最終的に使用するのは背景画像をベースにして作った加工画像の方です。
ということは、「背景にオブジェクトを1つ増やして画面の混雑具合を見たい」なんて思っても、修正した画像で加工画像を作り直すまでは最終アニメーションに反映されません。
トライアンドエラーで制作を進める場合、かなり非効率になります。
手法のアップデートも大切
効率を改善するにはドット絵を描く技術と同時に、「制作する技術」を磨いていくのが重要だと考えています。
思い付くのは目的に合致したツールの導入でしょうか。
今回の例では、背景画像の上に後光エフェクトを半透明で重ねられれば先に挙げたデメリットが解消されると思います。
私がやってみた限りだとEDGE2でこれができません。
EDGE2で素材のドット絵を制作し、他ツールでアニメーションにまとめるのがいいのでしょう。
ただ、新しい手法を試すのはなかなかに気力が必要。
作業量で何とかなるなら、つい現状維持の側に倒れてしまいます。
難しいですね。
記事を書くと、何だかいつも同じようなことで悩んでいるような気がします。
まるで成長していない……ってやつでしょうか。
ドット絵を描くだけでカツカツになっているので、余力を残す工夫が必要なのかもしれませんね。
何事もマネジメントが大切だと気付かせてくれます。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
最後に等倍のドット絵でお別れです。
次の記事でお会いしましょう。