ドット絵

【Lobotomy Corporation】地上に舞い降りた天使、私たちの「キュートちゃん」のドット絵

時がたつのは早いもの。

6月23日をもって、ブログ開設から1年が経過しました。

週1回のペースで更新し続けられたのも大変喜ばしいことです。

まあ、特別何をすることもなく記念日は過ぎたんですけどね。

現在は毛色の違う記事を模索中です。

ドット絵に関する内容ならなんでも書いていきたいのはやまやまなのですが、作品数を減らしたくありません。

ブログの更新回数を増やすとドット絵の作業時間を圧迫し、維持するとドット絵記事の割合が下がる。

どちらにしても皆さんにお届けするドット絵が減ります。

制作ペースを上げるしかないのでしょうが今でもギリギリです。

悩ましい。

こちら側の話はここまでにしまして、今回のドット絵もぜひ見ていってください。

『Lobotomy Corporation』から職員に大人気「キュートちゃん」のドット絵

『キュートちゃん』

タイトル:『キュートちゃん』

制作時間:24.6時間

私たちの「キュートちゃん」はインディーゲーム『Lobotomy Corporation』に登場する、白い子犬の姿をしたアブノーマリティ。

ふわふわの体毛とつぶらな瞳を持ったかわいい天使のような存在です。

キュートちゃんの担当になった職員はとてもラッキー。

競争率が高いため、多くの場合は幸運な職員が抽選で選ばれます。

今日までアブノーマリティのドット絵をいくつも描いてきたのに、かわいいキュートちゃんをなぜ描かなかったのか自分でも不思議です。

すぐにお披露目したかったので本記事で公開しますが、最低でも5種類のドット絵を描くべきだったと反省しています。

そうでないと私たちのキュートちゃんのかわいさを表現できませんし、皆さんに伝わらないでしょう。

先走った自分が残念でなりません。

ドット絵『キュートちゃん』について

静止したドット絵

キュートちゃんが収容室から脱走して走り去るシーンをドット絵にしてみました。

アブノーマリティの脱走手段を想像するのもLobotomy Corporationを描く楽しさの一つ。

キュートちゃんは子犬の姿をしていますが、脱走時には筋骨隆々の怪物に変貌します。

きっと物理攻撃で脱出を図るのでしょう。

担当職員を殺害してドアを破壊、廊下に出てそのまま奥へ。

ドアを閉めて冒頭にループという流れのアニメーションを構築しました。

そして、背景は情報チーム担当エリア。

コントロールチーム担当エリアばかりを描いていた反省と、キュートちゃんに初遭遇したのが情報チームだった思い出をもとに決定しました。

キュートちゃんの模様

キュートちゃんのドット絵

キュートちゃんは魔法陣のような模様を持っていると説明されています。

脱走時、両肩に模様を確認できますね。

アブノーマリティゆえに断定はできませんが、私はこの模様を入れ墨だと解釈しています。

子犬状態から入れ墨マッチョに変化するギャップを狙ったデザインではないかなと。

もっと複雑な意匠のところを、解像度の都合でデフォルメしました。

無理に描き込むと汚くなって模様を判別できなくなるので。

ハートマークだったり三角形だったり、いろいろと省略しています

こだわりポイント

背景と職員のドット絵

本日の犠牲者枠

キュートちゃんにワンパンされて命を落とした職員を描きました。

キュートちゃんには洗脳能力があるようで、近づいたほとんどの職員はかわいさに魅了されてキュートちゃんへの警戒を解いてしまいます。

殺された本人はキュートちゃんが自分に危害を加えると夢にも思っていなかったでしょうし、死してなお、キュートちゃんが天使であることを疑っていないでしょう。

ロボトミー社に勤務する職員の中では幸せな死に方なのかもしれません。

きれいなドット絵は線選びから

「ドット絵初心者が選ぶべき題材は?」と私が聞かれたら、

真正面を向いたキャラクターを描くべし

と答えるでしょう。

比較的簡単に描けるからです。

真正面を向いたキャラクターとは、RPGのキャラクターが下方向に移動する歩行グラフィックを想像していただければ分かりやすいと思います。

棒立ちポーズかつ左右対称だとベター

歩行グラフィック風の画像

ドット絵『キュートちゃん』が説明にちょうどよい題材だと思ったので、今回のテーマに取り上げてみます。

正面向きのドット絵が簡単な理由は?

そもそも、私がなぜ正面向きのドット絵を簡単だと思っているのか?

それは正面向きの方が、きれいな線で構成されやすいと考えているからです

最も分かりやすいのが直線です。

下画像はきれいな45度の線。

きれいな線の例

題材がナナメ方向を向く、アオリやフカン構図になる、ポーズをとるなどすると、ゆがんだ線を使わざるを得なくなってきます

ゆがんだ線の例

この直線は1ドット、1ドット、2ドット、1ドット……と規則正しく並んではいますが、前の直線よりもガタついているのが分かりますよね。

初心者はガタつきを色でリカバリーする技術(ジャギ消しなど)に慣れていません。

ガタつきを放置したままにする、あるいは処理を失敗すると汚いドット絵につながります。

それならばきれいな線で構成しやすい正面向きを選択して技術不足を補うのが良い、というのが私の考えです。

むしろ上級者ほど、汚い線を避けるように計算しながらドットを置いている気がします。

ドアのドット絵で見比べてみる

実際に見比べてみましょう。

比較対象はドット絵『キュートちゃん』背景のドアです。

まずは正面向き。

正面向きのドアの画像

次に、破られたドア。

破られたドアの画像

破られたドアの方がドットが全体的にガタついて見えるのではないでしょうか。

正面向きドアにあったシャープさもありません。

一方の正面向きドアは円形部分を除いてジャギ消しなど使っていませんが、スッキリして見えると思いませんか?

どちらも全く同じ色を使っています。

破られたドアではボコボコにへこんだ表現のためにゆがんだ線を多く使い、アオリ・フカン表現、傾きを追加しているので直線にも角度をつけました。

線の違いによってジャギ消しなど補助的なドットを置く量が変わり、それによってドット絵全体の印象が変わっています。

選ぶべき線とは?

ドット絵の定石に「ドットを規則正しく並べる」というものがあります。

直線においてはこの一言だと不十分。

真に目指すべきは、同数のドットを規則正しく並べた直線だと考えています。

きれいな直線の例

例えば左側は1ドットを並べた直線、右側は2ドットを並べた直線です(2ドットの方は端が切れて1ドットになっていますが)。

垂直・水平に引いた線もこれに含まれます。

垂直に引いた線の画像

一方、下画像のような線は規則正しくドットが並んでいても、先ほどの直線には美しさで一歩劣ります。

規則正しくドットが並ぶがきれいではない線

左は1ドットと2ドットの順番、右は1ドット、1ドット、2ドットの順番で規則性はあるものの、ドット数の切り替わり部分でジャギが目立っています。

うまくジャギ消しできたとしてもぼやけが発生し、線からシャープさが失われてしまいます。

どうやって線を選ぶのか?

慣れてくると、よりきれいに見えるようにドットを配置できないか考えながら描くようになってきます。

おそらくはドッターさんの癖が出る部分でしょう。

パターンが多岐にわたることから全てを説明できないので、直線の一例を示します。

あくまで私の考え方なのでご了承を。

長物武器を持ったキャラクターを描きたいとします。

長物武器を持ったキャラクターのラフ

注目すべきは直線、すなわち武器の柄。

ラフに近づけるようにドットを整理するとこうなります。

直線のドットを整理した画像

ドットが規則正しく並んではいますが1ドットと2ドットが入り混じった直線のため、ドット数の変わり目がギザついて見えます。

そこで、2ドットのみで構成された直線に変更します。

持ち手が不自然になってしまったら手首や腕の角度を調整しましょう。

直線のドットの並びを変更した画像

先ほどよりきれいに見えないでしょうか。

2枚の画像を重ねてみます。

武器を重ねた画像

武器の角度こそ変わったものの、キャラクターや武器の特徴は元のままなので題材そのものへの影響は軽微です。

題材は全く変わっていないのに、少しの変更で見た目のきれいさが違ってくるのです。

もっと言うなら塗りの難易度も変わります。

目立つ個所をきれいなドット配置に変更しつつ、手首などの調整しやすい部位で帳尻を合わせる。

こういった工程を繰り返すことでドット絵がスッキリ仕上がります。

下絵に従うよりもドットの収まりの良さを優先する勇気を持ちましょう。

線選びは私も意識している、お勧めの練習観点です。

慣れてくるとジャギ消しドットの置き方までイメージして線を選択できるようになります。

ドット絵を描いているとたまに完成する「傑作」から得られた成功体験が、線のきれい・汚いを判別する基準になっている印象でしょうか。

こう考えると、初めのうちは上達よりも作業量による慣れを意識した方が効率的かもしれませんね。

最後に等倍のドット絵でお別れです。

次の記事でお会いしましょう。

『キュートちゃん』等倍

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