ドット絵に限らず、公開後になって制作物のミスに気が付くというのはよく聞く話です。
作業中は視野が狭くなっているのか意外と見落としてしまうもの。
私は作業を一旦中断し、時間を空けてから見直すようにしています。
気分転換した頭で確認するとミスを見付けやすい印象です。
しかしそれでも見逃しがあるのが現実。
本ブログのドット絵でもすでに3件を検出しました。
そこで今回はドット絵の失敗エピソードをまとめます。
クオリティがあまりに低いドット絵はそもそもボツにしているので、技術部分についてはノーカウント。
注意すれば防止できたはずの事案に焦点を当てます。
なお、修正版の再投稿はしないつもりです。
ミスをした作品も私の歴史。
失敗をバネに成長できるよう頑張ります。
失敗1:パーツの描き漏らし
最初のやらかしは作画の漏れです。
個人的に一番致命的なミスでした。
ドット絵はデフォルメありきなので、意図的にパーツやデザインを省略することが確かにあります。
しかし本当に見落としたのがこの作品。
『御城プロジェクト:RE(城プロ)』の「帰雲城」のドット絵です。
公開日は2020年9月6日。
どこを描き漏らしたのかといいますと、帽子についている装飾品の一部です。
紐のようなパーツがありません。
原因は単純に資料の確認不足。
城プロには立ち絵、特技絵、大破絵にそれぞれイラストがあります。
特技絵は帽子の紐が見えません。
特技絵だけを見て最終チェックしたのでパーツ不足を検出できませんでした。
キャラクターのポーズによって隠れてしまうパーツがあることを踏まえて、全ての資料を確認すべきだったと思います。
不足パーツを追加するとこうなります。
これはあまりに致命的なので、帰雲城をモチーフにした作品をもう一度描きたいと思っています。
詫びドット絵ですね。
失敗2:デザインの誤変更
先ほどは見落としによるパーツ不足でした。
次は意図的に部位を削除したら、結果として誤りだったケースです。
上はゲーム『Age of Empires II(AoE2)』に登場するユニット「近衛騎士」のドット絵。
公開日は2021年3月21日。
持っている旗には、とあるAoE2配信のマスコットキャラが描かれています。
実はこの犬、本来はお〇ンチンがついているデザイン。
内心はおチン〇ンだろうと思いつつも、ゆるい作画のため乱れた線がそう見える可能性を捨てきれず、日和って削除してしまいました。
ブツがブツだけに勝手に追加するのはまずいですからね。
後日、あれはやはりおチ〇チンだったと判明。(配信で本人がおっしゃっていました。)
つまり私の判断で去勢したことになります。
学んだのは、元絵をそのままドット絵に落とし込むならば見たままを描くべきということです。
ポーズを変える、もっと詳細に描き込むなどの要件がない限り、自分の解釈を反映する必要性がありません。
おチンチンを追加したドット絵はこちら。
一応は考えあってのミスなので見落としよりは気分的にマシです。
失敗3:アニメーション1コマ目設定ミス
最後のミスは最新作で発生しました。
シリーズもののルールを破ってしまったのが本作。
『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』のクリーチャーカード「深き刻の忍者」のドット絵です。
投稿日は2022年2月6日。
MTGのドット絵はカードをドット絵化するコンセプトで制作しています。
しかしアニメーションの関係で、本来のカードデザインから大きく外れる瞬間が発生します。
例えば「深き刻の忍者」の基本デザインは以下。
取り出すコマによっては
のようにカードからかけ離れた絵面になります。
そこでMTGのドット絵は、現物カードに最も近い画像をアニメーションの1コマ目に設定する制作方針にしました。
こうすればサムネイルなどでドット絵が静止状態になった場合、現物に近い画像が表示されるわけです。
その方針をうっかり外してしまったのが「深き刻の忍者」でした。
1コマ目がこちら。
右側中央部に配置されたディスプレイが乱れた状態になっているのが分かるでしょうか。
現物では砂時計のシンボルが配置されるはずの位置。
ドット絵ではディスプレイに映し出されたシンボルが都度切り替わる演出を採用しており、1コマ目のディスプレイはシンボルが切り替わっている最中の画像になっています。
現物との互換性を確保したいなら、シンボルがはっきり見えるコマを設定するべきでした。
このミスにより、「深き刻の忍者」はこれまでのMTGドット絵から外れた作品になってしまったのです。
シリーズものの共通コンセプトがある場合、チェックシートを作った方がいいかもしれません。
チェックが確実です。
今回の記事では作品公開後に発見したミスをまとめました。
72作品描いてきて3件ならば少ない方なのではないでしょうか。
同じミスを犯していないというのもホッとしています。
いずれもすぐに発見し以降の作品で注意を払ってきた成果が出たのでしょう。
同時に、すぐに見付けていたということはその作品の見直しが不十分だった証拠かもしれません。
今後は年内の失敗エピソードをまとめ、振り返りを行う機会を設けたいと思います。
2022年はミスが少ないといいですね。