どのくらい昔のことか忘れてしまいましたが、RPGツクール製をはじめとするフリーゲームが流行した時代がありました。
私自身、結構な数をプレイしていたこともあって懐かしく思います。
ニコニコ動画を視聴していた層ならなんとなく覚えているかもしれません。
近年では大手メーカー製のゲームでも配信や動投稿のハードルが下がっているため、そもそもフリーゲームを目にする機会さえ減っているのではないでしょうか。
好きだった作品が忘れ去られていくのは本当に寂しい。
そういった気持ちがあり、このブログでは思い出のタイトルをバシバシ取り上げていこうと思っています。
そんなわけで今回の題材は『Nepheshel』。
フリーゲームの話題になると必ず名前が挙がる名作です。
ぜひ見ていってください。
過去にもフリーゲームのドット絵を描いていますので、よろしければこちらもどうぞ。
この記事はフリーゲーム『Nepheshel』に登場するキャラクターおよび世界設定のネタバレを含みます。
了承の上、ご覧ください。
自由度が高いダンジョン探索型RPG『Nepheshel』のドット絵
![『Nepheshel』](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel_2bai.gif)
タイトル:『Nepheshel』
制作時間:43.6時間
『Nepheshel(ネフェシエル)』はStudio Tilさんが2002年に公開したRPGツクール製のフリーゲーム。
プレイヤーを拘束するイベントがほぼ存在せず自由に冒険できる代わりに高い難易度を誇るロールプレイングゲームです。
物語の導入部分を以下に引用します。
気が付いた時にはベッドで介抱されていた。
自分を救った少女はイリスと名乗り、この島で薬草を売っているという。
記憶を失い、自分がそこにいる理由も、その目的も分からない。自分のものだと言われた背負い袋から出てきたのは宝石と短剣、
そして謎めいた一冊の本だった。「閉ざされた島の奥深く 漆黒の迷宮の底には
人が触れてはならない途方もないものが眠っている」島には幾つもの迷宮が口を開けており、全てが謎に満ちている。
かろうじて自分の名前を思い出した主人公は、探索の旅に出る。ここに来た理由、目的、そして漆黒の迷宮――
この島に眠る巨大な何者かの存在。全ては自分の力で確かめるしかない。
ネフェシエル説明書より
マップはシンボルエンカウント式。
強敵との戦闘を避けてアイテムを回収する攻略も可能です。
隠し部屋が多いので初見ではすべてのルートを探索しきれないかもしれません。
アイテムの説明欄や文献から世界観を考察させる作りは、現在のソウルシリーズを連想させるでしょうか。
後続のゲームに影響を与えた作品とも言われています。
本ゲーム独特の雰囲気を一度は味わってほしいです。
魔神
不死であり人知を超えた力を持つ存在……それが「魔神」です。
ネフェシエルの舞台となる島には魔人が封印されたつぼが数多く眠っているそう。
ゲームでは3人の魔神と契約を交わし一緒に冒険することができます。
ファル
![ファルのドット絵](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W01-Fal-min.png)
「ファル」はほとんどのプレイヤーが最初に仲間にすると思われる魔神です。
魔法が得意な反面、近接戦闘は期待できません。
主人公と合わせるとバランスの良いパーティーになります。
みいみい言うのが口癖で、もじゃもじゃしたものを集めるのが趣味。
ディーヴァ
![ディーヴァのドット絵](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W01-Dee-min.png)
「ディーヴァ」は世界が変化するタイミングで現れるといわれる終わりの女神です。
肉弾戦専門の魔神で、武器の二刀流が可能な唯一の仲間。
ネフェシエルには入手方法が特殊な強武器が存在し、それらを組み合わせたときはすさまじい火力を誇るとか。
私はそこまでやり込めなかったので体験していませんが。。
ティララ
![ティララのドット絵](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W01-Til-min.png)
「ティララ」は強大な力を誇る光の女神です。
近接戦闘も魔法もいける万能タイプですが器用貧乏になりがち。
回復魔法を使えるためヒーラーに落ち着いていたような覚えがあります。
古株の魔神ということを示唆しているのか年齢の話はNGとのこと。
ネフェシエルには仲間以外の魔神も登場します。
他の魔神と契約して冒険する世界線を妄想するとわくわくしますよね。
ドット絵の説明
![『Nepheshel』静止画](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W02-Nepheshel-min.png)
このドット絵は「ネフェシエル」という作品自体に焦点を当てて制作しました。
キービジュアル的な表現を目指したので、ゲームを象徴するキャラクターである3名の魔神を描いています。
魔神のシルエットや封印のつぼといった、世界観を構築する要素も盛り込みました。
真の姿
![魔神シルエットのアニメーション](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W03-Silhouette.gif)
各魔神が力を開放した姿をシルエットに。
対応するキャラクターから影のように伸ばしています。
足元を水面に見せたかったので揺れるアニメーションを採用しました。
魔神のつぼ
![封印のつぼのドット絵](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W03-Pot-min.png)
魔神が封印されているつぼをキャラクターの手前に配置しました。
ゲームにおいて魔神はつぼに縛られている設定で、持ち主によって宝石の色が違います。
ファルが青、ディーヴァが紫、ティララが赤です。
ビジュアル資料がドット絵しかなかったため再現度に自信がありません。
デミウルゴス
![デミウルゴスのアニメーション](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-W04-Demi.gif)
ネフェシエルにおけるラスボスで世界の神。
戦闘では人間の形をしたシルエットを確認できます。
タイトル後ろに配置することで強大な存在を示唆するようにしました。
[制作記事]キャプチャグループアニメーション機能の画像反転を使ってみる
私はEDGE2というツールでドット絵を制作しており、アニメーションでは「キャプチャグループアニメーション機能」を多用しています。
ブログ開設時点では触ったことすらない機能でしたが今や常用するようになりました。
しかし慣れたら慣れたで、ある問題が。
慣れの範囲内で作業を完結してしまい、便利な他機能があったとして気が付かないままになってしまいがちなのです。
今回は存在を知っていながら触れてこなかった、キャプチャグループアニメーション機能における画像反転を活用してみました。
キャプチャグループアニメーション機能での画像調整
キャプチャグループアニメーションの概要を説明するなら「複数の画像を取り込んで1つのグループにまとめ、アニメーションのコマとして利用する」機能です。
取り込んだ画像をそのまま使うことはもちろん、ちょっとした調整を加えることが可能です。
これまでは表示位置を変更するために座標を指定することが主でした。
![キャプチャグループアニメーションウィンドウの画像](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T01-Capture-min.png)
キャプチャグループアニメーション機能では画像の向きも変更できます。
1つの画像から左右・上下反転の合計4パターンの画像を仮想的に生み出せることになります。
![反転画像のバリエーション](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T02-Hanten-min.png)
キャプチャグループアニメーション機能における画像反転
反転指定はいたって簡単。
対象画像を選択して「左右反転」もしくは「上下反転」を指定するだけ。
![キャプチャグループアニメーションウィンドウでの反転指定画面](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T03-Capture-min.png)
ネフェシエルのドット絵では魔神シルエットに対して「上下反転」を指定しました。
ここで注意したいのが座標指定です。
画像を反転させると座標も反転します。
例えば上下反転の場合は、指定後にY軸の値が変わってしまいます。
![反転により座標が変わったことを示す画像](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T04-Capture-min.png)
小さいパーツは座標の変化を視覚的に検出しにくいので注意が必要。
私は反転後に座標指定するようにしています。
キャプチャグループアニメーション機能で画像反転するメリット
キャプチャグループアニメーション機能で画像を反転するメリットを挙げてみます。
向きを変えた画像を量産する必要がない
ネフェシエルのドット絵は該当しませんでしたが、例えば反転前後の画像を両方ともアニメーションに使用したい場合。
通常であれば2種類の画像を用意しなくてはなりません。
基本となる画像を作成後、その画像を複製・反転して量産する手番になると思います。
![反転を使わない場合の手順を示した画像](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T05-Hanten-min.png)
画像完成後に反転前を修正したとしましょう。
反転画像には修正が反映されていないので作り直しになってしまいます。
キャプチャグループアニメーション機能で反転させれば、その手間は必要ありません。
画像をシステムで反転表示しているだけなので、元の画像に加えた修正が反転側にも反映されます。
作業量を減らしつつ修正漏れの心配がなくなるのは大きなメリットです。
修正のための処理が不要になる
今度は反転画像だけをアニメーションに使用する場合。
反転前画像は不要とはいえ、反転後のドット絵をいきなり作画しませんよね。
左右ならまだしも上下が入れ替わっている場合は描きにくいことこの上なし。
画像を完成させてから反転という手順を取るのではないでしょうか。
修正も同じです。
反転して修正し、完了したら向きを戻すという煩わしい手順を取らねばなりません。
![反転画像の修正手番を示した画像](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel-T06-Hanten-min.png)
反転機能を使えば問題は解決。
画像を作画しやすい向きにしておけるので直感的に修正できます。
キャプチャグループアニメーション機能は取り込み画像を使いまわすほど高いパフォーマンスを発揮できます。
反転指定はキャプチャグループアニメーション機能内に用意されているだけあって、画像を効率的に流用する助けになっている印象を受けました。
MTGに登場する変異種のような構図を描くときなど、題材によってかなり便利に使えるのではないでしょうか。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。
![『Nepheshel』等倍](https://toristar.com/wp-content/uploads/2023/04/Nepheshel.gif)
ちなみに私はティララ派です。