今回は『御城プロジェクト:RE』(以降は「城プロ」と省略)に登場するキャラクター「帰雲城(かえりくもじょう)」のドット絵を描きました。
お城を擬人化した「城娘」が活躍するゲームです。
これまで何回かドット絵を投稿してきた『千年戦争アイギス』とは
- DMMが配信
- タワーディフェンス
- ドット絵を使用
の共通点があり、実質的に姉妹ゲームの位置づけになっています。
コラボもありました。
私は城プロからプレイを開始しコラボをきっかけに千年戦争アイギスも始めた経緯があります。
つまり、城プロは千年戦争アイギスよりも付き合いが長いゲームです。
記事の後半ではドット絵初心者でも手軽に制作できるアニメーションを3パターン紹介します。
描いたドット絵が動くと見返したときにうれしいもの。
ぜひ最後まで読んでいってください。
『御城プロジェクト:RE』から「帰雲城」のドット絵
タイトル:『城娘真拳奥義ふわめしや』
制作時間:21.7時間
城プロの「帰雲城(かえりくもじょう)」を主役にしたドット絵です。
いわゆる季節限定の別衣装「肝試し」バージョンで描きました。
帰雲城は岐阜県にあったお城で地震によって埋没してしまったそうです。
城にまつわる怪談話と季節ユニットを結びつけるのは擬人化元の特性を生かしていてうまいなあと思います。
肝試しは日本的な風習なので世界観とも合っていて、他ゲームの季節衣装と差別化もできています。
さて、作品の全体像ですが、『ボボボーボ・ボーボボ』というマンガの主人公ボーボボが敵に鼻毛真拳を決めるコマをオマージュしています。
城プロにはある種のテンプレートに沿った流れが存在します。
その1つが城娘の特技カットインが表示され、敵が「ギャアアアアアアアア!」と叫んでやられるシーンです。
特技絵をお披露目する役割があると思われるこのシーンで、肝試し帰雲城はうらめしやポーズで敵を撃退します。
まあ、あくまでゲーム演出上のことで実際は抜刀しているんでしょうけれど。
とにかく、一見ふざけているようなこのシーンが『ボボボーボ・ボーボボ』における鼻毛真拳の一撃必殺を連想させたので描いてみた次第です。
ビジュアルガイド
帰雲城(かえりくもじょう)
帰雲城は名前の通り雲をモチーフにしたふわふわ衣装が特徴です。
「うらめしや」の掛け声もふわふわ感とかけて「ふわめしや」になっています。
特技絵が相手を驚かせようとする場面であり、ドット絵もそれに準拠して描きました。
連れのお化けたちと一緒に敵を「ふわめしや」で撃退しています。
ストーリーでの正確な掛け声は「ど~ん!!」なので、「ふわめしや」を用いたのは作品の誇張表現だと考えていただけると幸いです。
ちなみに、通常バージョンの帰雲城は最初期から私の所領にいる刀剣ユニットです。
好感度イベントで選択肢をミスった唯一のキャラでもあります。
とてもくやしいですね。
山属性の近接として今も活躍しています。
桃形兜(ももなりかぶと)
ふわめされる敵に桃形兜を選びました。
RPGで例えるならスライムのような最初の敵ながら、城プロのマスコットポジションと言っていいでしょう。
グッズ化もされています。
『ボボボーボ・ボーボボ』の鼻毛真拳シーンが静止表現なのでドット絵の動きも最小限にしたく、低コストのアニメーションを用いました。
記事後半で説明します。
こだわりポイント
「帰雲城フォント」と呼べるようなロゴっぽい「ふわめしや」を目指しました。
文字飾りの火の玉アニメーションは使い古された表現だと思いますが、帰雲城や連れのお化けのデザインを意識して描いた意味合いが強いです。
ふわふわ感が出るよう、丸っこい白色の文字にふわふわ漂うアニメーションをつけて全体を仕上げました。
低コストのアニメーションで手軽にドット絵を動かそう
個人的な考えとして、初心者は気が向いたときにドット絵を動かしてみることを推奨しています。
グリグリと派手に動かす必要はありません。
ほんの一部でいいのです。
多少なりとも動いただけでドット絵がリッチに見えますし、作品を楽しく見返せます。
制作してきたドット絵を並べたときに動くものが混ざっていると「ここでアニメーションに挑戦した」と自信にもつながるでしょう。
ここからは『城娘真拳奥義ふわめしや』で使用した、低コストで作れて効果が高いアニメーションを紹介します。
紹介するのは
- 上下揺らし
- 90度単位回転
- 雷背景
の3つです。
使えそうなものがあれば、ぜひ制作したドット絵を動かしてみてください。
上下揺らし
題材を上下に数マス程度、細かく座標移動させてアニメーションのコマを作ります。
簡単な割によく動いているように見える便利技です。
『城娘真拳奥義ふわめしや』では文字、桃形兜、帰雲城、お化けと多用しています。
最も単純なのは真ん中の桃形兜です。
上下に1マス動かしているだけです。
それでも攻撃を受ける様子を十分に表現できているでしょう。
この1マス動かす手法は「驚く」「震える」など様々な状況に対応できます。
一方、文字や帰雲城、お化けには工夫を加えてみました。
見栄えをより良くするためです。
例えば、帰雲城とお化けはアニメーションさせつつ上下移動させ、さらにそれぞれが上下するタイミングをずらす小技を使っています。
描き込みを要求するアニメーションが使われていてがっかりしましたか?
では、試しに上下移動以外の要素を帰雲城たちから取っ払ってみましょう。
全体の雰囲気が思ったよりも損なわれていないと感じませんか。
上下移動の効果がそのくらい絶大なのです。
90度単位回転
ドット絵ツールの回転機能を使うことはほぼありません。
ドットが崩れてしまうからです。
ただし、90度単位の回転は例外で、きれいに加工できます。
それなりの速度で回転する物体ならば1枚の絵を90度ずつ回転させてアニメーションのコマを用意できるわけです。
「それなりの速度」と表現したのは、ゆっくり回転する題材では90度より細かい単位で回転したコマが必要になり、この手法を使えないからです。
『城娘真拳奥義ふわめしや』では桃形兜の槍を回転させました。
回転方向を分かりやすくするために槍に残像を描き足しています。
槍が空中で舞っている様子を把握できればよく回転方向は重要でないので、残像がなくても通用するかもしれませんね。
どうですか。
残像なしでも大丈夫そうでしょう。
雷背景
マンガ『ボボボーボ・ボーボボ』で鼻毛真拳が炸裂するシーンの背景には雷が描かれていることが多いです。
そのため雷背景を描きましたが、想像よりも作画コストが低く済んで驚きました。
アニメ枚数はたったの4枚。
そのうち2枚は単色ベタ塗りなので描き込み枚数は実質2枚です。
内容も線とアンチエイリアスの組み合わせであり、難易度は低いです。
キャラクターで隠れる部分の描き込みをしていない点はご容赦ください。
最も複雑な3番のコマで雷の広がりを演出しています。
しかし、雷として見せるなら2番のコマがあれば十分です。
2番はアンチエイリアスすら未使用で、本当に線を描いただけです。
最初のものと見比べるとさすがに劣りますが、雷の枝を増やしたりアンチエイリアスを少しかけたりすれば、見栄えがかなり改善されると思います。
ベタ塗りに線を引いただけでそれらしい背景アニメーションが完成するのは、なかなかお手軽と思いませんか。
まとめ
描いてきた作品の中に動くドット絵があるとテンションが上がるものです。
慣れないうちは本当に一部分だけでいいので、動かすコストが低い方法を選択してアニメーションを作っていきましょう。
この記事では
- 上下揺らし
- 90度単位回転
- 雷背景
の3つを紹介しました。
初心者の方が気軽にドットアニメに取り組める方法を思い付いたら今後も発信していきたいです。
一緒に上達していきましょう。
最後に原寸大の作品を貼って終わりにします。