今、最も勢いのあるコンテンツは何でしょうか?
私は「ウマ娘」だと思っています。
「ウマ娘」は実在する競走馬を擬人化したタイトル。
アニメ、ゲーム、漫画、リアルライブイベントと多方面に展開されています。
ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』はリリース直後、日本のみの販売で全世界3位の売り上げを記録。
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』は『次にくるマンガ大賞2021』で2位。
引退した競走馬への寄付金もウマ娘の影響で増大したそう。
それほどの影響を与えている一大コンテンツです。
私も裏ではアニメ、ゲーム、漫画をそれぞれたしなんでおりました。
最初に手に取ったウマ娘作品は漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』。
しばらく前にようやく最新刊を入手して、勢いそのままに今回のドット絵を制作しました。
現在進行形のファンも多いと思いますので、ぜひ見ていってください。
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』から、ナーバスになった「タマモクロス」のドット絵
タイトル:『宇宙タマモクロス』
制作時間:20.3時間
『ウマ娘 シンデレラグレイ』は『週刊ヤングジャンプ』で連載されている、ウマ娘の漫画作品。
私は『となりのヤングジャンプ』で本作を読んでいたのですが、週刊誌掲載に変更?されてからはコミックスで追っています。
よって認識が古いかもしれませんがご容赦を。
「タマモクロス」はシンデレラグレイの主要キャラクターの一人で、主人公のライバルポジションです。
ウマ娘はアニメ、ゲーム、漫画で設定や性格が違うのですが、基本的には逆境に負けないド根性キャラ。
ゲームで新キャラ告知があるたびに、タマモクロス実装を期待していた人たちのコメントで名前がトレンド入りするほどの人気を誇っています。
そういったコメントに混ざって、げんなりした顔のタマモクロスの画像を見かけることがしばしば。
私は長らく二次創作のネタ画像だろうと思っていたのですが……
コミックス最新刊(4巻)に描かれており完全に公式の産物でした。
さすがに笑います。
コミックス購入記念も兼ねてドット絵を制作することにしました。
ドット絵『宇宙タマモクロス』について
タマモクロスと宇宙を合わせたドット絵にしました。
この腑抜けた感じのタマモクロスはトレーナーによると「ナーバスな状態」とのこと。
【ナーバス】
神経質になっているさま。
……あの顔がそうなの?
重ねて言いますが公式の絵面です。
宇宙背景といえば皆さんのご想像通り、インターネット・ミームになっているコラ画像「スペースキャット」のオマージュです。
ウマ娘においてはミホノブルボンが定番でしょうか。
ミホノブルボンほど宇宙が似合っているウマ娘は今のところいません。
こだわりポイント
宇宙背景にキャラクターという構図は、実は過去に使ってしまっています。
当時の作品はスペースキャットのオマージュではないので完全なコンセプト被りではないものの、何かオマケを考える必要がありました。
そこで、キャラクター背面を移動する惑星を追加。
タマモクロスがウゴウゴしている間も宇宙は動いている、という感じにしました。
惑星が回転しながら離れていくようにしており、目立ちませんが作画が少し凝っています。
倍率変更時の崩れを利用して、ふにょふにょ動くアニメーションを作る
手描きMADなどで、静止しているのにふにょふにょ動いているアニメーションを見たことがありませんか?
ゆるく描かれたデフォルメキャラクターなんかに多いです。
人様の作品を貼るわけにはいかないので良い見本がなくて恐縮ですが、こんな感じ。
題材(ニンジン)が動いているにもかかわらず、運動している印象を与えないのが肝でしょうか。
タマモクロスのドット絵制作にあたって、キャラクター本体にこのような動きを採用したいと思いました。
しかし作り方が分かりません。
ここからはタマモクロスの2コマアニメーション制作について記録します。
仮説・似て非なる2枚の絵
件のアニメーションについて、作り方は分かりませんが理屈は推測できました。
おそらくは同じイラストを2枚描いているのでしょう。
フリーハンドで描くわけですから同じにするつもりでも2枚の絵は微妙に違ってきます。
似たイラストを交互に表示するとわずかな差分によってふにょふにょ動いて見える、というわけです。
ドット絵における「わずかな差分」の難しさ
似た絵を2枚用意すれば、ドット絵でも実現可能なのでしょうか。
できるとは思いますが実際は難しいです。
というのもドット絵は解像度が低いため、2ドットも違えば全く別の表現になってしまいます。
ごくわずかな違いしかない似た絵を描いたつもりでも、アニメーションさせたら題材が運動しているように見えるのもよくある話。
イラストのように「わずかな差分」を出しにくいのです。
アンチエイリアスや色トレスを駆使してわずかな動きを表現する技法がドット絵にはあります。
俗に言う「0.5ドットの世界」。
難易度が高いのでここでは割愛します。
拡大・縮小によるドット配置崩れの利用
わずかな違いを出しつつ同じ絵を描く方法こそが課題だと分かりました。
そこで私は拡大・縮小機能を利用することに。
ドット絵は基本的に、倍率を変えるとドットの配置がガタガタになって見るに堪えなくなります。
しかし今回はその乱れに着目。
これは倍率に合わせてツールが再配置した結果なので、それなりの位置にドットが置かれているとも判断できます。
崩れたドット絵を元に戻すつもりで再度描き込みを行えば、完璧に復元できなかった部分が「わずかな差分」としていい具合になるのでは、という発想です。
実際の制作手順
実際の制作手順を説明していきます。
最初に元となるドット絵を描きます。
ここでは、ナーバスな状態のタマモクロス。
次に適当な倍率で拡大。
ドット絵がガタガタになりますが想定内。
次は、倍率変更前と大体同じサイズになるように縮小・拡大で調整します。
進撃の巨人でミクを食った奴みたいになったところでサイズはOKです。
崩れたドットを整理しつつ、元と同じレベルに描き込みを行います。
単体で見たときにちゃんとナーバスなタマモクロスになっているように。
表情が違う、ポーズが違う、別キャラに見える、となってしまっているなら描き込みに失敗しています。
完成像のアウトラインには違いないので、ガタガタのドット絵をきっちりベースにしましょう。
2つのドット絵を並べて同じに見えるくらいがうまくいっている目安かと思います。
2枚をアニメーションさせてみます。
いい具合じゃないでしょうか。
カスタマイズ案は画像枚数を増やすこと。
動きが滑らかになって印象が変わってくるでしょう。
パッと見は過去作に似ていながらも作品の焦点は全く別物になった今回のドット絵。
本ブログも開設から1年以上経過し、「見た目が似たドット絵」が増えてくる頃合いかもしれません。
新しいパターンの動きを取り入れるなど、別視点ではなんらかの実りがある作品作りを心掛けたいですね。
最後は等倍のドット絵でお別れです。
次の記事でお会いしましょう。
それでは!
私事ですが。
この記事を執筆しているまさに本日、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』にて人権サポートカード「キタサンブラック」のピックアップが予告されました。
私……引きます……!!