今回は同人ゲームBLACKSOULSシリーズの第1作、『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』のドット絵を制作しました。
描くと決めていたもののアイディアがまとまらず、着手できないでいたタイトルです。
今年は順番待ちになっているタイトルから優先的に制作・公開していくのが目標。
ここ最近になって新しく取り上げるタイトルが増えたのもそのためです。
描きたいキャラクターが複数いるようなタイトルは特に、積み重なる前に消化していきたいですね。
それでは、どうぞ。
本記事にはゲーム『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』のネタバレ・考察を含みます。
未プレイの方はご注意ください。
ダークメルヘンファンタジーRPG『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』から「黒の裁判長バフォメット」のドット絵
タイトル:『黒の裁判長バフォメット』
制作時間:28.8時間
『BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫-』はサークル「イニミニマニモ?」さんが製作したダークメルヘンファンタジーRPG。
人気タイトルのダークソウルシリーズをオマージュしていて、アイテム名や演出から雰囲気を感じ取ることができます。
物語はグリム童話がベース。
導入を以下に引用します。
むかしむかしの古い時代。
深い霧に包まれた国、ロストエンパイア。
霧は人間を恐ろしい獣へと変え、世界を絶望で染めていきました。
絶えず起こる戦火の渦。
名声を求め、名乗り上げる勇者たち。
お城の舞踏会を夢見る娼婦。
秘密の花園に隠された秘宝。誰もが集い、そして消えていった。
貴方はそんな場所で目覚める、名も無き一人の不死者。
この最悪の物語の主人公として、貴方は何を見、何を得ることができるでしょうか?願わくば貴方が、最悪の結末を迎えぬよう…。
BLACKSOULS-黒の童話と五魔姫- 紹介用スクリーンショットより
行動の自由度が高いオープンワールド風のゲームシステムになっており難易度は高め。
オマージュ元を彷彿とさせる死にゲーです。
世界観を引き立てるアクセントとしてエロ要素が存在するものの、シーン自体は非表示設定できます。
グロ・鬱展開は頑張って耐えてください。
黒の裁判長バフォメット
「黒の裁判長バフォメット」は「黒の裁判」の長。
黒の裁判というのは秩序を維持するために罪人を追跡・殺害している組織です。
世界を守る正義のお姉さんと思いきや言動の端々にはどうも狂気が……。
それもそのはず、正体はクトゥルフ神話に登場する架空の神性「シュブ=ニグラス」(と思われる)。
本物のバフォメットに成り代わり裁判長ごっこに興じているようです。
キャラクターの初出はダウンロードコンテンツ(DLC)とのこと。
私はDLC実装後の製品を購入したので追加要素の線引きが曖昧でした。
黒の裁判メンバーは本編で活躍済だったので、DLCで長がようやく登場というわけですね。
ドット絵の説明
本作は黒の裁判長バフォメットのキャラクタードット絵です。
18禁シーンをキャラクターのデザイン資料として参照したので、内容に引っ張られてエロめのポーズになっています。
バフォメットのビジュアル
日和った結果、バフォメットのセンシティブな個所を体毛で覆ってしまいました……。
全身がはっきり描かれた資料が見つからなかったため推測になってしまいますが、彼女はおそらく見えてはいけない部分まで丸見えのキャラクターなんじゃないでしょうか。
元ネタのバフォメットも胸部が露出していますし。
かつて実写映画『デビルマン』にて妖鳥シレーヌの胸が羽毛で隠されていたことに対し「おっぱい丸出しは人間と違う倫理観を持っている証なのに、修正とはけしからん!」と批評しまくっていた自分が、まさか同じことをする羽目になるとは……。
こうやって隠すと「エロいドット絵です」と言っているようなものだし、なにが正解だったやら。
バフォメットの顔
バフォメットの顔にはジャギ消しや描き込みをあえてせず、デフォルメを強くしています。
これは「ハリボテ感」を出すため。
本物から名を奪って成り代わった偽物バフォメットであることを踏まえ、「適当な」作り物の顔(肩書き)を貼り付けているというフレーバーです。
ちょうど良さそうだったから程度の動機で他者を踏みにじっていくのが彼女らしいと思うのですが、どうでしょう?
赤い空
背景の赤い空はバフォメットの召喚シーンから。
他キャラクターのエンディングや作中の文献ではバフォメット(の正体)が召喚された際の光景、赤い空に触れられていました。
また、バフォメットの正体にはコズミックホラー要素があるため、宇宙を連想させる星を描き入れています。
[制作記事]体の一部だけを覆う体毛を描く
全身が体毛に覆われたキャラクターを描くことはしばしばありますが、一部のみというのは機会がなかなかありません。
私がよく描くジャンルに照らし合わせると人間寄りの獣人を題材にした時くらいではないでしょうか。
バフォメットは主に背面部分が短めの毛に覆われているようで、ドット絵の構図だと体の側面に体毛を視認できる程度になります。
いざ作画してみると再認識できたことがいくつかありましたので紹介します。
ジャギ消しのみでは立体感が不十分
体毛が生える範囲の違いが何につながるかというと、肌と体毛の「境界部分」の作画の要否に関わります。
はじめのうちは体毛をベタ塗りしつつ、境界部分をジャギ消しすればらしくなるだろうと考えていました。
そうして描いたドット絵は下の通り。
脚に注目を。
体毛と肌が一体化しすぎて、体毛というよりは模様のようになってしまいました。
体毛は肌の上に乗っかっている物体。
最低限の立体感すら再現しようとしなかったのでこうなってしまったわけです。
主線を使って境界部分に立体感を出す
解決の糸口は主線でした。
カラートレースの要領で体毛の下部に主線を描くと影色の役割を果たし、程よい立体感を再現できました。
赤矢印はあくまで一例。
全体にわたって主線を描き加えています。
境界をはっきりさせ過ぎると「毛が生えている感」がなくなるので、主線の色を部分的に薄くしたりジャギ消しドットを混ぜたりと肌になじませる工夫もしています。
跳ねた毛で全体に立体感を出す
境界を修正しただけだと体毛が体のラインに沿い過ぎて、ボディスーツを着ている印象になってしまいます。
さらなる立体感を得るため、ぴょんと跳ねた毛をところどころに描き加えて毛の集合体だと判別できるようにしました。
赤矢印は一例です。
一本単位の長さを認識させることで全身を覆う体毛の茂り具合までイメージできてしまうのが面白いところ。
一部の描き込みで全体の印象を操作できる要素が体毛にはあるというわけですね。
BLACKSOULSには魅力的なキャラクターが多いので、いずれ他のドット絵も描くつもりです。
私が特に好きなキャラクターは妖精リィフ。
妖精時も人をコケにしたような性格でかわいいのですが、正た……あえ