プレイステーション用ソフトとして販売されていた『モンスターファーム』シリーズは、大会で出会う敵モンスターも魅力的でした。
固有の名前が付けられており、ステータス構成から育成方針を読み取れる。
ちゃんとブリーダーがついているのが分かってグッドです。
『モンスターファーム2』では初出の対戦相手のほか初代のライバルたちとも顔を合わせることになるので、興奮したシリーズファンも多かったのではないでしょうか。
ホリィがパクリモンスターを繰り出してくるのには笑ってしまいました。
ということで、話題から分かる通り今回はモンスターファームのドット絵です。
前回に引き続いて対戦相手にフォーカスした作品になります。
新しいフォーマットを試してみたかったので前作と作風を変えてみました。
ぜひ見ていってください。
初代『モンスターファーム』から、謎ネーミングセンスと極端なステータス「ラネイルジュニア」のドット絵
タイトル:『ラネイルジュニア』
制作時間:7.5時間
「ラネイルジュニア」は初代モンスターファームのAランク戦に登場するライバルモンスターの一体です。
対戦相手のワーム種はどれも魅力的ですが、今回は一番ランクの高いラネイルジュニアをチョイスしました。
Aランクの中ではおそらく弱い部類。
ライフとちからに偏重したステータスを持つ黄色いワームということで印象的ではあります。
ジュニアってことは二代目?などと想像させる名前も興味をそそりますよね。
相手がベテランブリーダーというフレーバーなのかもしれません。
ドット絵『ラネイルジュニア』の説明
ライバルモンスターの個性を形づくっているのは能力値、という考えからステータス画面風のドット絵を制作しました。
ラネイルジュニアのモーションは試合開始ファンファーレの動きから。
青いラインの入った背景は、モンスターの全身を眺められる参照モード画面が元ネタです。
こだわりポイント
ステータスの数値の下にバー表示も加えてみました。
ゲーム中の再現になります。
バーの長短でステータスを一目できるので、ラネイルジュニアのような極端なキャラクターと相性が良い気がします。
制作に着手できるのはどんなケース?
私はドット絵を描くにあたって
- コンセプトが存在するもの
- 自分にとって学びのあるもの
を制作するように心掛けています。
というのも、
- 表現の幅を広げる
- ドット絵の技術を向上させる
という目標があって活動を続けているからです。
(「みんな!こいつを見てくれ!!」という気持ちで好きなものを描く場合も、もちろん多いのですが。)
前述の条件に合致するドット絵を作るためには、着手前にある程度の「見通し」を立てておく必要があります。
この見通しが立たなくなってきたときが「ネタ切れ」になるのでしょう。
今回は制作に着手できるケースについてまとめました。
私自身ネタ切れを感じてきているので、整理できるといいなあ。
題材から着手するケース
まずは一番わかりやすいパターン。
何よりも優先して描きたいものがある場合、それを描き始めます。
結局は情熱が一番大切だと分かってきました。
いずれのドット絵も描きたいものを描いたには違いありませんが、タイミングと気分がぴたりと一致したときにはものすごい勢いで描きあげられるもの。
これが一番はまるのは原作シーンをドット絵化するケースです。
題材だけ決めて着手するわけですから、通常であればどんなドット絵にするか考える間は手が止まります。
原作シーンをドット絵にするのであれば構図から何から全て決定済み。
どこをどう動かすかも情景を考えればおのずと浮かんでくるでしょう。
題材から見切り発車しても何とかなります。
軸にするアイディアと題材が揃って着手するケース
続いてはドット絵の核となる演出を思い付いたら制作を着手するケース。
私の中で重視しているパターンです。
作品の中心になる要素さえ決まっていれば、細かい演出がなくても作品として成立します。
一番やりたいことはやりきれるのですから。
基本的には描きたい題材と、アニメーションのアイディアが揃ったときに制作に着手するイメージでしょうか。
例えば過去作のMTGドット絵。
- 「不屈の部族」を描きたいと決める。【題材】
- イラスト部分を砂嵐に耐えるアニメーションにすると決める。【メイン演出1】
- カード全体が反転する演出を決める。【メイン演出2】
1項で決めた題材に対し2項・3項の演出を合わせれば、全体にアニメーションが行き渡った状態になると言えるでしょう。
テキスト部分のシルエットや砂嵐の演出を思いつかなかったとしても完成形になり得ます。
全体像や演出から着手するケース
題材はぼんやりしていたとしても、「こんなドット絵はどうか」という発想から制作に着手するケースもあります。
シリーズものに適用するテンプレートの試作という側面もあるでしょうか。
今回のラネイルジュニアのドット絵がまさにこのタイプでした。
キャラクター + 能力値 = 個性 の考え方が軸。
ステータス表記というモンスターの性質を表す指標をモンスターファーム作品のテンプレートにできないかと考え、試しました。
MTGのドット絵も初作はこのパターン。
手ごたえがあればシリーズ化しています。
強化・習得したい技術から着手するケース
最後は、作品を制作するにあたって必要なスキルから考えていくケース。
ドット絵を描いていると同じような作品ばかり作っていることがあります。
俗に言う「描きやすいものしか描いていない」状態です。
この状態を続けていては、ドット絵技術の向上という大目標が達成できません。
そこで、動きの少ないドット絵ばかり描いているようだったら次作は大きい動きのドット絵にする。
これまで使ったことのないエフェクト表現があれば挑戦してみる。
直近の作品を見直して次の方針を決めてから、見合う題材をあてがうこともしています。
恥ずかしいことに最近は、ドット絵に対する熱が冷めていると感じています。
興味がなくなったというわけではなく。
描きたいものを一巡し終えてしまったというか、次はこれ!というのがなくなってきました。
気持ち的には描けるものがあるならいくらでも描きたいくらいなので、本当にきっかけがない。
リクエストを受け付けるのもありなんですけれど、募集しておいてうまく描けなかったらただただ恥ずかしいしなあ。
ここまで題材に困っているのはブログ開設してから初なので、これはこれで楽しむべき状況かもしれません。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。