創作活動をしていると作品のフォーマットが気に入って連作やシリーズものに発展することがあります。
ドット絵化したMTGカードは私にとっての連作の1つになっています。
イラスト部分だけのドット絵から練習目的で始まったこの取り組みも、カード枠を素材化したことでテンプレートを整備できました。
他の方にも素材を利用していただきたいので宣伝も兼ねて、今回もMTGのドット絵で攻めますよ。
素材は以下のリンクからどうぞ!
MTG(マジック:ザ・ギャザリング)から「夜のスピリット」のドット絵
タイトル:『夜のスピリット』
制作時間:15.5時間
カード枠素材の利用促進を祈願して制作しました。
素材を作った本人が全く活用していないのはあまりに不誠実。
積極的に使っていきます。
各色のカードを最低1枚ずつは描きたいですね。
今回は黒いカードから「夜のスピリット」を選びました。
こういう、なんとか場に出して生き残ったら強いクリーチャーはMTGしている感じがして大好きです。
クリーチャーはMTGの花形。
これからもクリーチャーを多く描いていくことでしょう。
本作は夜のスピリットのカードをそのままドット絵化したものが基本です。
「夜」をテーマに星々や街の明かりにアニメーションを付け加えています。
制作時間がそこそこかかっているものの、カード枠の描き込みが不要というのは気持ちが楽でした。
資料集めをしていて気がついたのですが、夜のスピリットって再録禁止カードだったんですね。
トリプルシンボルの重いマナコスト、伝説のクリーチャー、強いことしか書かれていないテキスト欄と、限定セットの神話枠を容赦なく潰してきそうなカードなのに再録されてこなかったのも合点がいきました。
ビジュアルガイド
夜のスピリット
イラストレーターはCliff Nielsen氏。
独特の画風が夜のスピリットにマッチしていてイラストに魅せられた方も多いのではないでしょうか。
この画風をドット絵で再現することが本作の目標の1つでした。
スピリットは実体があるかないかの狭間にいるような存在。
立体感を重視せず背景など広い面積を塗る方法で描いたところ、うまくはまってくれたように思います。
具体的には緑カード枠の塗りと同じ描き方です。
スクラーグノスの記事で説明しているので興味のある方はのぞいてみてくださいね。
オラクル
MTGは長い歴史の中で、解釈に齟齬が発生しないようカードの文面を更新し続けています。
再録されたカードのテキストが初版と異なるケースも少なくありません。
元となる最新文面が記録されている文献をオラクル、オラクルの修正をオラクル更新と呼びます。
夜のスピリットは20年以上も昔のカードであり、テキスト欄の記述も当然古いものです。
テキスト欄のスペースを捻出するため、本作では一部テキストを最新の文面に変更しています。
実物に沿ったテキストだとこうなります。参考までに。
こだわりポイント
テキスト欄に3体のクリーチャーを描きました。
夜のスピリットはこの3体のクリーチャーを生け贄にするとライブラリーから直接召喚できる、いわば合体カードなのです。
左から
です。
ちなみに『異界月』というセットでは全く別のアプローチで合体カードが実装されました。
背景の街並みは『ポータル』というセットに再録された残忍な影のイラストを参考にしています。
イラスト違いでの再録はTCGらしい要素だと思っているので取り入れてみました。
遊び要素です。
『夜のスピリット』の構造
『夜のスピリット』は公開している素材を利用して制作したドット絵です。
構造はとても単純。
イラスト用、テキスト欄用のアニメーションドット絵をそれぞれ作成し、カード枠素材に重ね合わせます。
素材にはFOILシンボルでカード枠をくり抜いて作るホロアニメを備え付けてありますが、今回は未使用です。
制作上の注意点をあえて挙げるならアニメーション枚数でしょうか。
イラストとテキスト欄で個別のアニメが動くので、なるべく小さい公倍数を取れるように2つのアニメ枚数を設定するとループアニメを作りやすいです。
最小公倍数がドット絵全体のアニメ枚数になるので。
本作の場合、イラストとテキスト欄どちらのアニメも4枚でループするので、ドット絵全体は最小公倍数の4枚でループできます。
それぞれのアニメ枚数をいい加減に設定すると最小公倍数が大きくなり、作品をループさせるために必要な枚数が増加するのでご注意を。
コマの管理が大変です。
イラストよりテキスト欄が目立つ問題
絵やアニメをテキスト欄に入れるなら、作品全体のバランスを見なければなりません。
前作スクラーグノスでは、動くキャラクターアイコンをテキスト欄に入れています。
これがイマイチだったようで、イラストよりも先にテキスト欄に目が行ってしまう作品になりました。
主役のイラストを差し置いてこれはダメでしょう。
この反省で本作テキスト欄のアニメを抑えています。
静かな夜の雰囲気を出す狙いもありました。
しかしながら、それでもテキスト欄が目立つと言わざるを得ません。
テキスト欄の方が
- アニメ量が多い。
- 目立つ色を使っている。
のが主な要因かと思っています。
イラストでは星が控えめに輝いているだけ。
一方のテキスト欄では月、星、家の明かりが点滅しています。
画像サイズが大きいイラスト部分の方が目に留まるだろうと軽く考えていたのですが、やはり動きが多い側を見てしまいますね。
また、黒いカード枠に黒いクリーチャーを描いているので、作品全体がほぼ黒色。
テキスト欄のオレンジや青がアクセントカラーみたいになっています。
私は彩度の高い色を使いたがるので、カードの画風に寄せたイラスト部分から浮いた色遣いになったのかもしれません。
次回の強化目標は視線誘導ですかね。
最後に原寸大のドット絵でお別れとしましょう。
悪い子のところには夜のスピリットが来るぞ!