私は様々なタイトルの二次創作ドット絵を描いています。
絵柄や演出、ストーリー、キャラクターデザインなどそれぞれ魅力が異なるので私も影響を受け、ドット絵にも反映されてきました。
例えばマジック:ザ・ギャザリングならばカードを実際に買ってプレイしているためカードタイプのドット絵、御城プロジェクト:REならばキャラクター同士の掛け合いが多いのでゲーム内ストーリー再現、というようにタイトル単位で特徴が現れることがほとんどです。
そうしてドット絵が増えてくると同タイトル内でもシリーズと呼べるような、コンセプトを同一とする作品も増加。
特に制作数が多い『Lobotomy Corporation』はシリーズ分けを意識しながら制作するタイトルになっています。
今回はLobotomy Corporationにおいて私の頭の中にある分類をご紹介。
今後ドット絵を見る際に思い出していただければと思います。
脱走アブノーマリティ暴走シリーズ
Lobotomy Corporationといえば脱走したアブノーマリティによる惨事です。
その世界観はドット絵にももちろん反映しており、犠牲者の描画は欠かせません。
脱走シリーズに共通するのは舞台が収容室外で、誰かしらが死亡または襲われていること。
「貪欲の王」では殺しはしていないものの、アブノーマリティが職員を追いかける様子を描きました。
前進のみ行うアブノーマリティの特性を再現しています。
脱走の瞬間を切り取った作品も。
「キュートちゃん」では作業中の職員を殺害してから部屋を飛び出す様子を再現しました。
近くにいる職員を襲ってから脱走を図るアブノーマリティは多くいます。
ひと口に脱走といっても過程や襲撃の仕方が違うので、それぞれの個性を表現することを重視しています。
職員ブラック労働シリーズ
Lobotomy Corporationはアブノーマリティが主役である一方、プレイヤーの手足となって働く施設職員たちも愛すべき存在でしょう。
ゲームの根幹でもある観測作業のドット絵も描いています。
脱走しないアブノーマリティはこの分類になりやすいですね。
「今日は恥ずかしがり屋」は表情によってリスクを変動させるアブノーマリティ。
ゲームにおいては作業効率にも影響を与えることから、職員の体調・やる気を変化させるドット絵にしました。
アブノーマリティの中には人間に慈悲を与えるものも。
「たった一つの罪と何百もの善」は害のないアブノーマリティの筆頭で、特定条件下であれば絶望的な状況を打破する手助けをしてくれます。
各アブノーマリティにはギフトと呼ばれる力の宿った装飾品を与える習性があり、このドット絵ではアブノーマリティが持つ慈愛の特性とかけて、ギフトを授与する瞬間を再現しました。
このタイプのドット絵では、職員との接触の中でいかにそのアブノーマリティらしさを出せるかがポイントだと思っています。
キャラクターシリーズ
キャラクタードット絵という立ち位置で、アブノーマリティそのものに焦点を当てた作品も制作しています。
設定やストーリーを反映しにくい欠点はあるもののキャラクターに集中できるのは強みです。
オブジェクトを過剰に描き加えたくないため、背景にはエフェクトを用いる場合がほとんどでしょうか。
「レティシア」は愛くるしい人形のような見た目が魅力的なアブノーマリティ。
余計な要素を描き入れないドット絵として制作するのが最適と判断しました。
とはいえ危険な側面を表現しておきたいですから、後半のホラー演出を追加しています。
キャラクタードット絵というカテゴリの中でさらにシリーズものに発展した作品もあります。
「銀河の子」「宇宙の欠片」はどちらも宇宙モチーフのアブノーマリティ。
アニメーション枚数や作品サイズも同規格にして、さらに銀河背景という共通点を持たせました。
他の登場人物がいない分、動作やエフェクトでアブノーマリティの雰囲気を引き出せるかが勝負ですね。
その他
ドット絵は題材やコンセプトありきですから、最初からシリーズにはめ込むことはせずやりたいことを優先して制作しています。
ですので、ここまで紹介したシリーズに当てはまらない作品もたくさんあります。
「アルリウネ」はやってみたいことから派生した作品の代表です。
何かを回転させたい → どうせなら独特の形状のもの という流れから制作をスタート。
アクセントに犠牲者も描き加えています。
「白雪姫のりんご」は童話モチーフであることから、紙人形劇風というコンセプトを思い付いて制作。
御城プロジェクト:REをプレイする中で白雪姫城のモデルになったお城を知っていたので、得た知識を生かす試みもありました。
「夢見る流れ」は脱走シリーズとキャラクターシリーズの合いの子のような作品です。
グラデーション状の背景はキャラクターシリーズのように見えますが、これはアブノーマリティが発生させる虹色の液体を再現したもので、ゲームにおける脱走時の演出。
犠牲者を描いた点は脱走シリーズ寄りになっています。
フォーマットが整備されてくるとそこからあえて外す遊びができるのも楽しいところです。
今回はLobotomy Corporationのドット絵のシリーズ分けについて見ていきました。
ここで紹介した、あるいはしなかったドット絵は以下のまとめ記事に全て公開しています。
個別記事にも移動できるので、興味がありましたらぜひご覧ください。