先週はブログの更新はありませんでしたが、X(旧Twitter)では『千年戦争アイギス』のドット絵を再掲していました。
私は現在ブログ、pixiv、Xでドット絵を公開しており、閲覧者の好みで参照する媒体を選んでもらうスタンスでいます。
ただし媒体ごとに特性が異なる点は重々承知しており、それぞれに合った運用方法を模索し始めています。
Xは作品を人目にさらしやすくコミュニケーションも取れるSNS。
埋もれてしまった作品を取り上げ直すのにうってつけです。
Xでは積極的に再掲していくことにしました。
相手にさかのぼらせるのは申し訳ないですしね。
さて、今回のドット絵は漫画『遊☆戯☆王』から。
『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』のベースになった作品なので、漫画未読のTCGファンにもわかってもらえるはず。
ぜひ見ていってください。
漫画『遊☆戯☆王』から、OCGでは融合モンスターになっていた「迷宮の魔戦車」
タイトル:『迷宮の魔戦車』
制作時間:47.1時間
『遊☆戯☆王』(以降、遊戯王と省略)は『週刊少年ジャンプ』に連載されていた漫画作品です。
主人公・武藤 遊戯(むとう ゆうぎ)が闇のアイテム「千年パズル」を解いたことにより別人格が発現。
悪人たちに「闇のゲーム」で勝利し、罰ゲームを与えていく展開で物語が進みます。
当初は様々なゲームを用いていましたが、オリジナルカードゲーム「マジック&ウィザーズ」が登場してからはカードバトル中心にシフトしていきました。
やがて「マジック&ウィザーズ」を元にしたトレーディングカードゲーム『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム』(以降、遊戯王OCGあるいはOCGと省略)が発売。
その後の流行は皆さんの知る通りです。
私は昔から今に至るまで『マジック:ザ・ギャザリング』一筋だった関係で遊戯王プレイヤーにならなかったものの、OCGを購入したことがあります。
発売当時は漫画の面白さもあってつい手を出したくなるほどの勢いがありました。
現代の立ち位置なら『ONE PIECEカードゲーム』が近いですかね。
自引きしたレアカードは今も大切に保管しています。
迷宮の魔戦車
「迷宮の魔戦車」は「決闘者の王国編」に登場する迷宮兄弟が使用したモンスターカード。
両翼に備えたキャタピラで迷宮の壁に沿って移動できる特化構造になっています。
攻撃力・守備力が共に2400とジャッジ・マンより(数値上は)強かったものの、ブラック・マジシャンに討ち取られ見せ場なく退場しました。
OCGでは素のステータスが高すぎたためか融合モンスターにされたようです。
仕方ないと思いつつも原作未登場のモンスターが素材というのはちょっとなあ……。
ドット絵の説明
この作品は「迷宮の魔戦車」にフォーカスした、遊戯王OCG風デザインのキャラクタードット絵です。
アニメーション前半は中央で前進。
時間経過でイラスト部からフェードアウトし、外周を走り回ります。
迷宮に見立てたカード枠を走行するフレーバーにしました。
キャタピラか、泥よけ装甲か
戦車のカラーリングやデザインはアニメ版に準拠しています。
しかしこのモンスター、実は媒体によってデザインの解釈が違うキャラクターなのです。
最も困ったパーツは脚のキャタピラ先端。
赤枠で囲った箇所が泥よけの装甲なのかキャタピラなのか、判断に迷いました。
漫画はモノクロなので色での判別は不可。
OCGでは装甲、アニメではキャタピラとして解釈されています。
個人的には装甲だろうと思いましたがキャタピラを採用する方針に。
カード枠に戦車の走行跡を配置するので、キャラクター側でもキャタピラを見せておいた方がベターだと考えました。
超信地旋回で方向転換モーション
迷宮の魔戦車の旋回モーションは実物の戦車の動きを参考にしています。
超信地旋回(ちょうしんちせんかい)といい、左右のキャタピラを互いに逆方向に回転させることによってその場で旋回できるそうです。
バニラモンスター用のカード枠
遊戯王OCGにおいて迷宮の魔戦車は融合モンスターです。
OCGの仕様に合わせるならカード枠は紫色になりますので、ドット絵は正確でありません。
しかし今回はあくまで漫画が題材。
迷宮兄弟が通常召喚してきたことを踏まえ、バニラモンスターと同じ枠色にしました。
私は遊戯王OCGプレイヤーでないため、カード自体に関する要素をうかつに入れない方が良いと考えています。
どうしてもにわかになりますからね。
カードタイプのドット絵なのに文字を入れないのもそれが理由です。
破壊跡にまつわるフレーバー
アニメーション後半は戦車がカード上を走ります。
カードをダンジョンに見立てているため、枠やテキストエリアは迷宮の壁という扱い。
戦車の進路を遮る箇所はドリルで掘削されてボロボロの状態になっています。
また、残されたキャタピラ跡には「同じルートを巡回している」ことを示す機械的なフレーバーを込めていたり。
[制作記事]ドット絵の回転が難しくて……
以降は有益な記事ではなくただのボヤキです。
ドット絵は回転が苦手。
きれいに見えるドット配置にはパターンがあるので、回転させるとその法則性が崩れ汚くなります。
だからこそドット絵の回転モーションは粗さを抑えるため中割りを描き下ろすわけですが、そもそも回転後は理想通りにドットを置けないケースばかり。
結果、アンチエイリアス等の技術を駆使し、なるべく見栄え良くごまかす方針を取らざるを得ません。
今回、戦車の旋回アニメーションを描くにあたって、ドット絵をきれいに描くのは難しいなあと改めて思い知らされた次第です。
回転前の戦車ドット絵
回転対象は真上から見た戦車のドット絵です。
上(Y軸)方向に直進する想定で最初に作画したものが以下。
90度回転させれば横向きも同時に完成。
この2パターンを基本コマとし、向きを変えていく中間コマを作っていきます。
回転ツールを適用した画像
上向き(0度)から右向き(90度)に旋回するまでの中間コマを作成します。
まず、ドット絵エディタに搭載されている回転ツールを使ってみます。
15度ずつ角度を変えるようにしました。
はい、ドットが崩れましたね。
回転ツールで許容できる角度は90度、180度、270度。
それ以外は手直しが必要になります。
角度による修正難易度の差
15度ずつ回転させていくので、中間コマは15度、30度、45度、60度、75度の5枚です。
この中で、45度に関してはきれいに作画できます。
感覚的な話ですがジャギが目立たないきれいな直線を引ける角度ほど、回転後の作画がうまくいきやすいです。
45度の直線は以下の通り。
戦車と重ねてみると、ちょうど中心を通りました。
つまり、線を挟んで左右対称に作画できることが分かります。
左右対称のドット絵はよほどのことがない限りきれいに仕上がるので納得。
作画が難しいのは15度、30度、60度、75度です。
修正した回転ドット絵
ドット絵を修正したものがこちら。
ツールで回転した画像で角度のあたりを取りながら作業を進めました。
うーん、やっぱり0度、45度、90度以外は雑に見えますね。
これでもかなり粘ったんですけれど……。
ただ、停止状態だと微妙でも動くと気にならないもの。
アニメーションの様子次第でさっさとオーケーにするのも手です。
というかそうしました。
こういう、どう頑張ってもドットがきれいに収まらないパターン、本当に苦手です。。
何かノウハウをお持ちの方いたら情報提供お待ちしています。
現在、このブログは不定期更新中です。
少し前からうるさいくらいに告知していて申し訳ありません。
ブログを訪れる方の大部分はたまたまたどり着いただけでしょうから、皆さんの目に留まるように毎回言うようにしています。
もし毎週更新と勘違いして訪ねてきてくれる方がいたら、時間を浪費させてしまいますからね。
それでは今回はここまで。
次の記事でお会いしましょう。