冬も終わり、もうすっかり春ですね。
私が住む地域では暑さを感じる日も増えてきました。
むしろ暑いです。
そして季節の変わり目は意外と創作ネタの仕入れ時。
ゲームやアニメには火や水といった属性持ちのほか、季節を象徴するキャラクターが当たり前に登場しますよね。
今回はゲーム『Lobotomy Corporation』から、冬の季語「雪」の名を持つ怪物をドット絵にしました。
時期外れと思いきやキャラクターのフレーバーテキストには「春の訪れ」をにおわせる文言が含まれているため、実はちょうどよいタイミングになったのではないでしょうか。
ぜひ見ていってください。
ゲーム『Lobotomy Corporation』から職員との決闘が特徴的な「雪の女王」のドット絵
タイトル:『雪の女王』
制作時間:10.3時間
「雪の女王」は『Lobotomy Corporation』に登場するアブノーマリティの一体。
(アブノーマリティは本ゲームで登場する怪物や怪奇現象の総称です。)
危険性はちょうど真ん中といったところ。
条件を満たすと作業職員を氷漬けにしてしまいますが、他職員が決闘に勝てば救出することができます。
私は必ず勝てていたので「たまに救助の手間がかかって面倒な相手」くらいの感覚で雑に作業していました。
しかし特性を調べ直したところ職員の能力値によって決闘の勝率が変わると判明。
敗北でどちらの職員も死亡することが分かりました。
死とニアミスしていたとは……。
ドット絵『雪の女王』の説明
雪の女王と職員の決闘シーンをアニメーションにしました。
囚われた仲間を決闘で救い出すというのが何だか芝居のシチュエーションだったので人形劇風にしています。
それだけだとキャラクターがおもちゃっぽくなってしまうため、背景には本来の雪の女王をアップ。
なお、ゲームでは扉が閉まる演出が入って決闘シーンは拝めません。
こだわりポイント
女王の剣が手前と奥にはじかれるようにし、申し訳程度に動作の違いを出しています。
手間がかからない割りにはワンパターンさを軽減できたのではないでしょうか。
手法に慣れるまでの制作数は?
同じ版権を扱うとき、私はドット絵の作風を合わせるようにしています。
例えば雪の女王は『Lobotomy Corporation』のキャラクターなので、同ゲームを描いた他のドット絵と似た雰囲気を持つように。
雰囲気を近づける手段の一つが制作手法です。
ドット絵『雪の女王』は「いつもの手法」で制作しました。
「いつもの」なんて生意気言っていますが、この手法を使うようになったのは本ブログ開設後。
比較的最近になって使い出した手法が、『Lobotomy Corporation』ドット絵の定番に落ち着いているわけです。
技術の定着には反復練習が必要。
今でこそ何気なく使っている手法が、現在の状態になるまでどの程度の制作数をこなしてきたんだろうとふと気になりました。
制作ペースには限度があるので、小学校の頃の漢字練習のような数まではこなしていないはず。
実際に振り返ってみました。
ドット絵『雪の女王』における制作手法
まずは、先ほどから述べている「いつもの手法」がどんなものかを説明しておきます。
以下、ドット絵『雪の女王』の構造を示した画像をご覧ください。
袖やローブ部分に透過色が設定された雪の女王のアニメーション(左上)を、もう一方のアニメーション(右上)に重ねています。
こうすることで上層の透明部分から下層が露出し、1つのアニメーション(中央下)にまとまります。
あくまで私が使用しているドット絵エディタにおける制作イメージ図なので、他ツールではこの限りではありません。
手法の適用履歴
ドット絵『雪の女王』と同じ手法を使った作品を時系列順に見ていきましょう。
手法の初適用[1作品]
手法を初めて使用したのは2020年8月。
『千年戦争アイギス』というゲームに登場するキャラクターを描いたドット絵です。
後ろを歩く妖怪たちのシルエットに炎を投影する方法として見出しました。
炎のドット絵を修正しても妖怪シルエットには影響しないメリットがあり、無駄のなさに手ごたえを感じたのを覚えています。
ただし作品のコマ数が多く制作自体が大変だったため、この手法の難易度までは判断できませんでした。
お手軽さを確認[1作品]
手法の手軽さに気が付いたきっかけは2020年8月に制作したMTGのドット絵です。
箔押し部分を独立して動かすために手法を適用しました。
透過色は流れ星部分のみ、アニメーション枚数も少ない構成。
単純で分かりやすい作品を制作して、本手法が難しくないと把握しました。
利用方法を模索[1作品]
2020年9月にドット絵の素材を公開したこともあり、アレンジ案を示すついでに手法のバリエーションを試してみます。
作品と呼べる質のものは制作していません。
それでも上層の透過範囲と下層アニメーションの組み合わせにより、表現の幅がかなり広がりそうだと分かりました。
手法がかみ合わないケースに遭遇[1作品]
手法を積極的に研究していく方針とし、ここで『Lobotomy Corporation』のドット絵と出会います。
キャラクターに宇宙を投影するために使いました。
しかしながらこの作品、キャラクターの修正が他画像まで影響する構造になってしまい手法が全くかみ合っていません。
手法を効率的に適用するには上層・下層の分割方法を決めた上で作画する必要があると分かりました。
制作の繰り返し[5作品]
ドット絵の上層・下層をどのように分割するかが重要だと分かったので、アニメーションの構造を考えながら制作を進めるようになります。
2020年12月
2021年1月
2021年2月
2021年4月
2021年5月
上層・下層それぞれ1枚のアニメーションになるようにしておけば、どんなに複雑であっても混乱することなく制作できると掴めてきました。
複数の画像をまとめるために中間アニメーションを作る機会も増加。
あえて強引に使う[1作品]
コツが分かると「適切でない」ケースでもあえて手法を用いることができるようになってきます。
下の作品においては「あまり適していない」と理解しつつも手法を使いました。
割り切ればマンパワーで作品を制作できます。
該当ドット絵の場合はアニメーション構築後に修正が発生しないならばデメリットがなかったため、慣れた手法を使うメリットのみ享受できました。
そして常用へ[3作品]
2021年7月の時点では手法がすでに定着していたと思います。
制作方法の一つとして取捨選択していました。
2021年7月
2021年8月
2021年12月
複雑な作品にも挑戦[1作品]
2022年3月の作品はこれまでに比べると複雑でした。
下層アニメーションが2種類あったからです。
手法に慣れたからこそ少し難しい内容に挑戦できるようになりました。
ということで、ドット絵『雪の女王』と同じ手法を用いて今日までに14作品を制作していました。
当たり前のように使えていたのは10作品目くらいからです。
完成までにかかる時間はまちまちですがドット絵の規模はあまり関係ないと思うので、10作品を仕上げる頃には技術が定着していると単純に考えていいのではないでしょうか。
もちろん、習得しようとする技術の難易度にもよりますが……。
ちなみに作業時間の合算は約364時間、1作品当たりの平均は約26時間でした。
最後は等倍のドット絵でお別れです。
次の記事でお会いしましょう。